6 / 13
出会い
しおりを挟む
木の枝に静かに飛び移ることを繰り返し、家から30mくらい離れたところにいた兵士達を難なく突破していった。
木の上を移動するその姿は、音もなく洗礼されており日頃森で暮らしているだけとの事はあるとニケは感心していた。その傍ら、木の上で生活する動物達と競っても負けないのでないかとニケが思っていた事は心の内に伏せて置くことにした。
「そろそろ大丈夫かな?」
木の上を走りながら呟いたスズリナは木から飛び降り、華麗なる着地を決めるはずだった。
現実は、飛び降りるスズリナは途中先程の兵士達とは別の人が飛び出して来る気配を感じた。
「うおっ!」
咄嗟に叫び両手に持っていた剣を間違って刺してしまわないように何も無いところに投げ飛ばした。
突然のことにバランスを崩したスズリナはそのまま地面に落ちた。
この突然の出来事に、ニケのしがみつきレベルがさらに上がったのだった。
「痛っ……くない?」
「っ…………」
スズリナは下敷きにした人の上から素早く退くと、とりあえず謝った。
「あの、すみません。大丈夫ですか、怪我は?」
「…大丈夫だ、問題ない。」
下敷きにされた男は体を起こし色々と体を動かし問題がないことを確認すると、スズリナに簡単に返した。
そう答えたのは20歳くらいの青年だった。
紺色の服を来ており、服上からでも彼が鍛えていることはよく分かった。見慣れない服は右腕の方の布は手首ら辺で裾広がっていたが左腕の方は肩までしか布がなかった。
背中には柄のない黒い刀、鬼刀をしょっていて普段左手で剣を扱っていることがみてとれた。
長く伸びた黒髪は後ろで1つに束ねられているが、長い前髪はそのまま目元を隠していた。
彼の体つきやオーラからは相当の使い手だということがわかった。
「チョット~!どこの世界に両手に剣持ったまま落ちて来る子がいるのよ~!」
「ごめんなさい!」
スズリナの背後から聞こえて来た声に咄嗟に謝り振り返る。
「これ、あなたの双剣でしょ?さっき投げ飛ばしていたし。」
そういって双剣を手渡してくれたのは、頭がツルーーーーっとしていてオレンジ色の瞳をもつ男性だった。
彼の服はオレンジ色で体に沿ってラインの出る形をしていた。それにより彼の胸筋やら、背筋やらそのた諸々の筋肉の主張が目立った。
(…この人たちの服、なんだっけ、……………あっ、もしかして噂に聞く東洋の服なのかな)
筋肉の彼の腰を見るとそこには鎖鎌が吊ってあった。
それを振り回せば素晴らしい上腕二頭筋ができるデスとニケは密かに思っていたが口には出さなかった。
(それにしても、2人とも手練だな…………てか、この筋肉凄い人はなんか、普通とは違う、違和感…が、口調とか…)
スズリナは思っていたことは口には出さず笑顔で2人話しかける。
「私はスズリナ・スウェル。迷惑かけてごめんなさい。」
「僕はニケ。スズリナの相棒デス!」
ニケがスズリナに続き挨拶すると、頭がツルッとしている男性が先に口を開いた。
「私はダイアン・ケルナーよ。」
自己紹介をしながら、ダイアンはジーッとスズリナを見つめた。
スズリナは突然見つめられてオドオドしていると、ダイアンが飛びつこうと両手を広げた。
「キャーー~♡♡美少~~女~~♡」
「!?」
スズリナは1歩後ずさったが、ダイアンは黒髪の青年によって首根っこを捕まれその場から動けずにいた。
青年はダイアンを掴んだままスズリナに顔を向け自己紹介をする。
「俺はレオシオン・ウィンコット。すまない、こいつオネェな上に可愛い子が大好きなんだ。」
レオシオンはそういって首根っこを掴んだまま顎でダイアンを指す。
そこでスズリナ異変に気がついたニケが問いかけた。
「スズリナ?顔が赤いデス。」
「美少女とか、可愛い子とか、慣れないこと言われて恥ずかしいの! 」
そういって照れているスズリナは確かに可愛かったが
、ニケはそんな事かと肩を竦めた。
「「あそこだ!!」」
スズリナ達のいる所のすぐ近くから聞こえてきた、その一言で穏やかな空気は崩れ去ったのだった。
5話 fin
木の上を移動するその姿は、音もなく洗礼されており日頃森で暮らしているだけとの事はあるとニケは感心していた。その傍ら、木の上で生活する動物達と競っても負けないのでないかとニケが思っていた事は心の内に伏せて置くことにした。
「そろそろ大丈夫かな?」
木の上を走りながら呟いたスズリナは木から飛び降り、華麗なる着地を決めるはずだった。
現実は、飛び降りるスズリナは途中先程の兵士達とは別の人が飛び出して来る気配を感じた。
「うおっ!」
咄嗟に叫び両手に持っていた剣を間違って刺してしまわないように何も無いところに投げ飛ばした。
突然のことにバランスを崩したスズリナはそのまま地面に落ちた。
この突然の出来事に、ニケのしがみつきレベルがさらに上がったのだった。
「痛っ……くない?」
「っ…………」
スズリナは下敷きにした人の上から素早く退くと、とりあえず謝った。
「あの、すみません。大丈夫ですか、怪我は?」
「…大丈夫だ、問題ない。」
下敷きにされた男は体を起こし色々と体を動かし問題がないことを確認すると、スズリナに簡単に返した。
そう答えたのは20歳くらいの青年だった。
紺色の服を来ており、服上からでも彼が鍛えていることはよく分かった。見慣れない服は右腕の方の布は手首ら辺で裾広がっていたが左腕の方は肩までしか布がなかった。
背中には柄のない黒い刀、鬼刀をしょっていて普段左手で剣を扱っていることがみてとれた。
長く伸びた黒髪は後ろで1つに束ねられているが、長い前髪はそのまま目元を隠していた。
彼の体つきやオーラからは相当の使い手だということがわかった。
「チョット~!どこの世界に両手に剣持ったまま落ちて来る子がいるのよ~!」
「ごめんなさい!」
スズリナの背後から聞こえて来た声に咄嗟に謝り振り返る。
「これ、あなたの双剣でしょ?さっき投げ飛ばしていたし。」
そういって双剣を手渡してくれたのは、頭がツルーーーーっとしていてオレンジ色の瞳をもつ男性だった。
彼の服はオレンジ色で体に沿ってラインの出る形をしていた。それにより彼の胸筋やら、背筋やらそのた諸々の筋肉の主張が目立った。
(…この人たちの服、なんだっけ、……………あっ、もしかして噂に聞く東洋の服なのかな)
筋肉の彼の腰を見るとそこには鎖鎌が吊ってあった。
それを振り回せば素晴らしい上腕二頭筋ができるデスとニケは密かに思っていたが口には出さなかった。
(それにしても、2人とも手練だな…………てか、この筋肉凄い人はなんか、普通とは違う、違和感…が、口調とか…)
スズリナは思っていたことは口には出さず笑顔で2人話しかける。
「私はスズリナ・スウェル。迷惑かけてごめんなさい。」
「僕はニケ。スズリナの相棒デス!」
ニケがスズリナに続き挨拶すると、頭がツルッとしている男性が先に口を開いた。
「私はダイアン・ケルナーよ。」
自己紹介をしながら、ダイアンはジーッとスズリナを見つめた。
スズリナは突然見つめられてオドオドしていると、ダイアンが飛びつこうと両手を広げた。
「キャーー~♡♡美少~~女~~♡」
「!?」
スズリナは1歩後ずさったが、ダイアンは黒髪の青年によって首根っこを捕まれその場から動けずにいた。
青年はダイアンを掴んだままスズリナに顔を向け自己紹介をする。
「俺はレオシオン・ウィンコット。すまない、こいつオネェな上に可愛い子が大好きなんだ。」
レオシオンはそういって首根っこを掴んだまま顎でダイアンを指す。
そこでスズリナ異変に気がついたニケが問いかけた。
「スズリナ?顔が赤いデス。」
「美少女とか、可愛い子とか、慣れないこと言われて恥ずかしいの! 」
そういって照れているスズリナは確かに可愛かったが
、ニケはそんな事かと肩を竦めた。
「「あそこだ!!」」
スズリナ達のいる所のすぐ近くから聞こえてきた、その一言で穏やかな空気は崩れ去ったのだった。
5話 fin
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる