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15 目が覚めると
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ふと目が覚める。気がつくとそこは寮にある私の部屋だった。
「いたた…わたくしはどうして?」
色々と分からないことが多くて周りを見渡しているとシーナがやってきた。
「お嬢様っ!大丈夫ですか!?痛いところはありませんか!?」
慌てて近づいてくるシーナに驚きつつも聞いてみる。
「わたくしは大丈夫よ。身体中が重いと言うか痛いと言うか微妙な感覚はあるけれど…」
「それはそうですよ!お嬢様は3ヶ月の間、ずっと眠られていたのですから!」
「そうなの。3ヶ月…っはい!?どうして…?」
3ヶ月の寝ていたと事実に驚いて、つい叫んでしまう。
「お嬢様は、湖に突き落とされて溺れました。近くにいた人にたまたま助けられましたが…かなりギリギリだったと聞きました。」
「そう…学園はどうなってるの?」
「基本的には平常通りですね。ですが…目撃証言からリリア様が犯人だとされています。」
(どういうこと?悪役令嬢とヒロインが入れ替わった?色々と起きすぎて…ゲームのルートから外れてる?)
「ちょっと待って。3ヶ月経っていると言うことは、舞踏会っていつかしら?」
学年の最後に行われる舞踏会。ルートによっては、悪役令嬢である私が最初に断罪される場所でもある。私の場合、公爵家ということもあってこの段階なら、まだ死罪にはならない。けれどもし、リリアが断罪の対象となった場合、どうなるかわからない。
「2日後です。」
「そう…わたくしも参加しますわ。」
「お嬢様!?病み上がりなのですからダメですよ!」
シーナは引き止めようとするが、ここは正念場でもある。参加しないという選択肢はなかった。
「2日のうちに体調は治します。その舞踏会はわたくしにとっての大一番。誰がなんと言おうと…行きますの。」
シーナも私が譲らないことに気づいたのか、諦めた表情をしていた。
「かしこまりました…舞踏会までは絶対安静ですからね。」
「…シーナ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
その後、ベットの上で舞踏会について考えているとノックが聞こえた。入ってきたのはリゲル殿下だった。
「リコリス嬢が起きたと聞いてな。婚約者ということと、特殊な事態ということで特別に中に入る許可はとってある。目が覚めて本当によかった。」
リゲル殿下は、あれから毎日私のところにお見舞いに来てくれていたらしい。少し雑談をした後、事件のことについて聞いてみた。
「わたくしを突き落とした犯人の目星はついているのでしょうか?」
「いや、唯一目撃証言のあったリリア嬢だけだ。今のところリリア嬢には、疑いの眼差しが向けられているだが、次の舞踏会で何人かの令嬢たちから訴えがあるかもしれない。済まないな…証拠が揃っている以上俺では庇うことができない。カストルが解決のために奔走しているがどうなるか…」
王太子というのは、学生であっても影響力が高い。証拠が揃っている状態で1人の被疑者を庇うことは、できないのだろう。私が思っていたよりも状況は悪いかもしれない。
「いたた…わたくしはどうして?」
色々と分からないことが多くて周りを見渡しているとシーナがやってきた。
「お嬢様っ!大丈夫ですか!?痛いところはありませんか!?」
慌てて近づいてくるシーナに驚きつつも聞いてみる。
「わたくしは大丈夫よ。身体中が重いと言うか痛いと言うか微妙な感覚はあるけれど…」
「それはそうですよ!お嬢様は3ヶ月の間、ずっと眠られていたのですから!」
「そうなの。3ヶ月…っはい!?どうして…?」
3ヶ月の寝ていたと事実に驚いて、つい叫んでしまう。
「お嬢様は、湖に突き落とされて溺れました。近くにいた人にたまたま助けられましたが…かなりギリギリだったと聞きました。」
「そう…学園はどうなってるの?」
「基本的には平常通りですね。ですが…目撃証言からリリア様が犯人だとされています。」
(どういうこと?悪役令嬢とヒロインが入れ替わった?色々と起きすぎて…ゲームのルートから外れてる?)
「ちょっと待って。3ヶ月経っていると言うことは、舞踏会っていつかしら?」
学年の最後に行われる舞踏会。ルートによっては、悪役令嬢である私が最初に断罪される場所でもある。私の場合、公爵家ということもあってこの段階なら、まだ死罪にはならない。けれどもし、リリアが断罪の対象となった場合、どうなるかわからない。
「2日後です。」
「そう…わたくしも参加しますわ。」
「お嬢様!?病み上がりなのですからダメですよ!」
シーナは引き止めようとするが、ここは正念場でもある。参加しないという選択肢はなかった。
「2日のうちに体調は治します。その舞踏会はわたくしにとっての大一番。誰がなんと言おうと…行きますの。」
シーナも私が譲らないことに気づいたのか、諦めた表情をしていた。
「かしこまりました…舞踏会までは絶対安静ですからね。」
「…シーナ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
その後、ベットの上で舞踏会について考えているとノックが聞こえた。入ってきたのはリゲル殿下だった。
「リコリス嬢が起きたと聞いてな。婚約者ということと、特殊な事態ということで特別に中に入る許可はとってある。目が覚めて本当によかった。」
リゲル殿下は、あれから毎日私のところにお見舞いに来てくれていたらしい。少し雑談をした後、事件のことについて聞いてみた。
「わたくしを突き落とした犯人の目星はついているのでしょうか?」
「いや、唯一目撃証言のあったリリア嬢だけだ。今のところリリア嬢には、疑いの眼差しが向けられているだが、次の舞踏会で何人かの令嬢たちから訴えがあるかもしれない。済まないな…証拠が揃っている以上俺では庇うことができない。カストルが解決のために奔走しているがどうなるか…」
王太子というのは、学生であっても影響力が高い。証拠が揃っている状態で1人の被疑者を庇うことは、できないのだろう。私が思っていたよりも状況は悪いかもしれない。
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