落ちこぼれ[☆1]魔法使いは、今日も無意識にチートを使う

右薙光介

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3巻

3-3

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「行ったらいいじゃないか。『学園都市ウェルス』に」
「スキルが……」
「ティコの葉の効用は?」
「……すり潰して湿布しっぷにしたら打身に効く」

 突然の質問にも、システィルはすらすらと答える。
 昔から薬草が好きで集めていて、その効用についても彼女はよく知っている。

「ほら見ろ。勉強と研究なんて、スキルがなくてもできる。戦闘系のスキルがあるってことは、鍛えればダンジョンや未開地へのフィールドワークにだって行けるし、前向きに考えてみたらどうだ?」

 一瞬驚いた表情を見せた後、システィルは少し笑顔になった。

「……そうかも。うん、ありがとうね、お兄ちゃん」
「あらあら、まぁまぁ……ホントにシスティルはお兄ちゃんっ子ね。でも、困ったわ」

 母は満足そうに微笑みながらもわずかに眉を寄せる。

「何かあったの?」
「スキルのこと、二十二神教会の司祭に知られちゃってるのよ。今、何かトラブルが起きてるでしょう? 救世のためにつかわされた……なんて言ってて、ちょっと面倒くさいのよねぇ」

【勇者】というスキルの特別さが今の状況に合致してしまったか。
 ……まずいな。
 今のシスティルに直接戦闘はまず無理だが、かつぎ上げられでもしたら危険な場所におもむくことを要請されるかもしれない。
 ☆1の俺にさげすみの言葉を自然に投げかけるように、〝【勇者】なのだから〟と、無遠慮な期待を向けてくる可能性は大いにある。

「俺もそのトラブルについて、二人に相談しに来たんだ」

 ミレニアに協力を要請されたこと、原因が宿場町で治療できなかった子供だろうということ……そして、俺達の故郷がすでに呑まれていることをできるだけ端的たんてきに説明した。
 システィルには伝えないでおこうかと思ったが、『降臨の儀』を受けた以上、彼女も大人だ。聞く権利があると判断した。結果、妹の顔を青ざめさせてしまうとしても。

「アストルはどうするつもりなの?」
「ミレニアは馴染なじみだし、原因の一端いったんは俺にあるから、要請に応じたいと思ってる。でも、みんなの総意に従うよ。……なんせ、俺は☆1だからね」

 渾身こんしん自虐じぎゃくジョークに、母がため息をつく。

「ダメよ? アストル。でも、みんなで相談というのはとてもいい提案ね。一人で飛び出さなくなったのは、経験を積んだ成果かしら?」

 笑顔の母に、俺は苦笑を返す。
 三年前、予備学校の話に飛びついて旅立った俺とは違うんだよ……母さん。


 ◆


 ミントが戻ってきたところで、ユユ姉妹も加えて改めてミレニアへの協力について相談した。

「アストルがいいなら、アタシは構わないわよ?」

 ミントの答えはなんとも単純なものだった。
 事情を深く聞くわけでもなく、当たり前のように首を縦に振る。

「ユユも」

 ユユも小さく頷いて同意した。

「じゃあ明日、ミレニアのところへ一緒に行こう。話をめないといけないから」
「そういえば、なんで伯爵令嬢がこんな場所ローミルに来てるの?」
「名代としてって言ってたから、伯爵の代理で冬至祭ユールの挨拶回りに来ていたんだろう」
「なんだ、そうなの? またアストルを追いかけて来たのかと思っちゃった」

 あ、っと思った時にはもう遅かった。
 ミントのセリフに笑顔のままの母が、くるんと首だけ動かしてこちらを見る。

「あらまぁ、どういう意味かしら? アストル」
「予備学校時代の同期で……」
「同期のお友達に追われるようなことでもしたの?」

 母の追及が怖い。

「なんというか、色々あったんだよ……☆1には避けようのない、ね」

 目を逸らしつつ苦笑すると、察した母は小さなため息をつく。

「あらまぁ、この子ったら……。そんなこと言ったらアナタ、今☆5のミントちゃんを連れてるじゃない。きっとその子……納得しないわよ? ねぇ?」

 話を振られたシスティルもこくこくと頷いている。

「ぐ……それは、いずれ解決するよ。俺にはユユがいるから」
「あらあら……まぁまぁ! ユユさんとは〝そういう関係〟だったのね!」

 さらなる失言。
 訪れた沈黙の中で、俺は〝しまった〟と天をあおぎ、ユユは赤くなってうつむくことになった。
 ……ミント、そんな期待のこもった目で見てもダメだぞ。お前はまごうことなき〝友達枠〟だ。

「と、とにかく、準備だ。ビジリさんに事の次第を話さなくちゃいけないし、ダンジョン用に道具もいくつか買い足さないと」
「アタシもせめて混合鎧コンポジットアーマーくらい探さないといけないかな」

 普段は完全鎧フルプレートをまとっているミントも、今は軽量な革鎧レザーアーマーを身につけている。
 本当に帰郷だけのつもりだったから、みんな装備も旅装に合わせてちょっとしたものしか持ってきていないのだ。
 さらに、装備を調達しようにも、冬至祭ユールの影響で開いていない店も多い。そもそもローミルは、冒険者ギルドこそあるものの、近くにダンジョンがあるわけでもないので、それほど需要がないのだろう……冒険者通りの規模が小さい。
 おそらくだが、今集められている冒険者達もダンジョン経験が浅いか、あるいは全くない者が多数だと思う。
 もっとも、俺だってフィールド型のダンジョンの攻略経験があるわけじゃない。
 油断はできないし、茸人間ファンガスが起点ということを考えると、ダンジョンへの進入自体が困難な可能性もある。

「母さんも行こうかしら?」

 あご先に指を当てながら、小首を傾げる母。しかし、どれだけ可愛らしく振る舞おうとも、実際は泣く子も黙る伝説の冒険者だ。
 もし、同行してくれるならばとても心強いとは思う……だが、何年も隠遁いんとんしていたということは、もう表舞台に立つつもりがなかったのではないだろうか?
 それに、システィルを慣れない町に一人きりで残すのも少し心配だ。
 ……今回の騒動が町民にも知れ渡るのは時間の問題。そうなると、【勇者】スキルを持つシスティルを利用しようと考えるやからが何かしらのアクションを起こす可能性は否めない。

「私も……お兄ちゃんについて行ったらダメかな?」
「危険すぎるよ。でも一人にするのもよくないな。やっぱり、母さんはシスティルについていてくれないか?」
「そうねぇ……母さん、冒険者に復帰しようかと思ったんだけど」
「え、なんで?」

 呆気あっけなく復帰を口にした母に、思わず聞き返してしまった。
 何か理由があって隠遁いんとんしてたわけじゃないのか。

「子供が二人とも成人したんだもの。親の責任は果たしたことにならないかしら?」

 思いの外〝親らしい〟理由で内心少し驚く一方、冒険者世界に〝業火の魔女ブレイズウィッチ〟が戻ってくるという事実に戦慄せんりつする。
 かなりセンセーショナルな出来事だ。
 その伝説的存在が☆1の実の母親だということも、俺がその☆1息子だということも、できれば隠しておきたい。
 さらっと言ってしまいそうだけど、母さんこの人

「お金も稼がないといけないし……母さん『大暴走スタンピード』相手の殲滅せんめつ戦とか、得意なのよ?」

 重々知っている。
 教本に載ってるくらいだしね……
 代償として重要な牧草地が荒野に早変わりしたんだっけ?

「ついてきてもらったら?」

 決めあぐねていると、ミントが何の事はないといった風に提案した。

「ミント?」
「システィルを一人きりにして気もそぞろになるくらいなら、ついてきてもらって緊張感があった方がまだ安全よ」

 時々見せるミントのドライな部分は、俺をひどく驚かせる。
 抜けたところはあるが、彼女はこれで、冒険者としては俺よりもずっとビジネスライクな性格をしているのだ。

「それに、攻略じゃなくて調査でしょ? 植物学者になりたいなら〝こういうの〟を実際見ておくのも悪くないわ」
「確かに」

 何もダンジョンコアをってこいと言われたわけじゃない。事態をより詳細に把握はあくし、その影響規模が予測できれば重畳ちょうじょうといったところだ。
 むしろ本格的な対処は領軍の仕事だろう。

「よし、じゃあシスティルの最初のフィールドワークは『粘菌封鎖街道』で決まりだな」

 同行を許可されたシスティルが大きく頷く。

「邪魔にならないように、がんばる……!」

 システィルに合う装備類も買い揃えないとな。
 ただついてくるだけとはいっても、最低限の冒険装束は必須ひっすだ。
 茸人間ファンガスといえば、俺は重要な資料を持っている。珍しいものだし、これからシスティルが植物学者になるというなら、見せておいて損はないだろう。
 俺は魔法の鞄マジックバッグに手を突っ込んで、一つのびんを取り出す。
 完全密封の魔法の瓶。
 そこには俺が宿屋の息子――チップから摘出てきしゅつし、焼却し忘れていた茸人間ファンガス胞子ほうしのうが入っている……はずだった。

「ああ、なんてこった」

 それを見て、俺は思わず頭を抱えた。

「アストル、これ……」

 ユユが驚くのも無理はない。
 手術に立ち会ったのだから、俺がこの瓶に茸人間ファンガスの胞子嚢を収納したのも間近で見ている。
 だが、魔法の小瓶に入っていたのは……ほんのりと輝く深紅の宝石だった。
 指二本分ほどの楕円だえん形をしたそれは、クシーニの『小迷宮レッサーダンジョン』で回収したものよりもサイズが大きい。

「『ダンジョンコア』に、なってる……!」
「ああ。どうやらチップはもう少しで迷宮主ダンジョンマスターになるところだったみたいだな」

 フィールド型の『小迷宮レッサーダンジョン』は、ダンジョンコアを内包する迷宮主ダンジョンマスターが多いほど広くなる。
『ベルベティン大森林』などはその広大さから、十を超える迷宮主ダンジョンマスターが存在すると考えられていて、現在も時折調査団が送られているくらいだ。
 突然発生し、急速に拡大したことを考えると、今回の『粘菌封鎖街道』においても、同時に複数の迷宮主ダンジョンマスターが出現している可能性がある。
 最初にチップと雑貨屋の息子を感染させた……言うなれば小迷宮レッサーダンジョンの起点となった茸人間ファンガスは、おそらく『粘菌封鎖街道』にいるだろうし、雑貨屋の息子もチップと同じように迷宮主ダンジョンマスターに変性している可能性は高い。
 問題は、その後に出たであろう感染者が、何人迷宮主ダンジョンマスターへと変性しているかだ。
『ダンジョンコア』だって、なにも無限に作れるわけじゃない。
 主迷宮メインダンジョンである『ベルベティン神殿』が管理する地脈の魔力マナが許す範囲の数しか作れないのだ。
 そう考えると、今回のダンジョン発生は、『ベルベティン神殿』が地下に拡張したかして、地脈にさらに近づいた結果、過剰になった魔力マナ発露はつろとして起こったことなのかもしれない。

「ねぇ、これ……なに? 『ダンジョンコア』って?」

 システィルが不思議そうに俺の手の中にある小瓶を見つめている。

「えーと、なんていうか……願いを叶える魔法のアイテムだ」
「それを使って、お兄ちゃんの☆を上げればいいんじゃない?」

 それができれば苦労はしないのだが。

「できなかったんだよ……。代わりに得たのが、あのレベルだよ」

 本来、☆1のレベルは50で頭打ちになるのだが、今の俺のレベルは……

「あら? アストル……なんの話かしら? 母さん、聞いてないわよ」
「お兄ちゃん、レベル72なんだよ!」

 しまった、母さんにはまだ話してないんだった。

「レベル上限を突破したっていうの?」

 珍しく母の声に驚きがにじんでいる。

「ああ、手に入れた『ダンジョンコア』に願った」
「そうなの……。おかしいわねぇ、母さんの時はできなかったのに」

 試したことがあるらしい。
 そして、ソレを試した以上、母のレベルはすでに上限値に達しているに違いない。

「ヘンねぇ……アストルが特別なのかしら」
「☆1なぶん、『ダンジョンコア』も気を遣ってサービスしてくれたんだろ。まぁ、それは置いといて、準備に取り掛かろう」

 わからないことを思案するよりも、今は差し迫った状況への対処が必要だ。

「母さん、悪いんだけどさ……システィルに装備を見繕みつくろってやってくれないか」
「そうね、間に合わせでも、身を守るものが必要だわ」
「あ、アタシも一緒に行く! アタシも装備の見直しがいるし」

 ミントが手を上げたので、〝まかせた〟と頷いておく。

「ユユは俺と各種道具の買い出しだ。魔法薬の作製も手伝ってくれ」

 茸人間ファンガス棲処すみかに近寄るなら、それなりの対毒・対感染の道具や薬が必要だ。
 自前で作れる物は作ってしまうが。
 あとは、念のために火炎瓶フレイムカクテル猛火瓶ブレイズカクテルは俺とユユ、場合によってはシスティルが携帯できる程度の数を準備しておかなくてならないだろう。

「早くしないと、素材の品切れも起きはじめるかもしれないな……。ビジリさんに相談してみよう。変わった薬草なんかも扱ってるって話だったし」

 そもそもにして、ビジリに情報を伝えに行かなくてはならない。
 彼の情報が発端ほったんになったのだから、反応レスポンスは早めに返した方がいいだろう。

「じゃ、いったん解散して、夕食までに戻って来ましょ! 集合場所はどこにする? アストル」
「ええと、じゃあこの部屋で。あと、システィル……くれぐれも冒険者ギルドには行かないようにな」

 念のために、釘を刺しておく。
 この危機的な騒ぎの中で、【勇者】スキル持ちが冒険者ギルドに登録なんてしたら、余計な面倒が発生しそうだ。
 特に、あの暑苦しい冒険者は、事態をさらにややこしくする恐れがある。

「うん。わかってる」
「でも、冒険者証があると割引が利くお店もあるのよねぇ……」

 妹は素直に頷いたが、母はなんとも庶民的な理由で異を唱えた。
 伝説の冒険者がたかだかいくらかの『冒険者割引』で悩む姿なんて見たくなかった……とミントあたりは思っているはずだ。

「じゃあ、母さんに任せるよ。あんまり騒ぎにならないようにね」

 伝説の〝業火の魔女ブレイズウィッチ〟ファルメリアが【勇者】と【聖剣】持ちの娘を連れてきて、騒ぎにならないわけがないと思うけど。
 おまけにミントみたいな☆5同伴だとわかったら、例の暑苦しいヤツは溶けてなくなるんじゃないだろうか。

「じゃあ、行動開始だ」

 俺の一言を合図に全員席を立って、宿を出たところで二手に分かれる。
 俺とユユは冒険者ギルドとは逆側にある、露店街バザールへと足を向けた。
 ビジリへの報告と、薬草類の購入のためである。
 薬草類は冒険者通りで買い揃えることができるといっても、おそらくもう目端めはしの利く者が必要な薬草を買い漁ってしまっているだろう。
 そうなると、闇雲やみくもに探すよりもビジリに頼んで行商人仲間に聞いてもらった方が確実だ。
 町の雰囲気に気付いているのかいないのかは定かでないが、冬至祭ユールの賑わいは増しており、露店街バザールの店の数も少し増えている印象だ。
 その中をユユと二人でビジリの露店を目指して進む。

「ビジリさん」

 店先でふわふわとけむりを吹かしているビジリを見つけて声をかけた。

「やあ、アストル君。何かわかりましたか?」
「俺達の通ってきたスレクト方面の街道に、新しいダンジョンがいたみたいなんです」
「それは冒険者的には嬉しいことだね?」
「――実はそうでもないんです」

 俺は、ここまでで調べた情報や予想される危険、そして村が犠牲ぎせいになっている可能性などを混乱と恐怖を与えないように言葉を選んでビジリに伝える。
 いつの間にか、店の周りには行商人仲間が数人集まって俺の情報に耳をかたむけていた。

「思った以上に大変だね……もしかして、この町も危ないのかい?」
「拡大は収束傾向にあるらしいので大丈夫だと思いますが、ここから領都ガデス方面には戻れません」

 俺の言葉を聞いて、ビジリは周囲の行商人ともども胸を撫で下ろす。

「それで、俺達が様子を見に行くことになると思うんですが、薬品や道具が足りなくて……」
「まかせておいてくれ。あるものはなんでも売るとも。信用以外はね」

 ビジリのみならず、周囲の行商人達も一様いちように頷いて協力の姿勢を見せてくれた。
 俺がリストを差し出すと、またたく間に〝それは俺が持ってる〟〝そっちのは用意があるぞ〟と、次々と物が集まり、結局……全てのものを過不足なくこの露店街バザールで準備できてしまった。


 ◆


「準備完了かな」

 テーブルの上に所狭しと並べられた小瓶などを確認し、俺は一息つく。
 かなり大量に作ったが、『黒死茸ペストファンガス』のような危険なヤツがうろうろしている場所に行くのだから、後になって〝準備が足りなかった〟では目も当てられない。
 各種の茸毒に対応した解毒剤や検査薬も準備済みだ。
 ま、どれだけ準備しても〝完璧〟がないのが冒険者の仕事の常であるが。

「いっぱい。システィルちゃん、守らなきゃね」

 薬品の整理や素材の管理をしてくれていたユユも、少しくたびれた様子だ。

「ああ。もしも突入しなければならなくなったら、俺達三人で行くことになる。母さんはシスティルについていてほしいからな」
「もう、システィルちゃんも大人なんだから、あんまり過保護も、ダメだよ?」

 そう言われてしまうと、自分は少々妹に甘すぎる気がしないでもない。
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