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第三話:深紅の美少女
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しばらく歩くと例の少女と思わしき人物を見つけた。
見つけたはいいのだが、少女と言われただけなので他の特徴は分からない。この子がエイ神様の言ってた少女ならいいのだが、人違いの可能性もある。
正直、どうすればいいのだろう。ここまでエイ神様の予想が正しいなら、今までのやり取りの中にヒントがあるかもしれない。
記憶をたどってみる。
エイ神様と別かれた後、言いつけを守りカメラの光の上を歩いた。最終的に光は壁のような積乱雲にぶつかり、それがスクリーンとなって、先ほどの少女の映像が映し出された。
その雲に手を伸ばしたところ、吸い込まれて今に至る。その間、誰にも会ってない。加えて俺は困っている。つまり目の前の少女が助けるべき人物だ。
さて問題の少女だが、クリムゾンレッドの長いポニーテールと、髪色に合わせたドレス姿。うずくまっているから顔はまだ分からないけど、身なりからして身分の高いお嬢さんだと思うな。
「エイジン様が言った女の子だと思うけど」
エイ神様は少女を助けてほしいと言っていたが、泣いている彼女をどうやって慰めればいいのか分からない。さらに、ここがどこなのかも不明。日本語が通じるかさえ分からないが、話しかけないことには始まらない。そこはエイ神様の不思議パワーで何とかしてもらおう。
で、何て言えばいいんだ?ここはテレビ番組のセリフでも引用して。
「どうして一人で抱え込んじゃうの?暗いぞ、もっと元気な顔をして」
「えっ、なんで……ぁ、どちら様ですか?」
少女が顔を上げる。
ルビーのような瞳、白くてきれいな肌、童貞を殺せそうな美少女がそこにいた。
言葉の壁とか、異世界の文化とか、不安だったこと全て吹き飛ばしてしまう。それほど魅力的な容姿の持ち主だった。
ラズベリー色の大きなリボンが傾き、彼女が首をかしげる。
「見慣れない格好をしていますが」
ハッとなって身だしなみを確かめた。ヤッベ、服装が現代のままじゃん。
Yシャツに黒のスラックス。一言でいえば夏場にいるビジネスマン。地球ならともかく、目の前の少女の格好と比べれば違和感の塊だ。
周りの景色も地球とは違うし、マンションやデパートのようなデカい建物はないし、コンビニやハンバーガーの看板もない。仮に地球だとしても俺の知っている土地じゃない。
これまでの経緯も含め、導き出された答えは俺がイレギュラーだ。
「えっと、僕は中島宗作。もっと遠い国から来たんだけど、君が泣いていたから」
「遠い国……貴方も魔王によって被害を受けた人ですか?」
「そ、そうなんだ」
魔王って何なんだよ。内心ツッコミを入れつつ、話を合わせておく。
「みんな被害に遭っている……泣いてちゃダメですよね。うん、わたし、アロンって言います」
盛大に誤解させてしまったようだ。
「何があったの?」
「魔王から逃げてきたのですが、ここも魔王の手下が現れるって噂があって、これからどうしようかって考えているうちに悲しくなっちゃって……」
よし、と気合を込めてアロンは立ち上がった。
「荷物を取りに戻ります。それで買い物をしてから旅に出ようと思います。その、貴方も……」
彼女は友好的な人物のようだ。特にやりたいこともないし、エイ神様の頼みもある。ここで彼女を逃すわけにはいかない。多少強引だが許してくれ。
「一緒に行っていいの!ぜひお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね」
第一関門突破!アロンと仲良くなることに成功したぞ。
ビジネスマン風の俺と、ドレス姿のアロンが並んで歩くと、傍から見れば、アイドルとそのマネージャーと思うかもしれない。だが、あいにくここは異世界。俺とアロンが歩くのはステージでも都のコンクリートでもない。舗装とは無縁の土むき出しの道で、周りにあるのはビルではなくレンガ造りの家だ。さらに魔王襲来の噂があるためか、家の数と比べて人の数は少なく思える。
本当に異世界に来たんだな。などと呑気なことを思っていると、塀に囲まれた三階建てくらいの大きな建築物にぶち当たった。
「ここです」
ここにアロンの荷物があるらしい。
アロンに案内されるがまま門をくぐると、そこは宿屋だった。
ウマやダチョウみたいな馬車を引く生き物たちのいる中庭抜け、倉庫の隣の本館に入る。
一階の受付、二階の食堂と階段を上がり、三階の宿泊部屋に到着。アロンが滞在しているのは、七つある部屋のうちの一つ、ユニコーンのプレートが掛けられている部屋だ。
「いい部屋だと思いませんか?貸し切りなんですよ」
自慢げにアロンが扉を開く。貸し切りってことは、相部屋が基本なのだろう。
家具はベッドが二つ、机とイスが一組。洋服を入れるクローゼットが一つと、旅人が泊まるための最低限の家具がそろっていた。ベッドが二つある時点で一人用の部屋ではないだろう。
「魔物が凶暴化しているみたいで、旅人も少ないみたいです」
「どうしてアロンは一人で旅をしているのさ」
「ええっと、それは……あ、修行中だからです。他の人と一緒だと、修行にならないかなって」
「なるほど。じゃあ何の修行しているの?」
「……魔法です。こう見えても魔法使いなんですよ」
「へえ、見てみたいな」
ファンタジーといえば魔法である。地球では決して拝めないし、この目で見る日がくるとは。あわよくば俺も使ってみたい。
「ソーサクさんの住んでいた国に魔法ってないんですか?」
「そ、そうだけど」
アロンはくるみ割り人形のようにポカンと口を開け、硬直していた。それだけこの世界で魔法は浸透しているのだろう。地球でいう電気的な。
カルチャーショックを受けたアロンが立ち直ったのか。
「な、なんでここに来たんですか?」
「うーん、やりたいことも無くなっちゃったし、何か見つかるかなって」
「でもでも、どうやってここにたどり着いたんですか?魔法は使えないし、剣も持ってない。武術をやっているようにも見えないですけど……魔物とか出会わなかったんですか?その、よければ教えてください」
痛いところを突かれた。素直に神様と出会って、雲の上歩いていました。なんて言ったところで信じてもらえるだろうか。
断言しよう、無理だ。
「……巨人とドラゴンみたいなのと戦いに巻き込まれて、気が付いたらここに……」
「転移魔法でしょうか……魔王に滅ぼされてこんなことに」
なにやら重大な勘違いをされているような気がするが、こっちとしては都合がいいから黙っておこう。嘘は言っていないからな。ドメイドンだってドラゴンみたいなもんだし……違う、あれは怪獣だ。
「それよりも魔法を見せてよ。今度魔王に襲われたときとか、役に立つかも知れないから。できれば教えてください」
「そう焦らないで。室内なので簡単なもので許してくださいね」
アロンは前置きしてから人差し指を立てて、ふうと息を吹いた。ぽんと指先から小さな炎が出てロウソクにともした。
「おお、すげぇ。他の魔法は、もっと見せて」
「えっと、氷、雷、風を操るの、水流で吹き飛ばすの、山も撃ちぬく極太ビ……あっ。そ、そのくらいです」
「めっちゃ使えるじゃん!かっけー」
「そんなことないですよぅ……恥ずかしい」
ふうっと、ロウソクの炎を拭き消した。ロウソクの火は消えたのに、彼女の顔は自慢の赤い髪と同じくらい赤かった。
「だ、誰でもできますから。ちょっと手のひらを見せてください。魔力を見てみます」
アロンに言われて、期待をしつつ俺は手を差し出した。アロンは手相を見るように俺の魔力を調べて。
「えっ、嘘!魔力が……無い」
「俺、魔法使えないの?」
「そう……なるね。こんなの見たことない」
「さっき誰でもできるって言ってたじゃん」
「……その、ごめんなさい」
謝らないでよ、余計に悲しくなるじゃん。
見つけたはいいのだが、少女と言われただけなので他の特徴は分からない。この子がエイ神様の言ってた少女ならいいのだが、人違いの可能性もある。
正直、どうすればいいのだろう。ここまでエイ神様の予想が正しいなら、今までのやり取りの中にヒントがあるかもしれない。
記憶をたどってみる。
エイ神様と別かれた後、言いつけを守りカメラの光の上を歩いた。最終的に光は壁のような積乱雲にぶつかり、それがスクリーンとなって、先ほどの少女の映像が映し出された。
その雲に手を伸ばしたところ、吸い込まれて今に至る。その間、誰にも会ってない。加えて俺は困っている。つまり目の前の少女が助けるべき人物だ。
さて問題の少女だが、クリムゾンレッドの長いポニーテールと、髪色に合わせたドレス姿。うずくまっているから顔はまだ分からないけど、身なりからして身分の高いお嬢さんだと思うな。
「エイジン様が言った女の子だと思うけど」
エイ神様は少女を助けてほしいと言っていたが、泣いている彼女をどうやって慰めればいいのか分からない。さらに、ここがどこなのかも不明。日本語が通じるかさえ分からないが、話しかけないことには始まらない。そこはエイ神様の不思議パワーで何とかしてもらおう。
で、何て言えばいいんだ?ここはテレビ番組のセリフでも引用して。
「どうして一人で抱え込んじゃうの?暗いぞ、もっと元気な顔をして」
「えっ、なんで……ぁ、どちら様ですか?」
少女が顔を上げる。
ルビーのような瞳、白くてきれいな肌、童貞を殺せそうな美少女がそこにいた。
言葉の壁とか、異世界の文化とか、不安だったこと全て吹き飛ばしてしまう。それほど魅力的な容姿の持ち主だった。
ラズベリー色の大きなリボンが傾き、彼女が首をかしげる。
「見慣れない格好をしていますが」
ハッとなって身だしなみを確かめた。ヤッベ、服装が現代のままじゃん。
Yシャツに黒のスラックス。一言でいえば夏場にいるビジネスマン。地球ならともかく、目の前の少女の格好と比べれば違和感の塊だ。
周りの景色も地球とは違うし、マンションやデパートのようなデカい建物はないし、コンビニやハンバーガーの看板もない。仮に地球だとしても俺の知っている土地じゃない。
これまでの経緯も含め、導き出された答えは俺がイレギュラーだ。
「えっと、僕は中島宗作。もっと遠い国から来たんだけど、君が泣いていたから」
「遠い国……貴方も魔王によって被害を受けた人ですか?」
「そ、そうなんだ」
魔王って何なんだよ。内心ツッコミを入れつつ、話を合わせておく。
「みんな被害に遭っている……泣いてちゃダメですよね。うん、わたし、アロンって言います」
盛大に誤解させてしまったようだ。
「何があったの?」
「魔王から逃げてきたのですが、ここも魔王の手下が現れるって噂があって、これからどうしようかって考えているうちに悲しくなっちゃって……」
よし、と気合を込めてアロンは立ち上がった。
「荷物を取りに戻ります。それで買い物をしてから旅に出ようと思います。その、貴方も……」
彼女は友好的な人物のようだ。特にやりたいこともないし、エイ神様の頼みもある。ここで彼女を逃すわけにはいかない。多少強引だが許してくれ。
「一緒に行っていいの!ぜひお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね」
第一関門突破!アロンと仲良くなることに成功したぞ。
ビジネスマン風の俺と、ドレス姿のアロンが並んで歩くと、傍から見れば、アイドルとそのマネージャーと思うかもしれない。だが、あいにくここは異世界。俺とアロンが歩くのはステージでも都のコンクリートでもない。舗装とは無縁の土むき出しの道で、周りにあるのはビルではなくレンガ造りの家だ。さらに魔王襲来の噂があるためか、家の数と比べて人の数は少なく思える。
本当に異世界に来たんだな。などと呑気なことを思っていると、塀に囲まれた三階建てくらいの大きな建築物にぶち当たった。
「ここです」
ここにアロンの荷物があるらしい。
アロンに案内されるがまま門をくぐると、そこは宿屋だった。
ウマやダチョウみたいな馬車を引く生き物たちのいる中庭抜け、倉庫の隣の本館に入る。
一階の受付、二階の食堂と階段を上がり、三階の宿泊部屋に到着。アロンが滞在しているのは、七つある部屋のうちの一つ、ユニコーンのプレートが掛けられている部屋だ。
「いい部屋だと思いませんか?貸し切りなんですよ」
自慢げにアロンが扉を開く。貸し切りってことは、相部屋が基本なのだろう。
家具はベッドが二つ、机とイスが一組。洋服を入れるクローゼットが一つと、旅人が泊まるための最低限の家具がそろっていた。ベッドが二つある時点で一人用の部屋ではないだろう。
「魔物が凶暴化しているみたいで、旅人も少ないみたいです」
「どうしてアロンは一人で旅をしているのさ」
「ええっと、それは……あ、修行中だからです。他の人と一緒だと、修行にならないかなって」
「なるほど。じゃあ何の修行しているの?」
「……魔法です。こう見えても魔法使いなんですよ」
「へえ、見てみたいな」
ファンタジーといえば魔法である。地球では決して拝めないし、この目で見る日がくるとは。あわよくば俺も使ってみたい。
「ソーサクさんの住んでいた国に魔法ってないんですか?」
「そ、そうだけど」
アロンはくるみ割り人形のようにポカンと口を開け、硬直していた。それだけこの世界で魔法は浸透しているのだろう。地球でいう電気的な。
カルチャーショックを受けたアロンが立ち直ったのか。
「な、なんでここに来たんですか?」
「うーん、やりたいことも無くなっちゃったし、何か見つかるかなって」
「でもでも、どうやってここにたどり着いたんですか?魔法は使えないし、剣も持ってない。武術をやっているようにも見えないですけど……魔物とか出会わなかったんですか?その、よければ教えてください」
痛いところを突かれた。素直に神様と出会って、雲の上歩いていました。なんて言ったところで信じてもらえるだろうか。
断言しよう、無理だ。
「……巨人とドラゴンみたいなのと戦いに巻き込まれて、気が付いたらここに……」
「転移魔法でしょうか……魔王に滅ぼされてこんなことに」
なにやら重大な勘違いをされているような気がするが、こっちとしては都合がいいから黙っておこう。嘘は言っていないからな。ドメイドンだってドラゴンみたいなもんだし……違う、あれは怪獣だ。
「それよりも魔法を見せてよ。今度魔王に襲われたときとか、役に立つかも知れないから。できれば教えてください」
「そう焦らないで。室内なので簡単なもので許してくださいね」
アロンは前置きしてから人差し指を立てて、ふうと息を吹いた。ぽんと指先から小さな炎が出てロウソクにともした。
「おお、すげぇ。他の魔法は、もっと見せて」
「えっと、氷、雷、風を操るの、水流で吹き飛ばすの、山も撃ちぬく極太ビ……あっ。そ、そのくらいです」
「めっちゃ使えるじゃん!かっけー」
「そんなことないですよぅ……恥ずかしい」
ふうっと、ロウソクの炎を拭き消した。ロウソクの火は消えたのに、彼女の顔は自慢の赤い髪と同じくらい赤かった。
「だ、誰でもできますから。ちょっと手のひらを見せてください。魔力を見てみます」
アロンに言われて、期待をしつつ俺は手を差し出した。アロンは手相を見るように俺の魔力を調べて。
「えっ、嘘!魔力が……無い」
「俺、魔法使えないの?」
「そう……なるね。こんなの見たことない」
「さっき誰でもできるって言ってたじゃん」
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