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第5章 王女の学園生活
7 実習での異常事態
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夜が明けて、2日目がはじまる。
朝食の準備は私とイリーナで行い、残りの3人がテントなどの片付けをしていた。。
「携帯用の食料にあまった山菜を加えて、味を調えるくらいでいいわよね?」
「そうね。…お湯を作るは任せなさい。」
私は携帯用食料の容器のふたを開けて、細かくした山菜を加えて手持ちの塩や香辛料で味を調える。同時にイリーナは準備できたものから順番に、魔術で作り出したお湯を注いでいった。
携帯用の食料自体は水を入れれば、最低限食べることができる。そのため実戦経験がある貴族や騎士でも、調理をしないことが多い。
「できたわよ。」
「「「ありがとうございます。」」」
5人で朝食を食べつつ、今日の打ち合わせも行う。
「今日のうちに、ある程度進めるといいですね。」
「ええ、初日もそれなりに進んだはずです。地図を見る限り、4割程度だと思います。」
アルマクとカイが地図を見ながら話し合っていた。
「連携もできてきたし、魔物との戦闘も時間がかからないと思うわ。油断はできないけど落ち着いていけば大丈夫だと思う。」
イリーナもそう言うと、2人も安心した表情をした。
「では昨日と同じで、私とロナさん、カイさんの3人主体で行きます。ラティアーナ様とイリーナ様は支援の方、お願いします。」
「「了解。」」
食事も終わると荷物を整理して、準備を整えた。
「では出発しましょうか。」
アルマクの号令に皆で返事をすると、目的地に向けて歩き出した。
それからしばらく経って、日が一番高くなった頃オーガの群れに囲まれていた。
「カイさん、前方のオーガをお願いします。ロナさんはその補助を。ラティアーナ様、イリーナ様、後方のオーガをお任せしてもいいですか?私は全体的に支援に入ります。」
アルマクが指示を出すと、残りの全員が「了解」と返事する。
私は剣を抜いてオーガに接近すると、その勢いのまま斬り裂く。イリーナからの魔術による支援もあって、時間をかけることなく沈黙した。
アルマクの元に戻る頃には、他のオーガも倒された。
「問題なさそうですね。先に行きましょうか。」
アルマクは皆に怪我がないことを確認して、前進しようとする。
その時、森のなかから1体の魔物が現れた。
「あれは…なんでしょうか?初めて見る魔物ですね。」
目の前にいるのは巨大な熊のような魔物だった。警戒して構えていると、眼と眼が合う。
「あれは…フェロウルサス!?どうしてこのような場所に?」
イリーナが驚いた声を上げる。
「どのような魔物ですか?」
アルマクがイリーナに尋ねると、怪訝な表情をしつつも答えてくれる。
「あれはエスペルト王国よりも南部に生息する魔物よ。国内の魔物とは比べ物にならない強さね。」
イリーナの言葉にアルクスたちの顔がひきつった。本来はこの森どころか、国内では遭遇しない強さを持つ魔物だ。特にアルマクは、辺境の領地出身のため国外の魔物の怖さをよく知っているのだろう。
「念のため、アイリス先生には連絡入れておいておきなさいな。わたくしが倒します。」
イリーナが前に出て魔物と相対する。
「こっちは守るから気にせず行くといいわ。」
私も少し前に出て、剣の柄に手をかけた。
「お二人とも了解です。カイさん念のため私たちの近くで守りを固めてください。ロナさんはイリーナ様の支援を。」
「「はい。」」
他の3人も警戒を強めて、いつでも支援できるように構える。
イリーナは、魔術を2つ展開した。どちらも下級クラスのものだが、土から生成されたいくつもの瓦礫がイリーナを守るように漂い、氷の剣が一斉に並ぶ。
「これでどうかしら?」
イリーナはそう呟いて氷の剣を一斉に射出した。地面スレスレを氷の剣が飛ぶが、フェロウルサスは飛び越えるようにして跳躍する。
イリーナは周囲に漂う瓦礫を前に飛ばし、更に一度飛ばした氷の剣を引き戻す。瓦礫と氷の剣が、襲いかかるフェロウルサスの前後から突き刺さると…内部から弾け飛んだ。
「ひゃっ!」
いきなり魔物が弾け飛ぶ光景に、ロナたちの悲鳴が聞こえる。
「…流石ですね。支援が必要ありませんでした。威力が少なめの魔術を、あそこまで操るなんて私ではまだできなさそうです。」
アルクスも驚きの声をあげていた。
「これでも魔術の名門ですから。これくらいはできませんと…それにしてもこれは、異常ですわね。」
イリーナの視線が、更にやってきた魔物の群れを捉える。先程と同じフェロウルサスもあれば、全く見たことのない魔物もいる。
「これは本格的に異常事態ね。わたくしも前に出ましょう。先生はなにか言ってましたか?」
私も剣を抜きながら、アルマクに尋ねた。
「それが、通信が繋がりませんでした。魔術具自体は壊れていないはずですけど…」
「そうですか…仕方ありませんね。わたくしたちだけで、乗り切るしかないでしょう。」
「了解しました。私とロナさんで支援します。カイさんは念のため、私たちのことを守ってください。敵の殲滅は、ラティアーナ様とイリーナ様にお願いします。」
私とイリーナは共に頷いて前に出る。長い戦いの時間が幕を開けた。
朝食の準備は私とイリーナで行い、残りの3人がテントなどの片付けをしていた。。
「携帯用の食料にあまった山菜を加えて、味を調えるくらいでいいわよね?」
「そうね。…お湯を作るは任せなさい。」
私は携帯用食料の容器のふたを開けて、細かくした山菜を加えて手持ちの塩や香辛料で味を調える。同時にイリーナは準備できたものから順番に、魔術で作り出したお湯を注いでいった。
携帯用の食料自体は水を入れれば、最低限食べることができる。そのため実戦経験がある貴族や騎士でも、調理をしないことが多い。
「できたわよ。」
「「「ありがとうございます。」」」
5人で朝食を食べつつ、今日の打ち合わせも行う。
「今日のうちに、ある程度進めるといいですね。」
「ええ、初日もそれなりに進んだはずです。地図を見る限り、4割程度だと思います。」
アルマクとカイが地図を見ながら話し合っていた。
「連携もできてきたし、魔物との戦闘も時間がかからないと思うわ。油断はできないけど落ち着いていけば大丈夫だと思う。」
イリーナもそう言うと、2人も安心した表情をした。
「では昨日と同じで、私とロナさん、カイさんの3人主体で行きます。ラティアーナ様とイリーナ様は支援の方、お願いします。」
「「了解。」」
食事も終わると荷物を整理して、準備を整えた。
「では出発しましょうか。」
アルマクの号令に皆で返事をすると、目的地に向けて歩き出した。
それからしばらく経って、日が一番高くなった頃オーガの群れに囲まれていた。
「カイさん、前方のオーガをお願いします。ロナさんはその補助を。ラティアーナ様、イリーナ様、後方のオーガをお任せしてもいいですか?私は全体的に支援に入ります。」
アルマクが指示を出すと、残りの全員が「了解」と返事する。
私は剣を抜いてオーガに接近すると、その勢いのまま斬り裂く。イリーナからの魔術による支援もあって、時間をかけることなく沈黙した。
アルマクの元に戻る頃には、他のオーガも倒された。
「問題なさそうですね。先に行きましょうか。」
アルマクは皆に怪我がないことを確認して、前進しようとする。
その時、森のなかから1体の魔物が現れた。
「あれは…なんでしょうか?初めて見る魔物ですね。」
目の前にいるのは巨大な熊のような魔物だった。警戒して構えていると、眼と眼が合う。
「あれは…フェロウルサス!?どうしてこのような場所に?」
イリーナが驚いた声を上げる。
「どのような魔物ですか?」
アルマクがイリーナに尋ねると、怪訝な表情をしつつも答えてくれる。
「あれはエスペルト王国よりも南部に生息する魔物よ。国内の魔物とは比べ物にならない強さね。」
イリーナの言葉にアルクスたちの顔がひきつった。本来はこの森どころか、国内では遭遇しない強さを持つ魔物だ。特にアルマクは、辺境の領地出身のため国外の魔物の怖さをよく知っているのだろう。
「念のため、アイリス先生には連絡入れておいておきなさいな。わたくしが倒します。」
イリーナが前に出て魔物と相対する。
「こっちは守るから気にせず行くといいわ。」
私も少し前に出て、剣の柄に手をかけた。
「お二人とも了解です。カイさん念のため私たちの近くで守りを固めてください。ロナさんはイリーナ様の支援を。」
「「はい。」」
他の3人も警戒を強めて、いつでも支援できるように構える。
イリーナは、魔術を2つ展開した。どちらも下級クラスのものだが、土から生成されたいくつもの瓦礫がイリーナを守るように漂い、氷の剣が一斉に並ぶ。
「これでどうかしら?」
イリーナはそう呟いて氷の剣を一斉に射出した。地面スレスレを氷の剣が飛ぶが、フェロウルサスは飛び越えるようにして跳躍する。
イリーナは周囲に漂う瓦礫を前に飛ばし、更に一度飛ばした氷の剣を引き戻す。瓦礫と氷の剣が、襲いかかるフェロウルサスの前後から突き刺さると…内部から弾け飛んだ。
「ひゃっ!」
いきなり魔物が弾け飛ぶ光景に、ロナたちの悲鳴が聞こえる。
「…流石ですね。支援が必要ありませんでした。威力が少なめの魔術を、あそこまで操るなんて私ではまだできなさそうです。」
アルクスも驚きの声をあげていた。
「これでも魔術の名門ですから。これくらいはできませんと…それにしてもこれは、異常ですわね。」
イリーナの視線が、更にやってきた魔物の群れを捉える。先程と同じフェロウルサスもあれば、全く見たことのない魔物もいる。
「これは本格的に異常事態ね。わたくしも前に出ましょう。先生はなにか言ってましたか?」
私も剣を抜きながら、アルマクに尋ねた。
「それが、通信が繋がりませんでした。魔術具自体は壊れていないはずですけど…」
「そうですか…仕方ありませんね。わたくしたちだけで、乗り切るしかないでしょう。」
「了解しました。私とロナさんで支援します。カイさんは念のため、私たちのことを守ってください。敵の殲滅は、ラティアーナ様とイリーナ様にお願いします。」
私とイリーナは共に頷いて前に出る。長い戦いの時間が幕を開けた。
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