アカシの小さな冒険

全ての始まり

彼女の物語3

翌日、綾香は大学の敷地内を調べてみることにした。消えた場所は理工学部の敷地内だったため、おそらくその所属の人物だろうと考え、そこを中心に探し始めた。

「まぁ、そう簡単に見つかるわけないよね…」と、呟きながら実習棟の辺りを歩いていると、足元で何かがすっと通り過ぎた感覚があった。最初は虫かと思ったが、目を凝らすとそれはまるで小さな人のようだった。大きさはおよそ5センチほど。

「まさか…人…？」
驚きながらも、綾香はその「人らしきもの」を追いかけ始めた。念のため、スマホで録画しながら後をつける。

しばらくして、人通りの少ない場所に差し掛かったとき、目の前の「それ」が突然大きくなり、目の前には、あの消えたはずの男が現れた。

「やっぱり…消えたんじゃなくて、小さくなってたんだ…！」

その瞬間、彼女は男の正体に確信を持った。だが同時に、ある危機感が湧き上がってきた。慌ててその場を離れると、体や持ち物に男が紛れ込んでいないか確認し、ようやくほっと一息ついた。

「この能力、ものすごく危険かもしれない…」
綾香はぞっとしながら、頭の中でシミュレーションを始めた。

「例えば、キャバ嬢の体にこっそり張り付いて、ストーカーや盗撮なんて簡単にできる。弱みを握られることだってあるし、店のお金を盗むことだって…」

彼女は顔を引き締めて小さく頷くと、決心したようにスマホを手に取った。

「とりあえず…お母さんに相談してみよう」

以下のようにセリフを追加してみました。

綾香はあの時撮った動画を確認し、母に送った。しばらくすると、母から驚いたような返信が来た。

「…これ、本当に危ないわね。綾香、気をつけなさいよ」

母も、彼の能力が危険であることに同意してくれた。そこで、綾香は母と相談し、探偵を使ってさらに調査することに決めた。そして、綾香自身も大学の理工学部棟で、男たちに聞き込みをすることにした。

「すみません、ちょっとお聞きしたいことがあって…」

微笑みを浮かべ、自分の美貌を活かしてなるべく多くの情報を引き出す。少しずつ話を聞いていく中で、彼のことが分かり始めた。

「青山明石…？」「うん、機械工学科の一年生。あまり友達いないけど、たまに同じ学科の女子と話してるのを見かけるな」

「あの、授業とか実習はどこで受けてるんですか？」と聞くと、彼らは細かく時間割や場所まで教えてくれた。

「助かるわ、本当にありがとう！」と礼を言いつつも、内心で考えを巡らせる。『まあ、彼がきちんと出席してるかは分からないけど…とりあえず情報は揃ったわね』

念のため、この話を秘密にしてほしいと涙ぐんで頼んでみると、男たちは皆口を揃えて言った。

「もちろん秘密にするよ」「綾香ちゃんが頼むなら、誰にも言わないよ」

綾香は内心で苦笑した。『男って単純よね。でも、しばらくは大丈夫そうね』