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第3章 エスペルト王国の動乱
閑話 ルークス兄妹
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俺、シリウス・ルークスと妹のアルキオネ・ルークスは双子だった。子爵家に生まれて、普通の貴族として過ごしてきたと思う。学園では、武術と魔術による総合戦闘を主に学んできた。
アルキオネのことは、大事な妹でありライバルでもある。長い間、お互いに競い合いながら共に高め合ってきた。
元々国軍に所属していた俺たちに転機が訪れたのは、約2年ほど前だった。
ラティアーナ様の筆頭護衛兼団長だった父が、健康上の理由で退役した。そのため当時成人して間もない俺が、爵位を継いだ上でラティアーナ様の筆頭護衛兼団長に、妹も副団長についた。
とはいえ、最初はあまり乗り気ではなかった。ラティアーナ第3王女は、お披露目を迎えたばかりで王族として不適格な魔力しか持たず、離宮に篭っているとの噂だったからだ。とはいえ代々騎士を務めているルークス家としては、大事な役目であるし落ちこぼれと称されている王女の近衛でも花形だった。
近衛騎士団は、王家の血を引くものつまり、王位継承権を持つものに帰属する。近衛騎士団の本団は王に、他は継承順の番隊になる。ラティアーナ王女の場合は、第3王女のため近衛第3騎士団となる。
最初、ラティアーナ王女とお会いした時は、深窓の令嬢という印象を受けた。けれど、護衛の任についてからは、正反対だった。ラティアーナ王女は、たまに護衛も付けずに王城の外に出かけているようで、王女どころか貴族らしくもない。直接進言することが憚れたため、専属侍女のリーナに話した。
「リーナさん、ラティアーナ王女殿下のことなんですが…外に出かけるときには、誰か護衛をつけるように言ってもらえませんか?俺はまだ騎士団に入ってすぐなので強く言えませんが、リーナさんからなら聞いてくれると思いまして。」
「ラティアーナ様は、信念をもって動かれています。私から伝えたとしても変わりません。それに…直接進言しても、話は聞いてくれると、少なくとも心の内は聞かせてくれると思います。」
リーナは、それだけ言うと一礼して去っていく。
俺とアルキオネは、ラティアーナ王女が離宮に戻ったときに話をしに行った。
「ラティアーナ王女殿下。お話があります。」
「どうしました?」
「ラティアーナ王女殿下は、どうして護衛も付けずに出かけるのですか?我々では信用に足りませんか?」
「信用してますよ?護衛をつけないのは、つけたら意味がないからです。それに…お忍びで庶民として歩いているのに、護衛がついていたら変でしょう?」
(ん!?王女がお忍びまではわかるけど…庶民として!?王族どころか貴族の令息令嬢でも見たことがないぞ?)
「ですが…もし危険があった場合に護ることができません。王族というのは、王国において何よりも優先し護る対象です。」
「わたくしのことは大丈夫です。それに…わたくしの考えは、少し違います。王族というのは、国を護るもの。王国を、貴族を、民をその全て護りたいと思っています。ですが、あなたたちの立場を考えると、護衛について欲しい気持ちもわかりますし、1度模擬戦をしてみませんか?」
後日、俺とアルキオネ含めて、ラティアーナ王女と模擬戦をすることになった。訓練用の刃を潰してある武器を使った戦い。しかも王女は、俺とアルキオネの両方を同時に相手するというのだ。
俺たちは、若いがそれでも騎士として訓練をしてきた。学園でも常に上位の成績を残してきたし、魔物相手とはいえ実戦経験も積んでいる。
正直、最初は舐められていると思った。
けれど、戦いが終わると膝をついているのは俺たちの方で、ラティアーナ王女は圧倒的な強さを持っていた。魔力も身体能力もこちらが上のはずなのに、全てを見透かされているように攻撃が避けられいなされ弾かれる。そして、こちらが動けないタイミングに手痛い一撃を喰らう繰り返しだった。
ラティアーナ王女は、それだけの強さや権力を持ちながらも離宮の皆に対して傲慢ではなかった。侍女や執事だけでなくほかの使用人に対しても、他の王侯貴族のように一方的に命令だけをするのではなく会話をしてくれる。ごく普通の世間話をすることもあるしちゃんと人としてみてもらえる。とても誇り高い人だと思った。
俺は、この人の役に立ちたいと全てをかけて尽くしたいと思った。
後日、ラティアーナ王女に騎士としての忠誠を誓う。
「ラティアーナ王女殿下。騎士シリウス・ルークスは我が剣をあなた様だけのために捧げます。」
これは、この国に昔から伝わる騎士がこれから先の未来、主に対してのみ忠誠を誓うものだ。ラティアーナ王女も知っていたらしく、一瞬困った表情をして、その後覚悟を決めた表情をして答えてくれた。
「わたくし、ラティアーナ・エスペルトは汝の誓いを受け入れます。」
こうして俺は、ラティアーナ王女だけの騎士になった。
-----------------------------------------------------------------
私アルキオネは、王女との模擬戦の後、自信を失っていた。
女性の騎士は全体から見ても少なくて、いたとしても男性の騎士と比べると実力が足りないといわれている。ただ、女性の主を護るためには同姓の騎士も必要なため一定数は騎士になることができる。
それでも私は、同年代の男の人には負けなかったし、双子の兄のシリウスとも互角の実力を持っている自負があった。けれど、私よりも幼い王女に兄との2人がかりで、手も足も出なかった。
自信を失いつつも、幼い女性でありながら圧倒的強さをもつ王女に、強い憧れを持ち続けていたある日、私は街に出ていた。
私は、休みの日によく街を歩くのが好きだった。領地にいた頃は、地元の子供達とも触れ合っていたため他の貴族よりは、平民とも距離が近いと思う。
今日は領地にいた頃からの友人が、最近新しくできた喫茶店で働いていて、招待されたためお店で待ち合わせをしている。
お店に入ると仕事終わりであろう彼女がやってきた。
「お待たせ。ごめん、待ったかな?」
「時間ちょうどだから大丈夫よ。」
合流した後は、2人して注文してお茶にする。
「ご注文の品をお持ちしました…あら、ミナの友人ってアルキオネだったのね。」
品物を運んできたのは、髪や瞳は変えているけれど顔も声も王女そのものだった。
「ラティ!?」
思わず名前を叫びそうになったところで王女に口を塞がれる。
「今の私はティアよ。このお店でのオーナでもあるわ。そういうわけだから…よろしくね。ではごゆっくり。」
それだけ伝えて王女は去っていく。
「…ねぇミナ。ラ…ティアさ、んって一体?」
友人のミナから詳しく話を聞くと、王女は冒険者の護衛として王都に来るときに一緒になったらしい。そのときに王都で職を探しているなら、喫茶店に勤めないかという話を聞いたそうだ。
「そうそう、ティアさん格好良かったのよ!魔物の群れに囲まれたときでも一瞬で切り伏せていたし、オーナーとしてもすごく優しいし!」
王女がお忍びで、外出していたのは知っていたけれど、冒険者として活動や平民に混じってお店を開いていたのは知らなかった。
私は貴族と平民でも普段は仲良く接していたいと思っている。この王国で貴族以上に権力を持つ王女が、私の理想と圧倒的な強さを持っている。王女を目標に騎士としてがんばりたいと思った。
なお、これを機会に王女と私とミナの3人で定期的にお茶をするようになるのは、また別の話。
アルキオネのことは、大事な妹でありライバルでもある。長い間、お互いに競い合いながら共に高め合ってきた。
元々国軍に所属していた俺たちに転機が訪れたのは、約2年ほど前だった。
ラティアーナ様の筆頭護衛兼団長だった父が、健康上の理由で退役した。そのため当時成人して間もない俺が、爵位を継いだ上でラティアーナ様の筆頭護衛兼団長に、妹も副団長についた。
とはいえ、最初はあまり乗り気ではなかった。ラティアーナ第3王女は、お披露目を迎えたばかりで王族として不適格な魔力しか持たず、離宮に篭っているとの噂だったからだ。とはいえ代々騎士を務めているルークス家としては、大事な役目であるし落ちこぼれと称されている王女の近衛でも花形だった。
近衛騎士団は、王家の血を引くものつまり、王位継承権を持つものに帰属する。近衛騎士団の本団は王に、他は継承順の番隊になる。ラティアーナ王女の場合は、第3王女のため近衛第3騎士団となる。
最初、ラティアーナ王女とお会いした時は、深窓の令嬢という印象を受けた。けれど、護衛の任についてからは、正反対だった。ラティアーナ王女は、たまに護衛も付けずに王城の外に出かけているようで、王女どころか貴族らしくもない。直接進言することが憚れたため、専属侍女のリーナに話した。
「リーナさん、ラティアーナ王女殿下のことなんですが…外に出かけるときには、誰か護衛をつけるように言ってもらえませんか?俺はまだ騎士団に入ってすぐなので強く言えませんが、リーナさんからなら聞いてくれると思いまして。」
「ラティアーナ様は、信念をもって動かれています。私から伝えたとしても変わりません。それに…直接進言しても、話は聞いてくれると、少なくとも心の内は聞かせてくれると思います。」
リーナは、それだけ言うと一礼して去っていく。
俺とアルキオネは、ラティアーナ王女が離宮に戻ったときに話をしに行った。
「ラティアーナ王女殿下。お話があります。」
「どうしました?」
「ラティアーナ王女殿下は、どうして護衛も付けずに出かけるのですか?我々では信用に足りませんか?」
「信用してますよ?護衛をつけないのは、つけたら意味がないからです。それに…お忍びで庶民として歩いているのに、護衛がついていたら変でしょう?」
(ん!?王女がお忍びまではわかるけど…庶民として!?王族どころか貴族の令息令嬢でも見たことがないぞ?)
「ですが…もし危険があった場合に護ることができません。王族というのは、王国において何よりも優先し護る対象です。」
「わたくしのことは大丈夫です。それに…わたくしの考えは、少し違います。王族というのは、国を護るもの。王国を、貴族を、民をその全て護りたいと思っています。ですが、あなたたちの立場を考えると、護衛について欲しい気持ちもわかりますし、1度模擬戦をしてみませんか?」
後日、俺とアルキオネ含めて、ラティアーナ王女と模擬戦をすることになった。訓練用の刃を潰してある武器を使った戦い。しかも王女は、俺とアルキオネの両方を同時に相手するというのだ。
俺たちは、若いがそれでも騎士として訓練をしてきた。学園でも常に上位の成績を残してきたし、魔物相手とはいえ実戦経験も積んでいる。
正直、最初は舐められていると思った。
けれど、戦いが終わると膝をついているのは俺たちの方で、ラティアーナ王女は圧倒的な強さを持っていた。魔力も身体能力もこちらが上のはずなのに、全てを見透かされているように攻撃が避けられいなされ弾かれる。そして、こちらが動けないタイミングに手痛い一撃を喰らう繰り返しだった。
ラティアーナ王女は、それだけの強さや権力を持ちながらも離宮の皆に対して傲慢ではなかった。侍女や執事だけでなくほかの使用人に対しても、他の王侯貴族のように一方的に命令だけをするのではなく会話をしてくれる。ごく普通の世間話をすることもあるしちゃんと人としてみてもらえる。とても誇り高い人だと思った。
俺は、この人の役に立ちたいと全てをかけて尽くしたいと思った。
後日、ラティアーナ王女に騎士としての忠誠を誓う。
「ラティアーナ王女殿下。騎士シリウス・ルークスは我が剣をあなた様だけのために捧げます。」
これは、この国に昔から伝わる騎士がこれから先の未来、主に対してのみ忠誠を誓うものだ。ラティアーナ王女も知っていたらしく、一瞬困った表情をして、その後覚悟を決めた表情をして答えてくれた。
「わたくし、ラティアーナ・エスペルトは汝の誓いを受け入れます。」
こうして俺は、ラティアーナ王女だけの騎士になった。
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私アルキオネは、王女との模擬戦の後、自信を失っていた。
女性の騎士は全体から見ても少なくて、いたとしても男性の騎士と比べると実力が足りないといわれている。ただ、女性の主を護るためには同姓の騎士も必要なため一定数は騎士になることができる。
それでも私は、同年代の男の人には負けなかったし、双子の兄のシリウスとも互角の実力を持っている自負があった。けれど、私よりも幼い王女に兄との2人がかりで、手も足も出なかった。
自信を失いつつも、幼い女性でありながら圧倒的強さをもつ王女に、強い憧れを持ち続けていたある日、私は街に出ていた。
私は、休みの日によく街を歩くのが好きだった。領地にいた頃は、地元の子供達とも触れ合っていたため他の貴族よりは、平民とも距離が近いと思う。
今日は領地にいた頃からの友人が、最近新しくできた喫茶店で働いていて、招待されたためお店で待ち合わせをしている。
お店に入ると仕事終わりであろう彼女がやってきた。
「お待たせ。ごめん、待ったかな?」
「時間ちょうどだから大丈夫よ。」
合流した後は、2人して注文してお茶にする。
「ご注文の品をお持ちしました…あら、ミナの友人ってアルキオネだったのね。」
品物を運んできたのは、髪や瞳は変えているけれど顔も声も王女そのものだった。
「ラティ!?」
思わず名前を叫びそうになったところで王女に口を塞がれる。
「今の私はティアよ。このお店でのオーナでもあるわ。そういうわけだから…よろしくね。ではごゆっくり。」
それだけ伝えて王女は去っていく。
「…ねぇミナ。ラ…ティアさ、んって一体?」
友人のミナから詳しく話を聞くと、王女は冒険者の護衛として王都に来るときに一緒になったらしい。そのときに王都で職を探しているなら、喫茶店に勤めないかという話を聞いたそうだ。
「そうそう、ティアさん格好良かったのよ!魔物の群れに囲まれたときでも一瞬で切り伏せていたし、オーナーとしてもすごく優しいし!」
王女がお忍びで、外出していたのは知っていたけれど、冒険者として活動や平民に混じってお店を開いていたのは知らなかった。
私は貴族と平民でも普段は仲良く接していたいと思っている。この王国で貴族以上に権力を持つ王女が、私の理想と圧倒的な強さを持っている。王女を目標に騎士としてがんばりたいと思った。
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