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第9章 ターニングポイント
8 静寂に包まれた森
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休暇が明けて数日。王立学園で毎年恒例の実践演習がやって来た。
演習が行われる場所は、いつもどおりの学園都市近郊の森だ。私も仮の教師として変装した状態で皆の事を見守ることになる。生徒たちが森の中へ入って行った後、私の正体を知っているアイリスとローザリンデと共に森の見回りを行う手はずだ。
「ここから地図に書かれている目標地点に向かうことになります。最短でも二日はかかるので安全に注意して、皆さんで協力しあうように。緊急時には信号を上げてください。では、開始!」
アイリスの合図で生徒たちが2グループに分かれて森に入っていく。見送ってから半刻ほどすると、アイリスが「では、わたくしたちも参りましょうか」と言った。
「ええ、何事もなく終わると良いですね」
「本当にね…」
王立学園での毒入り未遂以降で怪しいことはおきていない。正直なところ王侯貴族が絡む場合で毒の混入程度は珍しくなかった。ローザリンデの言葉通り、演習が平和に終われば良いと思う。
私たちも森の中へと入っていった。
演習が始まって半日近く経過する。空が赤く染まりだして木々が日差しを遮るようになる。森の中が少しだけ暗くなりかけていた。
「わたくしたちも野営の準備に入りますか?それとも、もう少しだけ巡回しますか?」
「現状なにもありませんし予定通りに野営と言うことで良いと思いますが…」
ローザリンデの問いかけにアイリスは曖昧に返答するが仕方の無いことだろう。言葉通り何も起きなかったのだから。
「本当に妙よね…魔物に一体も会わないなんて」
ここの森は王国の管理区域に設定されていて王立学園や王国軍、近衛騎士団で使うため場所だ。王都近くでは比較的魔力濃度が多く魔物の強さもそれなりであるこの森は、一般の冒険者なども立ち入らないため気付かない間に魔物が討伐されるということも発生しないはずである。
「先月確認した時には特におかしい点はなかったのですよね…アイリス先生は心当たりがあったりしませんか?」
一月ほど前に実戦演習の下見としてローザリンデは森を訪れていた。その時は特におかしい点もなく魔物とも遭遇したらしい。聞かれたアイリスも「教師としても何年も関わっていますが初めてですね」と首を横に振った。
「現時点では対応のしようがありません。ひとまず様子見しましょう…」
アイリスは実践演習の責任者として判断する。結局のところ、何も起きてない今は注意深く様子を見るしかできないだろう。
翌日の早朝、森の中の別の場所ではコーネリアをリーダするグループが野営の拠点としていた。このグループは他にリーファスとイルミナ、キースによるメンバーとなっている。
「キースさん、おはようございます。問題はなさそうですわね」
コーネリアはテントから外に出ると見張りをしているキースに声をかける。寝ている間の見張りは4人で交替する形にしていて明け方最後の番がキースだった。
「コーネリア様、おはようございます。明け方も魔物に襲われることなく…いえ、姿すら見ませんでした」
キースも挨拶を返すと特段問題ないと伝える。弱い魔物くらいであれば見張り役が撃退することになる。しかし魔物がいないことで戦闘が発生していなかった。そのため消耗が全く無いといった状態だ。
「コーネリアもおはよう。早い目覚めだな」
コーネリアとキースが話しているとテントの陰からリーファスが歩いてくる。リーファスにとっての日課になっている剣の素振りを終えた直後で、身体には汗がにじんでいた。
「あら、リーファス様もおはようございます。朝早くから精が出ますわね」
「強くならないといけないからね…」
リーファスは手元を見て呟く。王立学園へ通う前に王都で仕立てた剣は、重厚な造りになっている合金製だ。王都の中での高名な鍛冶屋に打ってもらったオーダーメイド物で魔剣ではないものの高品質である。その剣は使い込まれた跡がありリーファスの魔力と馴染みつつあった。
「その気持ちは良く分かりますわ…」
二人とも意味合いが変わってくるがラティアーナを目標にしている。リーファスは王太子として理想の王として、コーネリアは侯爵領での出来事からその在り方と言った違いはあっても共感する部分が多かった。
「貴族も大変なんですね…」
二人のやり取りを見ていたキースは小さな声で呟く。口が動くくらいの小さな声で二人には聞こえていないようだ。後ろから足音が聞こえてキースの肩が撥ねる。
「それはもちろんよ。貴族である限り戦わないといけないのよ?」
「…びっくりしました。おはようございます、イルミナ様」
キースが振り返るとテントから出てきたイルミナと目が合う。呟いた言葉を聞かれていないと思い、少し気まずそうにしていると「気にしなくて良いわ。平民にとって貴族の印象が良くないのは知っているもの」と嘲笑する。
「けれど王立学園に入って良い貴族もいることが分かってよかったと思います。権力を笠に着る人だけじゃないのは身を持って実感しましたから」
キースの言葉には王立学園で感じたことが込められていた。Aクラス以外の貴族には、平民出身の生徒を下に見る人が多い。身分が高い王族や公爵家の前では手を出さなくても裏で汚いまねをする人もいる。
まだ子どもとして守られている学園でこれなのだから、大人になってからの風当たりはもっと過酷なのだと理解させられるだろう。
それでも正しくあろうとする貴族もいるのであれば希望もあると思えた。
「イルミナも起きてきたことだし朝食にしよう」
「そうね…キースさんもイルミナ様も一緒に朝食の準備をしましょう」
普段と違い丸一日生活を共にすることで互いの理解が少しずつ深まっていく。リーファスとコーネリアの呼びかけに2人が応じると共に歩いていく。
その時……
足元から巨大な揺れが発生し地面が砕ける音が伝わってきた。
「なっ!?地震か……?いや、それにしては」
「上手く言葉にできないですが……何かとてつもなく不気味な力を感じますわ」
リーファスとイルミナは驚きつつも武器の柄に手をかけて辺り一帯を警戒する。続いてコーネリアとキースも警戒しているが、初めての現象に戸惑いを見せていた。
「こ、これは一体なんですか!?」
「キース落ち着きなさい。異常事態だからこそ落ち着いて行動するのよ…」
コーネリアは少しパニックになりかけているキースに声をかけつつもリーファスの方を見る。今は同じ学生でも緊急時であれば帰属として王族に使えなければならない。可能な限り守らないといけないと思ってのことだった。
誰もが訳が分からないまま、長い揺れが続いていく。
そして……ひときわ大きな衝撃が地面を揺らすと、巨大な魔力に包まれる。
「っ…!?3人とも気をしっかり持て!呑み込まれるぞ!」
4人が感じたことの無いほどの魔力は物理的だけでなくプレッシャーとしてののしかかる。リーファスが声をかけるが、イルミナは無言で顔を顰めコーネリアも汗が噴出し震えそうな身体を抑えている。キースにいたっては過呼吸になりかけていた。
濃密な魔力とプレッシャーを振りまきながら地面から巨大な影が這い出てくる。
地中から這い出てきたのは、巨大な女性のような獣だった。輝く翼と巨大な牙を持ち高さは10メートル近い。金色に光る瞳を持っていて髪は全てが独立しているかのように、くねくねと動いている。
そして巨大な獣がリーファスたちの方向を向くと、そのまま口を開き視界が黒い光に覆われた。
演習が行われる場所は、いつもどおりの学園都市近郊の森だ。私も仮の教師として変装した状態で皆の事を見守ることになる。生徒たちが森の中へ入って行った後、私の正体を知っているアイリスとローザリンデと共に森の見回りを行う手はずだ。
「ここから地図に書かれている目標地点に向かうことになります。最短でも二日はかかるので安全に注意して、皆さんで協力しあうように。緊急時には信号を上げてください。では、開始!」
アイリスの合図で生徒たちが2グループに分かれて森に入っていく。見送ってから半刻ほどすると、アイリスが「では、わたくしたちも参りましょうか」と言った。
「ええ、何事もなく終わると良いですね」
「本当にね…」
王立学園での毒入り未遂以降で怪しいことはおきていない。正直なところ王侯貴族が絡む場合で毒の混入程度は珍しくなかった。ローザリンデの言葉通り、演習が平和に終われば良いと思う。
私たちも森の中へと入っていった。
演習が始まって半日近く経過する。空が赤く染まりだして木々が日差しを遮るようになる。森の中が少しだけ暗くなりかけていた。
「わたくしたちも野営の準備に入りますか?それとも、もう少しだけ巡回しますか?」
「現状なにもありませんし予定通りに野営と言うことで良いと思いますが…」
ローザリンデの問いかけにアイリスは曖昧に返答するが仕方の無いことだろう。言葉通り何も起きなかったのだから。
「本当に妙よね…魔物に一体も会わないなんて」
ここの森は王国の管理区域に設定されていて王立学園や王国軍、近衛騎士団で使うため場所だ。王都近くでは比較的魔力濃度が多く魔物の強さもそれなりであるこの森は、一般の冒険者なども立ち入らないため気付かない間に魔物が討伐されるということも発生しないはずである。
「先月確認した時には特におかしい点はなかったのですよね…アイリス先生は心当たりがあったりしませんか?」
一月ほど前に実戦演習の下見としてローザリンデは森を訪れていた。その時は特におかしい点もなく魔物とも遭遇したらしい。聞かれたアイリスも「教師としても何年も関わっていますが初めてですね」と首を横に振った。
「現時点では対応のしようがありません。ひとまず様子見しましょう…」
アイリスは実践演習の責任者として判断する。結局のところ、何も起きてない今は注意深く様子を見るしかできないだろう。
翌日の早朝、森の中の別の場所ではコーネリアをリーダするグループが野営の拠点としていた。このグループは他にリーファスとイルミナ、キースによるメンバーとなっている。
「キースさん、おはようございます。問題はなさそうですわね」
コーネリアはテントから外に出ると見張りをしているキースに声をかける。寝ている間の見張りは4人で交替する形にしていて明け方最後の番がキースだった。
「コーネリア様、おはようございます。明け方も魔物に襲われることなく…いえ、姿すら見ませんでした」
キースも挨拶を返すと特段問題ないと伝える。弱い魔物くらいであれば見張り役が撃退することになる。しかし魔物がいないことで戦闘が発生していなかった。そのため消耗が全く無いといった状態だ。
「コーネリアもおはよう。早い目覚めだな」
コーネリアとキースが話しているとテントの陰からリーファスが歩いてくる。リーファスにとっての日課になっている剣の素振りを終えた直後で、身体には汗がにじんでいた。
「あら、リーファス様もおはようございます。朝早くから精が出ますわね」
「強くならないといけないからね…」
リーファスは手元を見て呟く。王立学園へ通う前に王都で仕立てた剣は、重厚な造りになっている合金製だ。王都の中での高名な鍛冶屋に打ってもらったオーダーメイド物で魔剣ではないものの高品質である。その剣は使い込まれた跡がありリーファスの魔力と馴染みつつあった。
「その気持ちは良く分かりますわ…」
二人とも意味合いが変わってくるがラティアーナを目標にしている。リーファスは王太子として理想の王として、コーネリアは侯爵領での出来事からその在り方と言った違いはあっても共感する部分が多かった。
「貴族も大変なんですね…」
二人のやり取りを見ていたキースは小さな声で呟く。口が動くくらいの小さな声で二人には聞こえていないようだ。後ろから足音が聞こえてキースの肩が撥ねる。
「それはもちろんよ。貴族である限り戦わないといけないのよ?」
「…びっくりしました。おはようございます、イルミナ様」
キースが振り返るとテントから出てきたイルミナと目が合う。呟いた言葉を聞かれていないと思い、少し気まずそうにしていると「気にしなくて良いわ。平民にとって貴族の印象が良くないのは知っているもの」と嘲笑する。
「けれど王立学園に入って良い貴族もいることが分かってよかったと思います。権力を笠に着る人だけじゃないのは身を持って実感しましたから」
キースの言葉には王立学園で感じたことが込められていた。Aクラス以外の貴族には、平民出身の生徒を下に見る人が多い。身分が高い王族や公爵家の前では手を出さなくても裏で汚いまねをする人もいる。
まだ子どもとして守られている学園でこれなのだから、大人になってからの風当たりはもっと過酷なのだと理解させられるだろう。
それでも正しくあろうとする貴族もいるのであれば希望もあると思えた。
「イルミナも起きてきたことだし朝食にしよう」
「そうね…キースさんもイルミナ様も一緒に朝食の準備をしましょう」
普段と違い丸一日生活を共にすることで互いの理解が少しずつ深まっていく。リーファスとコーネリアの呼びかけに2人が応じると共に歩いていく。
その時……
足元から巨大な揺れが発生し地面が砕ける音が伝わってきた。
「なっ!?地震か……?いや、それにしては」
「上手く言葉にできないですが……何かとてつもなく不気味な力を感じますわ」
リーファスとイルミナは驚きつつも武器の柄に手をかけて辺り一帯を警戒する。続いてコーネリアとキースも警戒しているが、初めての現象に戸惑いを見せていた。
「こ、これは一体なんですか!?」
「キース落ち着きなさい。異常事態だからこそ落ち着いて行動するのよ…」
コーネリアは少しパニックになりかけているキースに声をかけつつもリーファスの方を見る。今は同じ学生でも緊急時であれば帰属として王族に使えなければならない。可能な限り守らないといけないと思ってのことだった。
誰もが訳が分からないまま、長い揺れが続いていく。
そして……ひときわ大きな衝撃が地面を揺らすと、巨大な魔力に包まれる。
「っ…!?3人とも気をしっかり持て!呑み込まれるぞ!」
4人が感じたことの無いほどの魔力は物理的だけでなくプレッシャーとしてののしかかる。リーファスが声をかけるが、イルミナは無言で顔を顰めコーネリアも汗が噴出し震えそうな身体を抑えている。キースにいたっては過呼吸になりかけていた。
濃密な魔力とプレッシャーを振りまきながら地面から巨大な影が這い出てくる。
地中から這い出てきたのは、巨大な女性のような獣だった。輝く翼と巨大な牙を持ち高さは10メートル近い。金色に光る瞳を持っていて髪は全てが独立しているかのように、くねくねと動いている。
そして巨大な獣がリーファスたちの方向を向くと、そのまま口を開き視界が黒い光に覆われた。
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