70 / 121
70.「少女は僕に顔面を殴られ、ズシャア、と地面に擦られる様に倒れた。 」
しおりを挟む
さらに追撃しようかしまいか悩んでいると、少女はむくりと上半身を起こしてこちらを見てくる。
「・・・■■■■・・・?・・・・■■■・・・?」
その僕を見る目は、酷く、酷く、悲しそうに、僕を見ていた。
「・・・・・・何故、そんな顔をする!お前は僕の大切な妹を気づつけたんだぞ」
僕は、そう怒鳴り付けた後に千尋ちゃんが斬りつけられた事を思い出す。
「千尋ちゃん!!」
僕は、千尋ちゃんに駆け寄る、
「う・・・うぐ・・・。」
千尋ちゃんは苦しそうに呻いていた。
呻いていたが、
千尋ちゃんの大鎌で斬られた腹部を見ると、
服は裂け、下着が露になってしまっているものの、その肌は斬り裂かれなく、白い柔肌が傷一つ無かった。
「お、お兄さん・・・、私、大丈夫だよ・・・?・・・痛いけど、大丈夫・・・。」
抱き締めた胸の中で、えへへと千尋ちゃんは強がる様に微笑んだ。
僕は安心して、抱きしめつつも、また少女の方を見る。
「■■■・・・?■■■・・・?」
少女は訳の分からない・・・という顔をしていたが、形相を変えて
「■■■■■!■■■■っ!」
と叫び、また大鎌を持って、少女は僕の方へ、いや、千尋ちゃんの方へ突っ込んで来た。
「!!」
どうする?千尋ちゃんは腹を抱えて応戦出来ない。
僕は千尋ちゃんを強く抱きしめ、身構えたその時、赤い光弾が少女に当たり、そして少女の体を吹き飛ばした。
「っ!?」
光の元を見てみると、赤い光を帯びた昇り旗を持った千歳ちゃんが居た。
「千歳ちゃん!」
「お兄さん!今、行きます!」
ゴーレムの群れをかき分け、千歳ちゃんは僕らの元にやって来る。
「逃げましょう!お兄さん!!、ここは危険です!」
千歳ちゃんは僕の体を起こして引っ張る。
「千尋ちゃん、立てるか?」
「う・・・ううん、立てっ・・・きゃっ!」
千尋ちゃんは立とうとするも、体のバランスを崩して倒れる。
「千尋ちゃん・・・少し持ち上げるぞ、良いか・・・それっ!」
僕は千尋ちゃんの応答を聞かず、千歳ちゃんの体を両手で持ち上げた。(俗に言うお姫様抱っこという奴だが、こういう事を気にしている場合では無い)
「ひゃっ・・・お兄ちゃん・・・」
耳元で千尋ちゃんの恥ずかしさを含んだ、甘い声が聞こえたが、無視をする事にする。
「行きましょう!お兄さん!逃げますよ!」
千歳ちゃんは僕を急かす。
「ああ、逃げよう!まっすぐ走って逃げよう!」
僕もそれに頷いて、足に力を入れて、少女とゴーレムとは反対方向に駆ける。
僕は、ふと後ろを振り向いて少女を見る。
少女は、悲しそうな目で僕らを・・・いや、僕を見つめていた。
僕はそれを気に止めずまた前を振り向いてただ駆けた。
「・・・■■■■・・・?・・・・■■■・・・?」
その僕を見る目は、酷く、酷く、悲しそうに、僕を見ていた。
「・・・・・・何故、そんな顔をする!お前は僕の大切な妹を気づつけたんだぞ」
僕は、そう怒鳴り付けた後に千尋ちゃんが斬りつけられた事を思い出す。
「千尋ちゃん!!」
僕は、千尋ちゃんに駆け寄る、
「う・・・うぐ・・・。」
千尋ちゃんは苦しそうに呻いていた。
呻いていたが、
千尋ちゃんの大鎌で斬られた腹部を見ると、
服は裂け、下着が露になってしまっているものの、その肌は斬り裂かれなく、白い柔肌が傷一つ無かった。
「お、お兄さん・・・、私、大丈夫だよ・・・?・・・痛いけど、大丈夫・・・。」
抱き締めた胸の中で、えへへと千尋ちゃんは強がる様に微笑んだ。
僕は安心して、抱きしめつつも、また少女の方を見る。
「■■■・・・?■■■・・・?」
少女は訳の分からない・・・という顔をしていたが、形相を変えて
「■■■■■!■■■■っ!」
と叫び、また大鎌を持って、少女は僕の方へ、いや、千尋ちゃんの方へ突っ込んで来た。
「!!」
どうする?千尋ちゃんは腹を抱えて応戦出来ない。
僕は千尋ちゃんを強く抱きしめ、身構えたその時、赤い光弾が少女に当たり、そして少女の体を吹き飛ばした。
「っ!?」
光の元を見てみると、赤い光を帯びた昇り旗を持った千歳ちゃんが居た。
「千歳ちゃん!」
「お兄さん!今、行きます!」
ゴーレムの群れをかき分け、千歳ちゃんは僕らの元にやって来る。
「逃げましょう!お兄さん!!、ここは危険です!」
千歳ちゃんは僕の体を起こして引っ張る。
「千尋ちゃん、立てるか?」
「う・・・ううん、立てっ・・・きゃっ!」
千尋ちゃんは立とうとするも、体のバランスを崩して倒れる。
「千尋ちゃん・・・少し持ち上げるぞ、良いか・・・それっ!」
僕は千尋ちゃんの応答を聞かず、千歳ちゃんの体を両手で持ち上げた。(俗に言うお姫様抱っこという奴だが、こういう事を気にしている場合では無い)
「ひゃっ・・・お兄ちゃん・・・」
耳元で千尋ちゃんの恥ずかしさを含んだ、甘い声が聞こえたが、無視をする事にする。
「行きましょう!お兄さん!逃げますよ!」
千歳ちゃんは僕を急かす。
「ああ、逃げよう!まっすぐ走って逃げよう!」
僕もそれに頷いて、足に力を入れて、少女とゴーレムとは反対方向に駆ける。
僕は、ふと後ろを振り向いて少女を見る。
少女は、悲しそうな目で僕らを・・・いや、僕を見つめていた。
僕はそれを気に止めずまた前を振り向いてただ駆けた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?
曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」
エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。
最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。
(王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様)
しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……?
小説家になろう様でも更新中
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる