王女の夢見た世界への旅路

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第2章 王女兼冒険者の世界を巡る旅

11 再会と別れ

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 建国祭も終盤にかかり社交が落ち着いてきた頃、私とイリーナ、アドリアスは3人でお茶会をしていた。

 アドリアスの家であるグラディウス公爵家は、王の剣と呼ばれる家で領地を持たない家で普段から王都にいる。イリーナの家...つまりお母様の実家であるマギルス公爵家は魔力の研究を代々行う名家で国の最東南に位置し、隣国と海に面している場所が領地になっているため、王都にいないことの方が多い。

 全領地の貴族が集まるのは、建国記念祭とお披露目くらいだから3人で集まるのは半年以上ぶりだ。

「久しぶりね。2人はお披露目の後どんな感じだった?」

 3人でいる時でも他の王侯貴族がいる場だと、あまり口調を崩さないことにしているが、ここは離宮にある庭園だ。素の状態でも問題ない。因みにリーナをはじめとする侍女たちは、少し離れたところにいる。

「俺は武術の稽古が本格的になったな!剣と槍を中心に学んで定期的に模擬戦をやってる。父上には勝てないが騎士相手なら良い勝負ができる。」

「わたくしは魔術具の研究に励んでいるわね。家に代々作成したであろう色々なものがあるから、調べたり解体したり楽しいわよ?あとは魔術の研究もしたいわ!」

 2人とも楽しそうで何よりだと思う。

「ラティアーナはどうなんだ?最近噂になってるけど...大丈夫か?」

「「噂?」」

 どうやらイリーナも知らないらしい。

「あぁ...なんでもリーファス様が神童だとか、このままだと危ないから離宮を変えた方がいいんじゃないかとか?」

 ...どうやら私がリーファスを虐めていると思われているようだ。

「リーファスはね...可愛いわ!最近はね、あねうえ!って言いながら上目遣いで見てくるのが最高よ?」

「そういえば年下に弱かったわね。」

 以前、マギルス公爵家の別邸にイリーナを訪ねたとき、イリーナの妹とあっている。その時のことを言っているのだろう。

 それからも雑談やら情報共有を行ってお茶会は解散となる。

「今日は楽しかったわ!次に会うのは、お披露目にね?」


 2人が帰ってしばらくして別の約束があったため、応接間で話をしていた。

「いままお世話になりました。ユリア先生。本当にありがとうございます。」

「こちらこそ、微力ながら力になれて光栄でした。」

 ユリア先生に教わっていた魔術について、教わる予定だったものはすべて終わったのだ。
 予定より順調だったので、本来教わるはずのなかった最上級魔術の術式、魔術の作成方法なども教えてもらうことができた。

 ユリア先生は、なんでもアクアリス子爵家を正式に継ぐことが決まったらしく、教育が始まるらしい。そのため、建国祭が終了したら領地に戻るとのことで予定があった今日挨拶を交わすことにしたのだ。

「子爵家当主であれば、これからも顔をあわせることがあるでしょうし、いずれアクアリス領も見てみたいです。」

「ええ、わたくしも頑張ろうと思います。ラティアーナさんが訪れるときには、もっと発展させて豊かな領地を見せたいです。」

 こうしてユリア先生との別れを済ませる。




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