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エマの話
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ギルバートの亡くなった兄が件の犯人なら、全てつじつまが合う。ナターシャの言う服用者が覆した『受け入れなければいけないなにか』が、ギルバートの兄に当てはめるなら、死だ。
服用者となった彼は魔薬の力を使い、生き続ける為に日々人間から血を啜っているのではないか。
もしそうであるなら、3年前から既に悪かったギルバートの顔色も説明がつく。
血の気がないのは今の今まで自身の血を兄に与え続けていたからだ。その証拠に吸血鬼事件の被害が増して頻繁になった2週間前は、ギルバートが見た目こそ健康になり中身がやつれた時期とも一致している。
となると、彼が毎夜意地でもパトロールに参加しているのは間違いなく兄が理由だ。そう考えるとエマは複雑な気持ちになる。
マトリとしてギルバートの兄を逮捕することが仕事であり、街の平和の為だと信じているエマだが、それは同時に彼にとって兄の死を意味している。
あの憔悴しきったギルバートがそれに耐えられるのか…
繁華街が増して繁盛しているのは噂通りのようだ。
いつも以上に賑やかで人に溢れかえった夜の大通りを、エマは私服で紛れながらパトロールしていた。別行動の班員を繋ぐのは、片耳に被せた長距離通信機だけだ。
魔薬の解析を通じ、この街の技術力は飛躍的に上がっている、らしい。正確には押収した魔薬、服用者を解析できる警察内部のみだ。マトリにあがる報告は服用者の効力の詳細ばかりで、解析班の技術的な面は分からないが、マトリに捕らえられた服用者は、死ぬまで実験台になるのをエマは知っている。
人間の身体と服用者の身体はどう違うのか、
魔薬がどう人間に作用したのか、
魔薬とはそもそもなんなのか、
この街は魔薬に対してまだ無知であるから、備えなくてはならないのだ。
そして服用者は、人権が守られているような相手ではないからなおのこと好都合なのだろう。そうして。ある日ぽんと服用者の恩恵とも言うべきか仕組みの分からない魔法のような道具が突然渡される。
それは少し不気味でもあった。
遠距離の通信機からは、ここには居ないエマと同様におとり調査を行う班長のナターシャ、効力上見張りを行うアレンの声がはっきりと聞こえてくる。
『私はエマが襲われるに賭けるわ』
『俺も、そうですね。襲われるのならエマですね。ナターシャさんじゃぁねぇ』
「ちょっとー…物騒な賭けやめてもらっていいですかぁ」
『大丈夫よ、アンタになんかあってもすぐに助けるわ。アレンが』
『そんなこと言って、貴女裏カジノ行かないでくださいね。視えてますからね』
『私がこそこそ行くと思う?さっさと終わらせてから行くわよ』
「いや裏カジノ自体行っちゃ駄目では…警察ですよ?」
『顔出てないもの、誰も分かんないわ!ははは』
…大丈夫だろうか。
ナターシャやアレンには服用者特有の余裕がある。自分が何者に襲われても勝てるという絶対的な自信。故に任務に緊張感が生まれた試しはなかった。吸血鬼に襲われたところで彼らには自分たちの特別な力があるが、私服のエマには刑事として授与された剣すら帯刀できない。
被害者のように血を吸われたらひとたまりもない…
『まあアンタになんかあったら行くのは本当だよ』
「アレンさん…」
『オセ』と名付けられたマトリ2人の効力は、ネコ科の動物に力の由来をもち、アレンの場合最大の特徴が目に現れている。それは温度を視覚化する効力だ。暗闇だろうと壁を挟もうと彼のサーモグラフィのような視界では全てが見通せる。服用者が効力を発動した際の体温の急上昇、そして今回の吸血鬼事件で言えば大量に血を失った被害者の急激な体温低下も彼の目には都合がいい。
『だから堂々とエサになってくれ』
『最低ね、後でぶっといてあげるわ』
「大丈夫ですナターシャさん、自分でやります」
『あは!いいわね、エマ。楽しみが増えたわ』
『エマ、ナターシャさんに似ていいことなんてないんだぞ…』
アレンからそれらしい体温の報告もないままパトロールは進んでいた。
エマも路地裏など通ってみるが似顔絵の男はいない。マトリと同様に繁華街を巡回している警備課と何度かすれ違ったが、制服を着こむ彼らの役目はやはりあくまでも人の増えた繁華街の秩序維持なようだ。
見かける度に喧嘩の仲裁をしていたり、話の通じない赤ら顔の補導だったりと忙しそうである。だがギルバートの姿はそこにはなかった。
今も兄を捜しているのだろうか。
「…魔薬って、死体も生き返らせることができるんでしょうか?」
誰がとは伏せたまま、エマは声だけの2人に問うた。
『見たことないけど、リビングデッドならマリウス署長が喜んで解析するのは確かだな』
「…」
『まだ仮説だけど、魔薬は1つしか存在しないらしいわ。効力別に魔薬があるんじゃなくて、1つの魔薬が服用者の願いに応じた力に変化するそうよ』
「え、魔薬ってそんなファンタジーチックなんですか?」
『さあ、どうかしらね。味わって食べなかったし。もう1つ食べる気もないから。でも私はこの説好きよ。
人の欲を現したものだっていうなら、効力に悪魔の名前をつけたのは中々皮肉がきいてるでしょ?マリウスが服用者のイメージ戦略の為に名付けてると思うよりもよっぽど粋だわ』
「その説だと、同じ効力のナターシャさんとアレンさんは同じ願いがあったってことになりますよね?」
『…それは考えたことなかったわね。そうなの?』
『えー…知らないですよ。まあでも…そうなんじゃないんですかあ』
苦い先輩の答えを笑いを噛みしめながら聞いていると、
「エマ!オフ中悪いんだけどよ、ギル見てねぇか」
制服姿のルドルフに止められた。私服のエマを繁華街に遊びに来たと思っているようだ。
マトリとして捜査中だとは口が裂けても言えず、エマはそのままに首を振った。
「見てないですけど…まさか今日もパトロールしてるんですか?!」
「ああ…」
苦虫を嚙み潰したようにルドルフは頭をかく。
「兄貴の幻覚なんて見てるようじゃ一人にしておけねぇと思ったんだが誤算だった。ちょっと目離した隙にフラッと消えちまった。心配する年じゃねぇのは分かるんだけど、なんせあの状態だろ。なにしでかすか…」
「っ分かりました、私も捜してみます」
「わりぃな。お前も変なのに絡まれないよう早く帰れよ」
人の好さそうな笑みを浮かべ仕事に戻っていくルドルフの背中を、エマは茫然と見送っていた。事態はかなり深刻だ。
どこに行ったかなんて、どう考えても一つしかない。
「ギル…ギルバートが行方不明です」
緊迫したエマの声に反してナターシャは怪訝そうに、
『ギルバートって誰よ』
「私の同期で、今パトロール中のはずなんですが」
『ああ、アンタがランチ一緒に食べてる子。繁華街なんだから一杯引っ掛けてんじゃないの?』
「その人なんですけど、そうとは思えなくて…」
焦るエマの頭を過るのは言うべきか、言わないべきかという二択だ。
ギルバートの兄が犯人である可能性を伝え、彼を捜してもらうべきか?その場合服用者を匿っていた彼にはどんな罰が下るだろう。
伝えずに自分だけで同期を捜す?だが犯人と接触している可能性が高い今、服用者逮捕のためにもアレンの目から捜してもらった方が…
それにあのギルバートがまた血を与えないとも……
『出た!』
エマにはわずかな葛藤の時すら許されないようだ、通信機越しにアレンが叫ぶ。彼の目には、人気のない空間にポツリと浮かぶ2つの影の異常な温度変化が視えていた。
『エマ、すぐそばだ!そこから3つ目の角を曲がった裏路地に入って』
『私かアレンが到着するまで待つのよ、エマ』
「はい!」
『ナターシャさんはとりあえず南西に向かってください』
『場所で言って!』
『リップスの裏カジノの店の近く!!』
服用者となった彼は魔薬の力を使い、生き続ける為に日々人間から血を啜っているのではないか。
もしそうであるなら、3年前から既に悪かったギルバートの顔色も説明がつく。
血の気がないのは今の今まで自身の血を兄に与え続けていたからだ。その証拠に吸血鬼事件の被害が増して頻繁になった2週間前は、ギルバートが見た目こそ健康になり中身がやつれた時期とも一致している。
となると、彼が毎夜意地でもパトロールに参加しているのは間違いなく兄が理由だ。そう考えるとエマは複雑な気持ちになる。
マトリとしてギルバートの兄を逮捕することが仕事であり、街の平和の為だと信じているエマだが、それは同時に彼にとって兄の死を意味している。
あの憔悴しきったギルバートがそれに耐えられるのか…
繁華街が増して繁盛しているのは噂通りのようだ。
いつも以上に賑やかで人に溢れかえった夜の大通りを、エマは私服で紛れながらパトロールしていた。別行動の班員を繋ぐのは、片耳に被せた長距離通信機だけだ。
魔薬の解析を通じ、この街の技術力は飛躍的に上がっている、らしい。正確には押収した魔薬、服用者を解析できる警察内部のみだ。マトリにあがる報告は服用者の効力の詳細ばかりで、解析班の技術的な面は分からないが、マトリに捕らえられた服用者は、死ぬまで実験台になるのをエマは知っている。
人間の身体と服用者の身体はどう違うのか、
魔薬がどう人間に作用したのか、
魔薬とはそもそもなんなのか、
この街は魔薬に対してまだ無知であるから、備えなくてはならないのだ。
そして服用者は、人権が守られているような相手ではないからなおのこと好都合なのだろう。そうして。ある日ぽんと服用者の恩恵とも言うべきか仕組みの分からない魔法のような道具が突然渡される。
それは少し不気味でもあった。
遠距離の通信機からは、ここには居ないエマと同様におとり調査を行う班長のナターシャ、効力上見張りを行うアレンの声がはっきりと聞こえてくる。
『私はエマが襲われるに賭けるわ』
『俺も、そうですね。襲われるのならエマですね。ナターシャさんじゃぁねぇ』
「ちょっとー…物騒な賭けやめてもらっていいですかぁ」
『大丈夫よ、アンタになんかあってもすぐに助けるわ。アレンが』
『そんなこと言って、貴女裏カジノ行かないでくださいね。視えてますからね』
『私がこそこそ行くと思う?さっさと終わらせてから行くわよ』
「いや裏カジノ自体行っちゃ駄目では…警察ですよ?」
『顔出てないもの、誰も分かんないわ!ははは』
…大丈夫だろうか。
ナターシャやアレンには服用者特有の余裕がある。自分が何者に襲われても勝てるという絶対的な自信。故に任務に緊張感が生まれた試しはなかった。吸血鬼に襲われたところで彼らには自分たちの特別な力があるが、私服のエマには刑事として授与された剣すら帯刀できない。
被害者のように血を吸われたらひとたまりもない…
『まあアンタになんかあったら行くのは本当だよ』
「アレンさん…」
『オセ』と名付けられたマトリ2人の効力は、ネコ科の動物に力の由来をもち、アレンの場合最大の特徴が目に現れている。それは温度を視覚化する効力だ。暗闇だろうと壁を挟もうと彼のサーモグラフィのような視界では全てが見通せる。服用者が効力を発動した際の体温の急上昇、そして今回の吸血鬼事件で言えば大量に血を失った被害者の急激な体温低下も彼の目には都合がいい。
『だから堂々とエサになってくれ』
『最低ね、後でぶっといてあげるわ』
「大丈夫ですナターシャさん、自分でやります」
『あは!いいわね、エマ。楽しみが増えたわ』
『エマ、ナターシャさんに似ていいことなんてないんだぞ…』
アレンからそれらしい体温の報告もないままパトロールは進んでいた。
エマも路地裏など通ってみるが似顔絵の男はいない。マトリと同様に繁華街を巡回している警備課と何度かすれ違ったが、制服を着こむ彼らの役目はやはりあくまでも人の増えた繁華街の秩序維持なようだ。
見かける度に喧嘩の仲裁をしていたり、話の通じない赤ら顔の補導だったりと忙しそうである。だがギルバートの姿はそこにはなかった。
今も兄を捜しているのだろうか。
「…魔薬って、死体も生き返らせることができるんでしょうか?」
誰がとは伏せたまま、エマは声だけの2人に問うた。
『見たことないけど、リビングデッドならマリウス署長が喜んで解析するのは確かだな』
「…」
『まだ仮説だけど、魔薬は1つしか存在しないらしいわ。効力別に魔薬があるんじゃなくて、1つの魔薬が服用者の願いに応じた力に変化するそうよ』
「え、魔薬ってそんなファンタジーチックなんですか?」
『さあ、どうかしらね。味わって食べなかったし。もう1つ食べる気もないから。でも私はこの説好きよ。
人の欲を現したものだっていうなら、効力に悪魔の名前をつけたのは中々皮肉がきいてるでしょ?マリウスが服用者のイメージ戦略の為に名付けてると思うよりもよっぽど粋だわ』
「その説だと、同じ効力のナターシャさんとアレンさんは同じ願いがあったってことになりますよね?」
『…それは考えたことなかったわね。そうなの?』
『えー…知らないですよ。まあでも…そうなんじゃないんですかあ』
苦い先輩の答えを笑いを噛みしめながら聞いていると、
「エマ!オフ中悪いんだけどよ、ギル見てねぇか」
制服姿のルドルフに止められた。私服のエマを繁華街に遊びに来たと思っているようだ。
マトリとして捜査中だとは口が裂けても言えず、エマはそのままに首を振った。
「見てないですけど…まさか今日もパトロールしてるんですか?!」
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「っ分かりました、私も捜してみます」
「わりぃな。お前も変なのに絡まれないよう早く帰れよ」
人の好さそうな笑みを浮かべ仕事に戻っていくルドルフの背中を、エマは茫然と見送っていた。事態はかなり深刻だ。
どこに行ったかなんて、どう考えても一つしかない。
「ギル…ギルバートが行方不明です」
緊迫したエマの声に反してナターシャは怪訝そうに、
『ギルバートって誰よ』
「私の同期で、今パトロール中のはずなんですが」
『ああ、アンタがランチ一緒に食べてる子。繁華街なんだから一杯引っ掛けてんじゃないの?』
「その人なんですけど、そうとは思えなくて…」
焦るエマの頭を過るのは言うべきか、言わないべきかという二択だ。
ギルバートの兄が犯人である可能性を伝え、彼を捜してもらうべきか?その場合服用者を匿っていた彼にはどんな罰が下るだろう。
伝えずに自分だけで同期を捜す?だが犯人と接触している可能性が高い今、服用者逮捕のためにもアレンの目から捜してもらった方が…
それにあのギルバートがまた血を与えないとも……
『出た!』
エマにはわずかな葛藤の時すら許されないようだ、通信機越しにアレンが叫ぶ。彼の目には、人気のない空間にポツリと浮かぶ2つの影の異常な温度変化が視えていた。
『エマ、すぐそばだ!そこから3つ目の角を曲がった裏路地に入って』
『私かアレンが到着するまで待つのよ、エマ』
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