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第8章 女王の日常と南の国々
45 コーネリアとフィン
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エデンたちが捕まっていた人たちを逃がし、ラティアーナが追いかけてくる有象無象を相手している頃。
コーネリアはフィンと残りの10人を相手にしていた。
フィンから放たれる風の弾丸を魔術省壁で防ぎつつ、短剣を持って襲い掛かってくる敵を確実に倒していく。
「嬢ちゃんも見かけによらず強いんだな…バラバラじゃ埒が明かない。全員で囲め!」
3人ほど倒したあたりで敵の動きが変わる。バラバラに攻撃するのではなくコーネリアを囲むように移動して同時に襲い掛かるようになった。
「わたくしは他の方みたいに効率よく防御するなんてできません…ですがあなたたちの攻撃を防ぐくらいは造作もないですわ!」
コーネリアの周囲に球状の魔術省壁が展開される。
ガキンと弾くような音がすると同時に敵の短剣の刃が止まった。
「なに!?」
魔術士との戦闘経験が少ない相手は知らないことだが、本来魔術障壁というのは広範囲に展開するものだ。敵の攻撃を安全に防ぐものであり防御範囲は防御対象よりも大きく設定し、攻撃に耐え切れるだけの余裕を見て魔力を込めておくのが普通である。
むしろラティアーナのように、必要最低限の範囲を必要最低限の強度で障壁を展開するほうが特殊だろう。
「わたくしはフィンに用がありますの。あなたたちはそこで眠っていなさい!」
コーネリアは障壁を維持したまま、もう1つの魔術を行使する。頭上に展開した術式が発動し、コーネリアを中心とした広範囲に雷撃が放たれた。
光が収まると周りにいた10人の敵は、体を痙攣させて地面に倒れている。
「はぁ、はぁ……これで残すところは、あなただけですね。フィン」
コーネリアは障壁を解除肩で息をしながらフィンを見上げた。
魔術の同時使用や障壁外での術式の展開に加えて一気に魔力を消費したことにより立っているのも辛い状況だ。けれど気合で疲労を捻じ伏せる。
「そうですね…私を止めたければ殺すつもりできなさい!」
フィンは杖を掲げた。複数の術式が展開され風の弾丸が多数出現する。
「いえ。聞きたいことも言いたい文句も山ほどあります。必ず倒しますわ!」
フィンの放った風の弾丸に対してコーネリアも魔力弾を放つ。互いの弾丸がぶつかり合って、音をさせながら相殺する。コーネリアは魔力弾の生成数を増やしフィンの攻撃を徐々に押し返す。さらに雷撃を地面を這わせるように生み出した。
風魔術によって迎撃が難しい場所への攻撃はフィンにとっても嫌なようで、表情を曇らせて跳躍して避ける。
「流石ですね…侯爵家にふさわしい適性と魔力量。時間もなさそうですし私の全力を持って終わらせましょう」
フィンがラティアーナの方をチラッと見る。
ラティアーナの周りにはたくさんの敵が横たわっていた。所々焦げていたり遠くに吹き飛んだりしたりと死屍累々としている。
最もぼろぼろの状態でこそあるが息はあった。
フィンの杖がコーネリアに向けられる。次いで膨大な魔力が溢れて杖の先に暴風が収束していく。恐らくはフィンの残魔力の全てを込めた一撃。
コーネリアは顔を強張らせて、ふと一息吐く。余計な力を抜きどう切り抜けるか思案する。
フィンの一撃は全魔力を集めているだけありコーネリアの背の高さは超える。そもそも身体強化は最低限扱えるものの、身体能力は高くなかった。従って回避からの反撃という選択肢はない。
同程度の魔力をぶつけて相殺させるという手段もある。しかし高威力の風魔術に同威力の攻撃を当てると攻撃同士が拡散して余波が大きくなる可能性があった。
だからこそコーネリアは、一番安全が高そうな防御をとった。
コーネリアは掌を前に突き出して魔力を集めていく。行使するのは魔術障壁。浅めの器のようにフィンの方向へ反っていて攻撃を受け止めるためのものだ。
「フィン…あなたの全魔力を防ぐことができれば、わたくしの勝ちですわ」
「そうですね。そして私の全力がお嬢様の防御を突破できれば私の勝ちです」
その直後、フィンの全力の一撃とコーネリアの全力の防御。その2つが衝突し大きな音と衝撃を轟かせた。
一方でラティアーナは90人ほどの敵を倒し終わっていた。
残る決着はコーネリアとフィンのみ。
互いに思うところがあるようでコーネリアの身に危険が迫らない限りは手出しするつもりはない。
2人の全力の攻撃と全力の防御。魔力同士が衝突した影響で土煙が漂っているが、少しすると煙が晴れて視界が開ける。そこにはフィンが仰向けに倒れていて、コーネリアが膝を地面に着けて肩で息をしているものの強い目をしていた。
「決着は着いたようね」
「ぎりぎりでしたがなんとか…陛下もご無事ですか?」
「問題ないわ。他の皆も無事衛兵に保護されたみたいね」
王鍵の目を使って外の様子を見る。エデンたちは倉庫から少し離れたところでシリウス率いる衛兵たちに保護されていた。直にこちらにも応援が来るだろう。
私の言葉にコーネリアもほっと胸を撫で下ろした。
「そうですか…全て終わったわけですね」
今にも消えそうな声で呟いたのはフィンだった。魔力枯渇の影響で顔色を悪くしていて身動きが取れないでいる。しかし負けた側にしては晴れ晴れとした表情もしている。
「どうして…わたくし達を裏切ったのですか?」
「お嬢様に話すことなど何もありませんよ…」
コーネリアの問いにフィンは何も答えなかった。そのまま目を閉じてじっとしている。
「フィンなにを!?」
目を開けたフィンは、胸元から短剣を取り出すとそのまま胸に刺そうとする。突然の行動にコーネリアは思わず声を上げて固まった。
私も予想外の行動に驚く。短剣が届く前に弾こうと刀を抜こうとするが、その前にフィンが苦しみ出した。
「ぐっ……自刃する事さえも許さないといく事ですか!?お嬢様離れて!」
フィンから生命力が溢れると、唯々純粋なエネルギーの奔流となって辺り一帯を包み込もうとする。魔力が枯渇しているため生命力だけを用いているようだが、恐らくはフィンの意思ではない強制的な自爆だ。
「フィン!?」
名前を叫んで呆然とするコーネリアを抑えて前に出る。辰月を抜いて高密度のエネルギーの奔流の中心となっている場所を探して刀を刺した。
「っ…!?これでも時間稼ぎしかできないわ…これは一体何なの?あなたは一体何に干渉されているの!?」
魔力を霧散させる辰月であれば術式や魔力の基点を破壊できる。しかし今のように全体の一部しか見えていない場合、エネルギーの流れを抑えることしか出来なかった。
「私のこれは隷属の首輪と同等の呪いですよ…私の命が尽きれば呪いは解けます。ラティアーナ陛下……私に止めを」
フィンは内から溢れる力に苦しみながらもそう言葉にする。
隷属の首輪は闇属性の魔術を刻んだ拘束具だ。奴隷が認められている他国では多く流通しているものとなる。奴隷の売買を禁じているエスペルト王国では、一部の貴族や他国からやってきた人くらいしか持ってはいない。
「そう…初めからそのつもりだったのね。あなたを解放してあげるわ」
コーネリアは涙目になって私たちを見ていた。自爆を止める手段もなく貴族であるが故に私を止めることもできない。
そんなコーネリアを横目に辰月を戻して夜月を手に取る。宝石の1つを砕いて、聖属性の魔術を刀に纏わせた。同時に夜月に魔力を喰わせて刀に眠る力を呼び起こす。
そしてそのままフィンから溢れる力の大元、心臓の部分を刀で突き刺した。
コーネリアはフィンと残りの10人を相手にしていた。
フィンから放たれる風の弾丸を魔術省壁で防ぎつつ、短剣を持って襲い掛かってくる敵を確実に倒していく。
「嬢ちゃんも見かけによらず強いんだな…バラバラじゃ埒が明かない。全員で囲め!」
3人ほど倒したあたりで敵の動きが変わる。バラバラに攻撃するのではなくコーネリアを囲むように移動して同時に襲い掛かるようになった。
「わたくしは他の方みたいに効率よく防御するなんてできません…ですがあなたたちの攻撃を防ぐくらいは造作もないですわ!」
コーネリアの周囲に球状の魔術省壁が展開される。
ガキンと弾くような音がすると同時に敵の短剣の刃が止まった。
「なに!?」
魔術士との戦闘経験が少ない相手は知らないことだが、本来魔術障壁というのは広範囲に展開するものだ。敵の攻撃を安全に防ぐものであり防御範囲は防御対象よりも大きく設定し、攻撃に耐え切れるだけの余裕を見て魔力を込めておくのが普通である。
むしろラティアーナのように、必要最低限の範囲を必要最低限の強度で障壁を展開するほうが特殊だろう。
「わたくしはフィンに用がありますの。あなたたちはそこで眠っていなさい!」
コーネリアは障壁を維持したまま、もう1つの魔術を行使する。頭上に展開した術式が発動し、コーネリアを中心とした広範囲に雷撃が放たれた。
光が収まると周りにいた10人の敵は、体を痙攣させて地面に倒れている。
「はぁ、はぁ……これで残すところは、あなただけですね。フィン」
コーネリアは障壁を解除肩で息をしながらフィンを見上げた。
魔術の同時使用や障壁外での術式の展開に加えて一気に魔力を消費したことにより立っているのも辛い状況だ。けれど気合で疲労を捻じ伏せる。
「そうですね…私を止めたければ殺すつもりできなさい!」
フィンは杖を掲げた。複数の術式が展開され風の弾丸が多数出現する。
「いえ。聞きたいことも言いたい文句も山ほどあります。必ず倒しますわ!」
フィンの放った風の弾丸に対してコーネリアも魔力弾を放つ。互いの弾丸がぶつかり合って、音をさせながら相殺する。コーネリアは魔力弾の生成数を増やしフィンの攻撃を徐々に押し返す。さらに雷撃を地面を這わせるように生み出した。
風魔術によって迎撃が難しい場所への攻撃はフィンにとっても嫌なようで、表情を曇らせて跳躍して避ける。
「流石ですね…侯爵家にふさわしい適性と魔力量。時間もなさそうですし私の全力を持って終わらせましょう」
フィンがラティアーナの方をチラッと見る。
ラティアーナの周りにはたくさんの敵が横たわっていた。所々焦げていたり遠くに吹き飛んだりしたりと死屍累々としている。
最もぼろぼろの状態でこそあるが息はあった。
フィンの杖がコーネリアに向けられる。次いで膨大な魔力が溢れて杖の先に暴風が収束していく。恐らくはフィンの残魔力の全てを込めた一撃。
コーネリアは顔を強張らせて、ふと一息吐く。余計な力を抜きどう切り抜けるか思案する。
フィンの一撃は全魔力を集めているだけありコーネリアの背の高さは超える。そもそも身体強化は最低限扱えるものの、身体能力は高くなかった。従って回避からの反撃という選択肢はない。
同程度の魔力をぶつけて相殺させるという手段もある。しかし高威力の風魔術に同威力の攻撃を当てると攻撃同士が拡散して余波が大きくなる可能性があった。
だからこそコーネリアは、一番安全が高そうな防御をとった。
コーネリアは掌を前に突き出して魔力を集めていく。行使するのは魔術障壁。浅めの器のようにフィンの方向へ反っていて攻撃を受け止めるためのものだ。
「フィン…あなたの全魔力を防ぐことができれば、わたくしの勝ちですわ」
「そうですね。そして私の全力がお嬢様の防御を突破できれば私の勝ちです」
その直後、フィンの全力の一撃とコーネリアの全力の防御。その2つが衝突し大きな音と衝撃を轟かせた。
一方でラティアーナは90人ほどの敵を倒し終わっていた。
残る決着はコーネリアとフィンのみ。
互いに思うところがあるようでコーネリアの身に危険が迫らない限りは手出しするつもりはない。
2人の全力の攻撃と全力の防御。魔力同士が衝突した影響で土煙が漂っているが、少しすると煙が晴れて視界が開ける。そこにはフィンが仰向けに倒れていて、コーネリアが膝を地面に着けて肩で息をしているものの強い目をしていた。
「決着は着いたようね」
「ぎりぎりでしたがなんとか…陛下もご無事ですか?」
「問題ないわ。他の皆も無事衛兵に保護されたみたいね」
王鍵の目を使って外の様子を見る。エデンたちは倉庫から少し離れたところでシリウス率いる衛兵たちに保護されていた。直にこちらにも応援が来るだろう。
私の言葉にコーネリアもほっと胸を撫で下ろした。
「そうですか…全て終わったわけですね」
今にも消えそうな声で呟いたのはフィンだった。魔力枯渇の影響で顔色を悪くしていて身動きが取れないでいる。しかし負けた側にしては晴れ晴れとした表情もしている。
「どうして…わたくし達を裏切ったのですか?」
「お嬢様に話すことなど何もありませんよ…」
コーネリアの問いにフィンは何も答えなかった。そのまま目を閉じてじっとしている。
「フィンなにを!?」
目を開けたフィンは、胸元から短剣を取り出すとそのまま胸に刺そうとする。突然の行動にコーネリアは思わず声を上げて固まった。
私も予想外の行動に驚く。短剣が届く前に弾こうと刀を抜こうとするが、その前にフィンが苦しみ出した。
「ぐっ……自刃する事さえも許さないといく事ですか!?お嬢様離れて!」
フィンから生命力が溢れると、唯々純粋なエネルギーの奔流となって辺り一帯を包み込もうとする。魔力が枯渇しているため生命力だけを用いているようだが、恐らくはフィンの意思ではない強制的な自爆だ。
「フィン!?」
名前を叫んで呆然とするコーネリアを抑えて前に出る。辰月を抜いて高密度のエネルギーの奔流の中心となっている場所を探して刀を刺した。
「っ…!?これでも時間稼ぎしかできないわ…これは一体何なの?あなたは一体何に干渉されているの!?」
魔力を霧散させる辰月であれば術式や魔力の基点を破壊できる。しかし今のように全体の一部しか見えていない場合、エネルギーの流れを抑えることしか出来なかった。
「私のこれは隷属の首輪と同等の呪いですよ…私の命が尽きれば呪いは解けます。ラティアーナ陛下……私に止めを」
フィンは内から溢れる力に苦しみながらもそう言葉にする。
隷属の首輪は闇属性の魔術を刻んだ拘束具だ。奴隷が認められている他国では多く流通しているものとなる。奴隷の売買を禁じているエスペルト王国では、一部の貴族や他国からやってきた人くらいしか持ってはいない。
「そう…初めからそのつもりだったのね。あなたを解放してあげるわ」
コーネリアは涙目になって私たちを見ていた。自爆を止める手段もなく貴族であるが故に私を止めることもできない。
そんなコーネリアを横目に辰月を戻して夜月を手に取る。宝石の1つを砕いて、聖属性の魔術を刀に纏わせた。同時に夜月に魔力を喰わせて刀に眠る力を呼び起こす。
そしてそのままフィンから溢れる力の大元、心臓の部分を刀で突き刺した。
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