アカシの小さな冒険

全ての始まり

彼女の物語4

数日間調査をした後、家でお母さんと探偵の人と一緒に情報共有していた。この人は寿真冬、探偵事務所を経営しているが、それは建前で実際はうちらの専属の情報屋だ。彼は警告、報復行為、妨害工作なども専門にしている。

真冬が資料を出してきた。
「現状集めた情報はこんな感じです。」

これを見て母は
「うん、これだけ情報があれば、次の段階に進めるはず。でも、直接彼に映像を見せて脅すのはリスクがあるかも。彼、何か行動を起こす可能性があるし、能力も完全には分かっていないしね」

真冬が
「そうですね。それなら、誘拐して、こちらに手を出せば痛い目を見るって伝えるのが効果的かもしれません」

綾香が
「小さくなるタイミングを狙って捕えるか、いっそのこと家に直接乗り込んで捕まえるかだね」

真冬が
「そうなりますと彼の住所や学校以外の行動パターンも調査済みですが、行動を起こすにはそれには少し時間と準備が必要です。」

それから3人は、決行日まで各自準備を始めた。

綾香は彼を小さい時に捕まえようと、時間をかけて追跡を続けた。

「くっ…いた！でも授業が…」

何度か探してみたが、授業やタイミングが合わず、小さくなる瞬間を目撃することもできないまま、時間が過ぎていった。

決行前日、彼女は大学の授業で面接の練習があり、スーツを着ていた。

移動していると、車に向かおうとしたところで、偶然にも彼を見かけた。そしてまた、彼が小さくなる瞬間を目撃してしまう。

「これはチャンスかもしれない」

以前より少し小さくなっているものの、尾行は可能だ。人気のない場所で捕まえればいいと考え、彼女はゆっくりと後を追った。

「今度こそ…逃がさないからね」

途中までは完璧だったが、学校の構内を出ようとしたときに横切ってきた車に足を止めてしまい、わずかな時間のロスで彼を見失ってしまった。

「くっ…ここまで追ってきたのに…どこに行ったの…！」

しばらく探してみたが、彼の姿はどこにも見当たらなかった。ため息をつき、仕方なく諦めることにした。