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第3章 エスペルト王国の動乱
16 大規模侵略の始まり
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ここは、セプテンリオ元伯爵が捕まってから約1月が経過して頃のグランバルド帝国の前線軍事都市。
俺デトロークは、将軍として兵の招集をして出陣のための準備を行っていた。
「デトローク将軍お疲れ様です。帝国兵およそ3万の召集完了しました。いつでも出陣可能です。」
「ご苦労である。出発は3日後の早朝だ。それまで各自準備を怠るな!陸戦艦も出せるようにしておけ!」
「「「はっ!」」」
俺の返事に、各部隊の長たちが返事を返す。
(前回の撤退から約半年。飛空船を鹵獲されるという失態を犯した以上、今回は成功させなければならない。飛空船の構造が把握された以上、空挺部隊を前線にだすのは危険だ。空挺部隊は後方援護に回して、ここは確実に陸上戦で数の利を持って叩き潰す!ラティアーナ第3王女…前回煮え湯を飲まされた分、今回は俺が斬る。)
飛空船の最大の弱点は、基幹となっている魔力炉だ。魔力炉に攻撃があたると保有している魔力が暴発し、強力な爆発が起きる。魔力炉の位置が特定されている状況であれば、集中的に狙うのが定石だった。
また、陸戦艦とは飛空船より小さめの陸上を走る戦艦のようなものだ。速度は人が走るより少し速い程度だが、重防御の装甲と高威力の砲門を備えている。
そして3日後早朝、軍事都市に攻撃隊のすべてが揃う。
騎士 … 2万5千名
魔術士 … 4千名
陸戦艦 … 2艦 乗員4百名
飛空船 … 3艦 乗員6百名
「全隊出撃せよ!」
将軍の号令をもって、帝国軍が出陣した。
帝国軍が出発した同刻、セプテンリオの国境壁のエスペルト王国軍本陣。
「報告します!帝国軍の陸上部隊に動きあり!総数は不明です。」
報告を聞いているのは、私とシクスタス司令官、アドリアスだ。
「以前決めた作戦の再確認です。こちらの兵力は、国軍3千を主とします。戦闘区域は、元砦のあった前方を想定。攻めてきた軍団に対して、長距離砲撃を行い撃滅。その隙に、我々も全軍を持って敵に当たり数を減らします。ある程度戦ったのちに、撤退し長距離砲撃でこれを支援します。」
「ええ、それで構わないわ。地の利を生かした一方的な砲撃を行います。では準備をしましょうか。…シリウス、今回は近衛隊も出します。わたくしの盾としてではなく、剣として率いなさい。指揮はあなたに任せます。」
「かしこまりました。姫様。」
シクスタス司令官の確認に私も異論はない。この半年間にたくさん意見を重ねてきた、現時点における最善手だ。
王国軍は、元砦の少し手前に陣を敷く。砦は元々崖になってたところの通路も兼ねていたため、帝国軍がこちらに攻めるにはまた砦を通るか崖を登るしかない。
陣の後ろには、大量の魔術大砲が鎮座している。この半年の間に急いで準備したもので、1つ1つは魔力によって弾丸を放つ大砲たが、魔術具を使って全大砲を連動、射角の調整と発射をまとめて操作することを可能にした。一度の装填で5発までは込めることができるため、全300門の大砲は、短期間に1500発撃てる。因みに弾丸はHE弾のため、近くに着弾さえすれば内部の火薬によって周囲を破壊する。
そして、大砲は全て上空に照準を向けていて迫撃砲と同様だ。
「報告!帝国軍の前列が有効範囲に到達しました。部隊数は、およそ3万。中央の部隊が目標範囲に入るまで、およそ鐘2つ分です。」
「射撃は、帝国軍が中央が範囲に入った時に行う。それまでは各隊待機!」
シクスタス司令官の号令が飛ぶ。今回の作戦は、帝国軍の中央に砲撃、前後で分断させることが第1目標だ。
全てを撃った後は極力狭い場所で総力戦を行い、第2撃の射撃準備の時間を稼ぐ。準備が整って時点で、国軍が撤退して第2撃を放つ。
「ではシクスタス司令官、あとは任せます。わたくしたちは、前線に出ますね。」
「かしこまりました。ご武運を。」
後方支援部隊をシクスタス司令官に任せて、私たち前線部隊は配置へ向かう。
そして鐘2つ分が経過したころ…
「帝国軍目標位置まで到達!」
「全魔術大砲、一斉射撃!撃てっ!」
全300門の大砲が火を噴いた。各大砲から撃ちだされた300の弾丸は上空高くに撃ちあがり、自由落下に任せて砲弾の雨が降る。地面に着弾した瞬間、閃光と轟音が辺りを響かせた。
「っ!?敵襲!?」
帝国兵の中央付近に降り注いだ砲弾の爆発によって、帝国兵が吹き飛んでいく。そして続けて4度、轟音が鳴り砲弾の雨が連続した。
爆発が鳴りやむ頃には、帝国軍の中央部分が半壊した。それでも途中途中に配置されている魔術士による障壁によって、壊滅まではしなかったようだ。
「わたくしたちも参りましょうか。」
「そうだな。王の剣を担う我が家の誇りにかけて敵を討つ。」
「姫様の御心のままに。」
「近衛第3騎士団の力を見せてやりましょう!」
私の言葉にアドリアス、シリウス、アルキオネが順に返してくれた。
「では王国軍も…全軍突撃!帝国軍を討ちなさいっ!」
「「「「「「「おぉ!!!」」」」」」」
私たち4人を先頭に約3千の国軍と約30名の近衛第3騎士団は、約3万の帝国軍に対して突撃する。
俺デトロークは、将軍として兵の招集をして出陣のための準備を行っていた。
「デトローク将軍お疲れ様です。帝国兵およそ3万の召集完了しました。いつでも出陣可能です。」
「ご苦労である。出発は3日後の早朝だ。それまで各自準備を怠るな!陸戦艦も出せるようにしておけ!」
「「「はっ!」」」
俺の返事に、各部隊の長たちが返事を返す。
(前回の撤退から約半年。飛空船を鹵獲されるという失態を犯した以上、今回は成功させなければならない。飛空船の構造が把握された以上、空挺部隊を前線にだすのは危険だ。空挺部隊は後方援護に回して、ここは確実に陸上戦で数の利を持って叩き潰す!ラティアーナ第3王女…前回煮え湯を飲まされた分、今回は俺が斬る。)
飛空船の最大の弱点は、基幹となっている魔力炉だ。魔力炉に攻撃があたると保有している魔力が暴発し、強力な爆発が起きる。魔力炉の位置が特定されている状況であれば、集中的に狙うのが定石だった。
また、陸戦艦とは飛空船より小さめの陸上を走る戦艦のようなものだ。速度は人が走るより少し速い程度だが、重防御の装甲と高威力の砲門を備えている。
そして3日後早朝、軍事都市に攻撃隊のすべてが揃う。
騎士 … 2万5千名
魔術士 … 4千名
陸戦艦 … 2艦 乗員4百名
飛空船 … 3艦 乗員6百名
「全隊出撃せよ!」
将軍の号令をもって、帝国軍が出陣した。
帝国軍が出発した同刻、セプテンリオの国境壁のエスペルト王国軍本陣。
「報告します!帝国軍の陸上部隊に動きあり!総数は不明です。」
報告を聞いているのは、私とシクスタス司令官、アドリアスだ。
「以前決めた作戦の再確認です。こちらの兵力は、国軍3千を主とします。戦闘区域は、元砦のあった前方を想定。攻めてきた軍団に対して、長距離砲撃を行い撃滅。その隙に、我々も全軍を持って敵に当たり数を減らします。ある程度戦ったのちに、撤退し長距離砲撃でこれを支援します。」
「ええ、それで構わないわ。地の利を生かした一方的な砲撃を行います。では準備をしましょうか。…シリウス、今回は近衛隊も出します。わたくしの盾としてではなく、剣として率いなさい。指揮はあなたに任せます。」
「かしこまりました。姫様。」
シクスタス司令官の確認に私も異論はない。この半年間にたくさん意見を重ねてきた、現時点における最善手だ。
王国軍は、元砦の少し手前に陣を敷く。砦は元々崖になってたところの通路も兼ねていたため、帝国軍がこちらに攻めるにはまた砦を通るか崖を登るしかない。
陣の後ろには、大量の魔術大砲が鎮座している。この半年の間に急いで準備したもので、1つ1つは魔力によって弾丸を放つ大砲たが、魔術具を使って全大砲を連動、射角の調整と発射をまとめて操作することを可能にした。一度の装填で5発までは込めることができるため、全300門の大砲は、短期間に1500発撃てる。因みに弾丸はHE弾のため、近くに着弾さえすれば内部の火薬によって周囲を破壊する。
そして、大砲は全て上空に照準を向けていて迫撃砲と同様だ。
「報告!帝国軍の前列が有効範囲に到達しました。部隊数は、およそ3万。中央の部隊が目標範囲に入るまで、およそ鐘2つ分です。」
「射撃は、帝国軍が中央が範囲に入った時に行う。それまでは各隊待機!」
シクスタス司令官の号令が飛ぶ。今回の作戦は、帝国軍の中央に砲撃、前後で分断させることが第1目標だ。
全てを撃った後は極力狭い場所で総力戦を行い、第2撃の射撃準備の時間を稼ぐ。準備が整って時点で、国軍が撤退して第2撃を放つ。
「ではシクスタス司令官、あとは任せます。わたくしたちは、前線に出ますね。」
「かしこまりました。ご武運を。」
後方支援部隊をシクスタス司令官に任せて、私たち前線部隊は配置へ向かう。
そして鐘2つ分が経過したころ…
「帝国軍目標位置まで到達!」
「全魔術大砲、一斉射撃!撃てっ!」
全300門の大砲が火を噴いた。各大砲から撃ちだされた300の弾丸は上空高くに撃ちあがり、自由落下に任せて砲弾の雨が降る。地面に着弾した瞬間、閃光と轟音が辺りを響かせた。
「っ!?敵襲!?」
帝国兵の中央付近に降り注いだ砲弾の爆発によって、帝国兵が吹き飛んでいく。そして続けて4度、轟音が鳴り砲弾の雨が連続した。
爆発が鳴りやむ頃には、帝国軍の中央部分が半壊した。それでも途中途中に配置されている魔術士による障壁によって、壊滅まではしなかったようだ。
「わたくしたちも参りましょうか。」
「そうだな。王の剣を担う我が家の誇りにかけて敵を討つ。」
「姫様の御心のままに。」
「近衛第3騎士団の力を見せてやりましょう!」
私の言葉にアドリアス、シリウス、アルキオネが順に返してくれた。
「では王国軍も…全軍突撃!帝国軍を討ちなさいっ!」
「「「「「「「おぉ!!!」」」」」」」
私たち4人を先頭に約3千の国軍と約30名の近衛第3騎士団は、約3万の帝国軍に対して突撃する。
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