13 / 24
13 長期休暇-後編-
しおりを挟む
公爵家に帰ってきて数日、リリアはお母様とお茶会をしているため、私は部屋で寛いでいた。するとノックが聞こえる。
「リコリス…いま大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。」
お兄様は失礼すると言いながら部屋の中に入ってくる。
「その…今まで悪かったな。昨日家に着いたときに母上から叱られた。…学園が休みになってからお前のことを考えていたんだ。確かに学園に入るまでは我儘だったけど、人のものを盗るとか突き落とすとか、そのようなことは絶対にしなかった。それなのに噂が流れて、お前のせいだと思ってしまった。証拠などないのに決めつけてしまった。本当にすまなかった。」
リゲル殿下もお兄様も休暇に入ってからは、きちんと話を聞いてくれるようになったと思う。
「わたくしも、今までの行いが悪かったと思います。これからは、繰り返さないようにしますから…1度お互いに無かったことにしましょう?それに…わたくしの大切な友人であるリリアさんのこと、よろしくお願いしますね。」
最後にリリアのことを引き合いに出して、場を和ませる。
「わかった。本当にすまなかった。」
まだ、ぎこちないもののお兄様と少し距離が縮んだ気がした。
その頃、公爵家の庭園では私…リリアとリコリスの母であるアイリス様とお茶会をしていた。
「…さて色々とあなたには言いたいことがあるのだけれど、リコリスのことはどう考えているのかしら?」
「大切な友人ですわ。」
私は笑顔を崩さずに返す。
「…あなたには感謝しているわ。リコリスは、今まで本心を隠していたけれど、今では想いをはっきり告げるようになった。」
「どういたしまして。」
「では、もう一つ。カストルとのことはどう考えているかしら?」
「私は、カストル様のことをお慕いしております。」
「我が家は公爵家です。カストルはこの家を継ぎます。その時、あなたは婚約者としていずれ公爵夫人とて支えることができると?」
「ええ。カストル様のことは私が支えます。功績が必要であれば、必要なだけ積み重ねましょう。…手始めに、私とリコリス様に降りかかっている問題でもどうにかしましょうか?」
私の言葉にアイリス様は驚いているようだった。
「いいわ。そこまで言うなら見せていただこうかしら。」
「1年生の最後にある舞踏会。そこで決着をつけます。」
私は、アイリス様に宣言した。
「リコリス…いま大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。」
お兄様は失礼すると言いながら部屋の中に入ってくる。
「その…今まで悪かったな。昨日家に着いたときに母上から叱られた。…学園が休みになってからお前のことを考えていたんだ。確かに学園に入るまでは我儘だったけど、人のものを盗るとか突き落とすとか、そのようなことは絶対にしなかった。それなのに噂が流れて、お前のせいだと思ってしまった。証拠などないのに決めつけてしまった。本当にすまなかった。」
リゲル殿下もお兄様も休暇に入ってからは、きちんと話を聞いてくれるようになったと思う。
「わたくしも、今までの行いが悪かったと思います。これからは、繰り返さないようにしますから…1度お互いに無かったことにしましょう?それに…わたくしの大切な友人であるリリアさんのこと、よろしくお願いしますね。」
最後にリリアのことを引き合いに出して、場を和ませる。
「わかった。本当にすまなかった。」
まだ、ぎこちないもののお兄様と少し距離が縮んだ気がした。
その頃、公爵家の庭園では私…リリアとリコリスの母であるアイリス様とお茶会をしていた。
「…さて色々とあなたには言いたいことがあるのだけれど、リコリスのことはどう考えているのかしら?」
「大切な友人ですわ。」
私は笑顔を崩さずに返す。
「…あなたには感謝しているわ。リコリスは、今まで本心を隠していたけれど、今では想いをはっきり告げるようになった。」
「どういたしまして。」
「では、もう一つ。カストルとのことはどう考えているかしら?」
「私は、カストル様のことをお慕いしております。」
「我が家は公爵家です。カストルはこの家を継ぎます。その時、あなたは婚約者としていずれ公爵夫人とて支えることができると?」
「ええ。カストル様のことは私が支えます。功績が必要であれば、必要なだけ積み重ねましょう。…手始めに、私とリコリス様に降りかかっている問題でもどうにかしましょうか?」
私の言葉にアイリス様は驚いているようだった。
「いいわ。そこまで言うなら見せていただこうかしら。」
「1年生の最後にある舞踏会。そこで決着をつけます。」
私は、アイリス様に宣言した。
0
お気に入りに追加
227
あなたにおすすめの小説

この度娘が結婚する事になりました。女手一つ、なんとか親としての務めを果たし終えたと思っていたら騎士上がりの年下侯爵様に見初められました。
毒島かすみ
恋愛
真実の愛を見つけたと、夫に離婚を突きつけられた主人公エミリアは娘と共に貧しい生活を強いられながらも、自分達の幸せの為に道を切り開き、幸せを掴んでいく物語です。
転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜
みおな
恋愛
転生したら、乙女ゲームのモブ令嬢でした。って、どれだけラノベの世界なの?
だけど、ありがたいことに悪役令嬢でもヒロインでもなく、完全なモブ!!
これは離れたところから、乙女ゲームの展開を楽しもうと思っていたのに、どうして私が巻き込まれるの?
私ってモブですよね?
さて、選択です。悪役令嬢ルート?ヒロインルート?
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。

【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中

【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。

悪役令嬢は攻略対象者を早く卒業させたい
砂山一座
恋愛
公爵令嬢イザベラは学園の風紀委員として君臨している。
風紀委員の隠された役割とは、生徒の共通の敵として立ちふさがること。
イザベラの敵は男爵令嬢、王子、宰相の息子、騎士に、魔術師。
一人で立ち向かうには荷が重いと国から貸し出された魔族とともに、悪役令嬢を務めあげる。
強欲悪役令嬢ストーリー(笑)
二万字くらいで六話完結。完結まで毎日更新です。
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる