224 / 460
第8章 女王の日常と南の国々
47 裁定と決着
しおりを挟む
「フィンの考えは分かった…ラティアーナ陛下、フィンの扱いはどうしましょうか?」
グライアス侯爵が私に尋ねたのはフィンの罪の扱いについてだ。フィンは平民なため裁判権は領主にある。しかし王族に対して危害を加えた場合などは、裁判権が国王となるからだ。
「国王としていたわけでないから王への反逆には問わないつもりよ。侯爵に委ねるわ」
私の場合はいつも通りの対応をする。それを聞いた侯爵が「ではお言葉に甘えて…」と呟いてフィンを見た。
フィンも裁定が下されるのを感じて、背筋をぴんと伸ばした。
「フィンよ。グライアス侯爵領の領主として其方に裁定を下す。今回の行動は領主への反逆となるが、最良ではないものの私たちのためにもなる行動でもあった。これからも領地に誠心誠意仕えることで罪を償うように」
それは実質の無罪宣告。フィンを許し、これからも筆頭魔術士として扱うと言うもの。
グライアス侯爵の裁定にフィンは良く理解できないようだった。何度か瞬きしてようやく言葉の意味を理解する。信じられないとでも言うような表情で口を開いた。
「私は反逆したのですよ。それなのに…」
「構わん。領主として罪を裁くには、全ての事実詳らかにし、関わった者全てを真実を見極なければならない。フィンの行動だけを見れば反逆と言えるだろう。しかしフィンにとっての真実は、領地を傷つけないようにコーネリアの命を守ろうとしたという事。であれば領主として答えなければならない、それだけのことだ」
グライアス侯爵の言葉には重みがある。建国初期から存在し長い歴史を誇るグライアス侯爵家。その領主として侯爵として、貴族社会の荒波を乗り切ってきただけのことはある、そう感じるものだった。
「ありがとうございます。この命、グライアス侯爵領のため、そしてエスペルト王国のために使いたいと思います」
フィンは頭を深く下げた。隷属の呪いから解放された今、組織からも解放されたも同然だ。ようやく自身の意思で歩みを進めることができるだろう。
師として慕っていたコーネリアも言葉にこそしないものの、安心したように笑みを浮かべてほっと息をつく。
「ではフィンの扱いが決まったことで早速本題に入りましょうか。まずは現在判明していることについて、私から申し上げましょう」
ニコラウスが話題を変えると映写の魔術具に手をかざす。調査結果が空中に投影された。
「ノワール商会自体は国外に本店があるため詳細までは掴めませんでした。ですがエスペルト王国内に進出したのは半年ほど前になりますね。侯爵家に潜入していたのはフィンを除いて3人。ただし誰も組織の人間と直接会った事のある者はいないようです」
組織と繋がっていた人間は執事のほかにも侍女と料理人に1人ずつ。ただし組織からは隷属の呪いを経由して言葉が送られてくるため顔も知らないらしい。
「5年以上前からとは、随分と念入りな計画になりますな。我が侯爵領を狙っていたのか、あるいはエスペルト王国自体を狙っているのか…」
「正直なところ目的がよく分からないのよね…ここは大都市だし流通の要所でもあるけれど代替が効かないわけじゃない。国防の要所でもないし、ね」
私はため息を吐きながら口にする。他の皆も怪訝な表情をしているが、そもそも目的が分からない。
少しの間考えていると、ニコラウスが「もしかしたら…」と言葉にした。
「根拠はないですが今回の件も邪教が絡んでいるかも知れませんよ?5年前くらいから度々事件を起こしてますし、大陸の南側は元々邪教信徒が多いらしいですからね」
「邪教ねぇ…」
「怪しい組織ではありますね…」
私と侯爵があり得るかもしれないと考えていると、今まで静かに聞いていたコーネリアが「邪教ってなんなのでしょうか?わたくしも名前は聞いたことがるのですが…」と言う。
「邪教と言うのは生物の本質を邪とする信仰ですね。魔物のように本能のままに生きることを正として欲のために行動する、と言う思想らしいです」
この大陸にある宗教は大きく分けると2つにある。エスペルト王国も含め多数の国家に根付いている精霊教。そしてもう1つが邪教だ。
邪教は精霊教と違い教会のような組織はない。あくまで純粋な思想だけのものだ。
孤児院長の時は邪気による強化を、バルトロスの時は悪獣の復活を目的としていた。思想が同じだとしても目的は人それぞれとなる。
「結局、事が起こってから対応するしかなさそうね。ニコラウスはノーティア公爵家と協力して警戒だけはお願いね」
「かしこまりました。お任せください」
残りの調査をニコラウスに任せることにした。不明な部分は多いがグライアス侯爵領については、事態を解決できたと考えていいだろう。
それから1日ほど滞在して私たちは王都への帰路に着く。今回の事件だけでなく地下鉄道や流通についても話をすることができたため、とても有意義な時間にすることができた。
「グライアス侯爵。此度の話はとても有意義でした。王国貴族として、これからも期待しているわ」
「こちらこそありがとうございました。今後もエスペルト王国のため力を尽くす所存です」
「ええ、あなたの忠誠しかと受け取ったわ」
侯爵と挨拶を交わしているとコーネリアと目が合う。この滞在期間の中で協力を仰いだエデンを除けば1番濃い時間を過ごしたのが彼女だ。
「コーネリアも元気でね」
「ありがとう存じます!」
私たちは王都へと帰還した。
その後、事件についてはエスペルト王国内を隈なく調査した。痕跡こそ見つかるものの正体までは辿り着かない。
目的も正体もわからない以上、警戒を続けるしかないだろう。
そして約3年が経つ。私は17歳になった。
グライアス侯爵が私に尋ねたのはフィンの罪の扱いについてだ。フィンは平民なため裁判権は領主にある。しかし王族に対して危害を加えた場合などは、裁判権が国王となるからだ。
「国王としていたわけでないから王への反逆には問わないつもりよ。侯爵に委ねるわ」
私の場合はいつも通りの対応をする。それを聞いた侯爵が「ではお言葉に甘えて…」と呟いてフィンを見た。
フィンも裁定が下されるのを感じて、背筋をぴんと伸ばした。
「フィンよ。グライアス侯爵領の領主として其方に裁定を下す。今回の行動は領主への反逆となるが、最良ではないものの私たちのためにもなる行動でもあった。これからも領地に誠心誠意仕えることで罪を償うように」
それは実質の無罪宣告。フィンを許し、これからも筆頭魔術士として扱うと言うもの。
グライアス侯爵の裁定にフィンは良く理解できないようだった。何度か瞬きしてようやく言葉の意味を理解する。信じられないとでも言うような表情で口を開いた。
「私は反逆したのですよ。それなのに…」
「構わん。領主として罪を裁くには、全ての事実詳らかにし、関わった者全てを真実を見極なければならない。フィンの行動だけを見れば反逆と言えるだろう。しかしフィンにとっての真実は、領地を傷つけないようにコーネリアの命を守ろうとしたという事。であれば領主として答えなければならない、それだけのことだ」
グライアス侯爵の言葉には重みがある。建国初期から存在し長い歴史を誇るグライアス侯爵家。その領主として侯爵として、貴族社会の荒波を乗り切ってきただけのことはある、そう感じるものだった。
「ありがとうございます。この命、グライアス侯爵領のため、そしてエスペルト王国のために使いたいと思います」
フィンは頭を深く下げた。隷属の呪いから解放された今、組織からも解放されたも同然だ。ようやく自身の意思で歩みを進めることができるだろう。
師として慕っていたコーネリアも言葉にこそしないものの、安心したように笑みを浮かべてほっと息をつく。
「ではフィンの扱いが決まったことで早速本題に入りましょうか。まずは現在判明していることについて、私から申し上げましょう」
ニコラウスが話題を変えると映写の魔術具に手をかざす。調査結果が空中に投影された。
「ノワール商会自体は国外に本店があるため詳細までは掴めませんでした。ですがエスペルト王国内に進出したのは半年ほど前になりますね。侯爵家に潜入していたのはフィンを除いて3人。ただし誰も組織の人間と直接会った事のある者はいないようです」
組織と繋がっていた人間は執事のほかにも侍女と料理人に1人ずつ。ただし組織からは隷属の呪いを経由して言葉が送られてくるため顔も知らないらしい。
「5年以上前からとは、随分と念入りな計画になりますな。我が侯爵領を狙っていたのか、あるいはエスペルト王国自体を狙っているのか…」
「正直なところ目的がよく分からないのよね…ここは大都市だし流通の要所でもあるけれど代替が効かないわけじゃない。国防の要所でもないし、ね」
私はため息を吐きながら口にする。他の皆も怪訝な表情をしているが、そもそも目的が分からない。
少しの間考えていると、ニコラウスが「もしかしたら…」と言葉にした。
「根拠はないですが今回の件も邪教が絡んでいるかも知れませんよ?5年前くらいから度々事件を起こしてますし、大陸の南側は元々邪教信徒が多いらしいですからね」
「邪教ねぇ…」
「怪しい組織ではありますね…」
私と侯爵があり得るかもしれないと考えていると、今まで静かに聞いていたコーネリアが「邪教ってなんなのでしょうか?わたくしも名前は聞いたことがるのですが…」と言う。
「邪教と言うのは生物の本質を邪とする信仰ですね。魔物のように本能のままに生きることを正として欲のために行動する、と言う思想らしいです」
この大陸にある宗教は大きく分けると2つにある。エスペルト王国も含め多数の国家に根付いている精霊教。そしてもう1つが邪教だ。
邪教は精霊教と違い教会のような組織はない。あくまで純粋な思想だけのものだ。
孤児院長の時は邪気による強化を、バルトロスの時は悪獣の復活を目的としていた。思想が同じだとしても目的は人それぞれとなる。
「結局、事が起こってから対応するしかなさそうね。ニコラウスはノーティア公爵家と協力して警戒だけはお願いね」
「かしこまりました。お任せください」
残りの調査をニコラウスに任せることにした。不明な部分は多いがグライアス侯爵領については、事態を解決できたと考えていいだろう。
それから1日ほど滞在して私たちは王都への帰路に着く。今回の事件だけでなく地下鉄道や流通についても話をすることができたため、とても有意義な時間にすることができた。
「グライアス侯爵。此度の話はとても有意義でした。王国貴族として、これからも期待しているわ」
「こちらこそありがとうございました。今後もエスペルト王国のため力を尽くす所存です」
「ええ、あなたの忠誠しかと受け取ったわ」
侯爵と挨拶を交わしているとコーネリアと目が合う。この滞在期間の中で協力を仰いだエデンを除けば1番濃い時間を過ごしたのが彼女だ。
「コーネリアも元気でね」
「ありがとう存じます!」
私たちは王都へと帰還した。
その後、事件についてはエスペルト王国内を隈なく調査した。痕跡こそ見つかるものの正体までは辿り着かない。
目的も正体もわからない以上、警戒を続けるしかないだろう。
そして約3年が経つ。私は17歳になった。
5
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
わがまま姉のせいで8歳で大聖女になってしまいました
ぺきぺき
ファンタジー
ルロワ公爵家の三女として生まれたクリスローズは聖女の素質を持ち、6歳で教会で聖女の修行を始めた。幼いながらも修行に励み、周りに応援されながら頑張っていたある日突然、大聖女をしていた10歳上の姉が『妊娠したから大聖女をやめて結婚するわ』と宣言した。
大聖女資格があったのは、その時まだ8歳だったクリスローズだけで…。
ー---
全5章、最終話まで執筆済み。
第1章 6歳の聖女
第2章 8歳の大聖女
第3章 12歳の公爵令嬢
第4章 15歳の辺境聖女
第5章 17歳の愛し子
権力のあるわがまま女に振り回されながらも健気にがんばる女の子の話を書いた…はず。
おまけの後日談投稿します(6/26)。
番外編投稿します(12/30-1/1)。
作者の別作品『人たらしヒロインは無自覚で魔法学園を改革しています』の隣の国の昔のお話です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる