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第四章 奇跡が生んだもの
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俯いているマリカの表情は見えない。が、すぐに立ち上がって顔を上げると、
「ええ。あなたとミドリちゃんの愛の力でね」
にかっ、といつもの笑みを浮かべて、ヨシマサの肩に手を置いた。
そしてその肩を掴んで、ヨシマサの体をぐるりと反転させる。
「だから、ちゃんと言ってあげなさい」
マリカに押されて、ヨシマサはつんのめった。
その目の前に、ミドリがいる。大敵を倒せて興奮状態、というわけではなく、自分たちの命が助かって安堵している、というわけでもなく。何かに怯えているような顔だ。
「……兄様……僕、の……僕は……その……」
両手を自分の胸に当てて、ミドリは何かを言いたそうにして、言えないでいる。
ミドリの、怯えの対象が何であるか、ヨシマサにも解っている。必死で戦っている間は考える余裕などなかった、考えずに済んでいたことを、ミドリは今、考えてしまっているのだろう。
自分を死の寸前まで追い詰めた蟲たちが、まだ生きていて、全身に巣くっているということ。そして自分が人間ではなく、多くの子供たちを犠牲にして造られたモノであるということ。
「……僕……には……」
何より、人造人間であるミドリには、同族がいない。ヨシマサがミドリの為に探してくれようとしていた、ミドリの「家族」も「生まれ故郷」も、どこにも存在しないのである。
ヨシマサは刀を鞘に収めて、言った。
「先程、あの紅白の刃を作った時。お前は、絆の奇跡だ愛の力だと叫んでいたが、まさか本気でそう思っているわけではあるまいな?」
「? もちろん、本気で思ってますけど」
こつん、とヨシマサの拳がミドリの額を叩いた。
「不正解だ、馬鹿者。お前の知識と技術を高く評価してくれた、魔術研究所の人たちが泣くぞ」
「え、え?」
「お前の魔力の高さは、あの日打ち込まれた蟲たちによるもの。その蟲たちは、俺の気光を浴びて変質した。俺の気光にやられないように。その為に、お前の体と同化した……という話だが、その理由理屈で同化するなら、お前の体より、もっと有効なものがあるだろう」
「有効……? あ、もしかして……兄様の」
ミドリにも解ってきた。
「そう、俺の気光そのものだ。俺の気光に殺されぬ為には、俺の気光の仲間になるのが一番。それに加えて、後々の自分たちの生命維持も考え、お前の体とも同化したのだろう。そんな蟲たちの魔力だから、普通の魔力とは違い、俺の気光と非常に近い性質のものだったんだ」
「だから、僕の魔力と兄様の気光とで、力を合わせることができた……」
ヨシマサは頷く。
「そういうことだろうな。いいか? 気光とは、気の流れ。体内を常に循環している。これが滞ったり弱まったりすると、病の原因になることもある。血と同じようなものだ。そしてお前の中には、俺の気光と非常に近いものが、息づいている」
「……に……い……」
感極まって涙を浮かべるミドリ。
ヨシマサは、その頭にぽんと手を置いた。
「俺とお前は、血を分けた兄弟も同然ということだ。これからもよろしくな、ミドリ」
これは間違いなく、ラグロフが言っていた通り、千年に一度あるかないかの奇跡だろう。
そんな奇跡を経て、生まれた縁で、ミドリとヨシマサは繋がっているのだ。
そう思い至ったミドリは、
「……にいさまああああああああぁぁぁぁ!」
決壊した堤防のように涙を溢れさせ、ヨシマサに抱き着いた。
ヨシマサは、そんなミドリを優しく抱き留め……かけたが、その手を止めて横を向いた。
そこに、マリカとレティアナがいる。
マリカは、背中を地面と平行にするぐらいのけ反って、両手で宙をガリガリ描いて、片足の爪先は天に向けてひくひくさせて、はぅはぅと喘いでいる。どうやら興奮しているらしい。
レティアナは、ちょっとどういう精神状態なのか怖くなるほどに両目を見開き血走らせ、ヨシマサとミドリを見つめてメモを取っている。時々、鼻を拭っているのは、まさか鼻血か。
「……お前ら……」
ヨシマサの、呆れ果てた声を合図にしたかのように。
ぐんっ! とマリカは姿勢を戻して、だだだだっと駆けてきて、
「っくはああぁぁ~~~~~~~~! しんぼうたまらん、とは、正にこのことっ!」
ヨシマサとミドリを、まとめてガシッと抱きしめて、二人の肩をバンバン叩いた。
「わたしとレティアナが、『まぁ流石にこんなの、現実にはいないんだろうけどね~』とか妄想してた、あんなネタやこんなネタを! もろ現実で! しかも素で! 天然で! やってくれるんだから、もう! もうっ!」
「落ち着け。というか、お前も今、結構な重傷ではなかったのか」
「んなもん! さっき言ったでしょ、元気をもらったって! とにかくとにかく、もぉ絶対わたしたちは、あなたたちから離れないからねっ! ね、ミドリちゃん♪」
ミドリに顔を寄せて、マリカは囁いた。
「わたしたちの夢は、あなたたちが恋人として結ばれる、らぶらぶハッピーエンドを拝むこと。その実現に向けて、全力でお手伝いさせてもらうわよ。男の子同士の恋路、世間様からは石を投げられることもあるでしょう。けど、わたしたちは何があっても、あなたたちの味方」
「マリカさん……ありがとうございますっ」
「ふふ。おねーさんに任せない。で早速、あなたとヨシマサとの、らぶらぶハッピーエンドに向けての作戦なんだけど」
「は、はいっ。よろしくお願い」
「するなああぁぁっ!」
マリカとミドリが、脳天に熱い衝撃を受けて地面に叩き伏せられた。ヨシマサの、鞘ぐるみ大上段の一撃、いや二撃である。
突っ込みを入れて二人を倒したヨシマサを見ながら、レティアナは黙々とメモをとっている。
「……描くことについては、既に貴方から許可を頂いてるわよ。二言はないわよね?」
「くっ。好きにしろ」
悔しがるヨシマサの足元で、叩き伏せられたマリカとミドリは。
「兄と弟ってのも、いいポジションだとは思うけどね。その地位に甘んじていてはダメよ」
「いつまでも「兄様」と呼んでいてはいけないってことですか」
「や、そういうことではないの。弟のように可愛がられてる、兄のように慕ってる、そこは崩さなくていいの。呼称も、今はまだそれでいいわ。それはそれとして、行動面でね」
「難しそうですね」
「そう。BLの道は奥深いものなのよ。そう心得て、今後の精進を」
「せんでいいと言っとるんだああぁぁっっっっ!」
ヨシマサの、嵐のような連撃が二人を打ち据える。
ミドリはどれほど打たれても怯むことなく、マリカから教えを受けようとしている。BLの。
マリカはいつもの「にかっ」な目のまま、心底楽しそうに打たれている。BL話をしながら。
『……ふむ……』
レティアナはヨシマサたちのやり取りをメモして、BL小説のネタにしようとしている。
今、そのメモの登場人物の中には、マリカも含まれている。
『ことによっては、BLではない作品に挑戦してみるのもいいかもね……ま、とにかく。これからはいいネタのおかげで、いい作品が描けそうだわ』
魔王が召喚され、更にその魔王を糧として、魔王よりも強く恐ろしい、大魔王ともいうべきものが誕生した。だがその大魔王は、若き英雄たちにより、死闘の末に討ち倒された。
その現場で、当の英雄たちは、
「いきなりアレやソレに踏み込むのは無理としても、いつかは、ね」
「い、いつかは、ですよね」
「あんまり過激な描写は、読者を選ぶのよねえ」
「だから俺をBLのネタにして盛り上がるなああああああああぁぁぁぁっっ!」
……でしたとさ。めでたしめでたし。
「ええ。あなたとミドリちゃんの愛の力でね」
にかっ、といつもの笑みを浮かべて、ヨシマサの肩に手を置いた。
そしてその肩を掴んで、ヨシマサの体をぐるりと反転させる。
「だから、ちゃんと言ってあげなさい」
マリカに押されて、ヨシマサはつんのめった。
その目の前に、ミドリがいる。大敵を倒せて興奮状態、というわけではなく、自分たちの命が助かって安堵している、というわけでもなく。何かに怯えているような顔だ。
「……兄様……僕、の……僕は……その……」
両手を自分の胸に当てて、ミドリは何かを言いたそうにして、言えないでいる。
ミドリの、怯えの対象が何であるか、ヨシマサにも解っている。必死で戦っている間は考える余裕などなかった、考えずに済んでいたことを、ミドリは今、考えてしまっているのだろう。
自分を死の寸前まで追い詰めた蟲たちが、まだ生きていて、全身に巣くっているということ。そして自分が人間ではなく、多くの子供たちを犠牲にして造られたモノであるということ。
「……僕……には……」
何より、人造人間であるミドリには、同族がいない。ヨシマサがミドリの為に探してくれようとしていた、ミドリの「家族」も「生まれ故郷」も、どこにも存在しないのである。
ヨシマサは刀を鞘に収めて、言った。
「先程、あの紅白の刃を作った時。お前は、絆の奇跡だ愛の力だと叫んでいたが、まさか本気でそう思っているわけではあるまいな?」
「? もちろん、本気で思ってますけど」
こつん、とヨシマサの拳がミドリの額を叩いた。
「不正解だ、馬鹿者。お前の知識と技術を高く評価してくれた、魔術研究所の人たちが泣くぞ」
「え、え?」
「お前の魔力の高さは、あの日打ち込まれた蟲たちによるもの。その蟲たちは、俺の気光を浴びて変質した。俺の気光にやられないように。その為に、お前の体と同化した……という話だが、その理由理屈で同化するなら、お前の体より、もっと有効なものがあるだろう」
「有効……? あ、もしかして……兄様の」
ミドリにも解ってきた。
「そう、俺の気光そのものだ。俺の気光に殺されぬ為には、俺の気光の仲間になるのが一番。それに加えて、後々の自分たちの生命維持も考え、お前の体とも同化したのだろう。そんな蟲たちの魔力だから、普通の魔力とは違い、俺の気光と非常に近い性質のものだったんだ」
「だから、僕の魔力と兄様の気光とで、力を合わせることができた……」
ヨシマサは頷く。
「そういうことだろうな。いいか? 気光とは、気の流れ。体内を常に循環している。これが滞ったり弱まったりすると、病の原因になることもある。血と同じようなものだ。そしてお前の中には、俺の気光と非常に近いものが、息づいている」
「……に……い……」
感極まって涙を浮かべるミドリ。
ヨシマサは、その頭にぽんと手を置いた。
「俺とお前は、血を分けた兄弟も同然ということだ。これからもよろしくな、ミドリ」
これは間違いなく、ラグロフが言っていた通り、千年に一度あるかないかの奇跡だろう。
そんな奇跡を経て、生まれた縁で、ミドリとヨシマサは繋がっているのだ。
そう思い至ったミドリは、
「……にいさまああああああああぁぁぁぁ!」
決壊した堤防のように涙を溢れさせ、ヨシマサに抱き着いた。
ヨシマサは、そんなミドリを優しく抱き留め……かけたが、その手を止めて横を向いた。
そこに、マリカとレティアナがいる。
マリカは、背中を地面と平行にするぐらいのけ反って、両手で宙をガリガリ描いて、片足の爪先は天に向けてひくひくさせて、はぅはぅと喘いでいる。どうやら興奮しているらしい。
レティアナは、ちょっとどういう精神状態なのか怖くなるほどに両目を見開き血走らせ、ヨシマサとミドリを見つめてメモを取っている。時々、鼻を拭っているのは、まさか鼻血か。
「……お前ら……」
ヨシマサの、呆れ果てた声を合図にしたかのように。
ぐんっ! とマリカは姿勢を戻して、だだだだっと駆けてきて、
「っくはああぁぁ~~~~~~~~! しんぼうたまらん、とは、正にこのことっ!」
ヨシマサとミドリを、まとめてガシッと抱きしめて、二人の肩をバンバン叩いた。
「わたしとレティアナが、『まぁ流石にこんなの、現実にはいないんだろうけどね~』とか妄想してた、あんなネタやこんなネタを! もろ現実で! しかも素で! 天然で! やってくれるんだから、もう! もうっ!」
「落ち着け。というか、お前も今、結構な重傷ではなかったのか」
「んなもん! さっき言ったでしょ、元気をもらったって! とにかくとにかく、もぉ絶対わたしたちは、あなたたちから離れないからねっ! ね、ミドリちゃん♪」
ミドリに顔を寄せて、マリカは囁いた。
「わたしたちの夢は、あなたたちが恋人として結ばれる、らぶらぶハッピーエンドを拝むこと。その実現に向けて、全力でお手伝いさせてもらうわよ。男の子同士の恋路、世間様からは石を投げられることもあるでしょう。けど、わたしたちは何があっても、あなたたちの味方」
「マリカさん……ありがとうございますっ」
「ふふ。おねーさんに任せない。で早速、あなたとヨシマサとの、らぶらぶハッピーエンドに向けての作戦なんだけど」
「は、はいっ。よろしくお願い」
「するなああぁぁっ!」
マリカとミドリが、脳天に熱い衝撃を受けて地面に叩き伏せられた。ヨシマサの、鞘ぐるみ大上段の一撃、いや二撃である。
突っ込みを入れて二人を倒したヨシマサを見ながら、レティアナは黙々とメモをとっている。
「……描くことについては、既に貴方から許可を頂いてるわよ。二言はないわよね?」
「くっ。好きにしろ」
悔しがるヨシマサの足元で、叩き伏せられたマリカとミドリは。
「兄と弟ってのも、いいポジションだとは思うけどね。その地位に甘んじていてはダメよ」
「いつまでも「兄様」と呼んでいてはいけないってことですか」
「や、そういうことではないの。弟のように可愛がられてる、兄のように慕ってる、そこは崩さなくていいの。呼称も、今はまだそれでいいわ。それはそれとして、行動面でね」
「難しそうですね」
「そう。BLの道は奥深いものなのよ。そう心得て、今後の精進を」
「せんでいいと言っとるんだああぁぁっっっっ!」
ヨシマサの、嵐のような連撃が二人を打ち据える。
ミドリはどれほど打たれても怯むことなく、マリカから教えを受けようとしている。BLの。
マリカはいつもの「にかっ」な目のまま、心底楽しそうに打たれている。BL話をしながら。
『……ふむ……』
レティアナはヨシマサたちのやり取りをメモして、BL小説のネタにしようとしている。
今、そのメモの登場人物の中には、マリカも含まれている。
『ことによっては、BLではない作品に挑戦してみるのもいいかもね……ま、とにかく。これからはいいネタのおかげで、いい作品が描けそうだわ』
魔王が召喚され、更にその魔王を糧として、魔王よりも強く恐ろしい、大魔王ともいうべきものが誕生した。だがその大魔王は、若き英雄たちにより、死闘の末に討ち倒された。
その現場で、当の英雄たちは、
「いきなりアレやソレに踏み込むのは無理としても、いつかは、ね」
「い、いつかは、ですよね」
「あんまり過激な描写は、読者を選ぶのよねえ」
「だから俺をBLのネタにして盛り上がるなああああああああぁぁぁぁっっ!」
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