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第六章 邪神の奇跡、二人の奇跡
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しおりを挟む 指導が終わり、帰りに冒険者ギルドに立ち寄る。
旅費を稼ぐ必要もあったので、指導ついでに討伐依頼も一緒に熟していた。
素材換金したお金と依頼の報酬金を、ラピスと凛で折半する。
「パーティ組んでた頃は、こんなに稼げたことありませんでした」
分け前の金額を確認して、ラピスは喜ぶ。
「それが本当の実力だったのよ。これから、もっと稼げるようになるわよ」
二人で話していると、すれ違ったアランが舌打ちをして通り過ぎる。
「あら、自慢になっちゃったかしら」
ラピスの元パーティメンバーであるアラン達は、先日の件を逆恨みしているようで、ギルドなどで遭遇した時には、睨みつけて来たりしていた。
「けど、ラピスちゃん的には、見返せた感じになったかもね。ラピスちゃんもやれるってことを、もっと見せつけてやりましょ」
「が、頑張りますっ」
ギルドを出た二人は、宿屋へと向かう。
住居はシェルターミラー内であったが、他の子をずっと中に閉じ込めておく訳にもいかないので、取った宿を集合場所として、日中は自由行動としていた。
「……なんだけど、地域によって報酬の相場も違うから、稼ぐ場所も考えないとね」
喋りながら路地を歩いていると、前方の物陰からアランが姿を見せる。
「随分と稼げたみたいだな。丁度いいから、この前の慰謝料を頂こうか」
物陰から他のメンバーも現れ、二人を取り囲む。
「え、何? かつあげ?」
「大人しく出さないと、痛い目合うぞ」
アラン達は武器に手をかけ、二人を脅す。
「アランさん、貴方、実力差が分かってないんですか?」
ラピスが少し驚いて言う。
僅かではあるが、実際に凛と一戦を交えたにも拘わらず、アランはその実力の差に気付いていなかった。
「あ? お前はお前で無断で抜けやがって。お前がいきなり抜けたせいで、荷物持ちが足りねーんだよ。どうしてくれるんだ」
「それは騙していた貴方達が悪いんじゃないですかっ」
「抜けた途端偉そうに。もう土下座して謝っても、許してやらねーからな」
「謝罪すべきなのは貴方です。少しは自分の行いを見つめ直してください」
ラピスが一歩も引かずに言い返すと、アランは蟀谷に青筋を立てる。
「この、劣化魔女が。マジで痛い目に遭わせてやる」
激高したアランは剣を引き抜いた。
他のメンバーも武器を出し、臨戦態勢となると、凛は庇うようにラピスの前に出る。
「私がやるわ。ちょっとお仕置きしてあげる」
「女がっ。なめんじゃねー!」
アランは剣を振り上げ、凛へと斬りかかった。
凛は特に動きを見せずに、アランの攻撃を待ち受け、その無防備な身体に剣が振り下ろされる。
だが、剣は凛の身体には届かず、砂の鎧に止められた。
「は? な、何だ?」
目に見えないものに阻まれ、アランは動揺する。
その隙を突き、凛は無防備となった腹を蹴り飛ばした。
「ぐあっ」
鳩尾に蹴りを思いっきり受けたアランは、腹を抑えて痛みに倒れる。
すると、すぐさま他のメンバーの一人が魔法を唱えて、凛へと火炎放射を行った。
凛は地面から盾を生成して、その炎を防ぐ。
火炎放射は勢いを強めて続けられるが、凛は防いでいた盾をそのまま術者へと飛ばした。
「え!?」
突っ込んでくる盾に、術者は何もできず、直撃を受け、その場に倒れた。
続けて凛は、地面に落ちていた小石をいくつか浮かせ、仕掛ける隙も与えず、残ったメンバーへと飛ばす。
投石はメンバーの額へと当たり、全員が地面へと倒れた。
あっという間に、アランのパーティは全滅した。
「うん、楽勝。全然弱いじゃないの」
「アランさん達、若手の中では実力のある方なんですけどね……」
若手の実力者といっても、所詮は地方の一冒険者。
神獣や闇組織の構成員相手に戦ってきた凛の敵ではなかった。
「興が削がれたから、ちょっと遊んで帰りましょうか」
絡まれて気分を害した為、凛達は気分転換に、少し町で遊んでから帰ることにした。
旅費を稼ぐ必要もあったので、指導ついでに討伐依頼も一緒に熟していた。
素材換金したお金と依頼の報酬金を、ラピスと凛で折半する。
「パーティ組んでた頃は、こんなに稼げたことありませんでした」
分け前の金額を確認して、ラピスは喜ぶ。
「それが本当の実力だったのよ。これから、もっと稼げるようになるわよ」
二人で話していると、すれ違ったアランが舌打ちをして通り過ぎる。
「あら、自慢になっちゃったかしら」
ラピスの元パーティメンバーであるアラン達は、先日の件を逆恨みしているようで、ギルドなどで遭遇した時には、睨みつけて来たりしていた。
「けど、ラピスちゃん的には、見返せた感じになったかもね。ラピスちゃんもやれるってことを、もっと見せつけてやりましょ」
「が、頑張りますっ」
ギルドを出た二人は、宿屋へと向かう。
住居はシェルターミラー内であったが、他の子をずっと中に閉じ込めておく訳にもいかないので、取った宿を集合場所として、日中は自由行動としていた。
「……なんだけど、地域によって報酬の相場も違うから、稼ぐ場所も考えないとね」
喋りながら路地を歩いていると、前方の物陰からアランが姿を見せる。
「随分と稼げたみたいだな。丁度いいから、この前の慰謝料を頂こうか」
物陰から他のメンバーも現れ、二人を取り囲む。
「え、何? かつあげ?」
「大人しく出さないと、痛い目合うぞ」
アラン達は武器に手をかけ、二人を脅す。
「アランさん、貴方、実力差が分かってないんですか?」
ラピスが少し驚いて言う。
僅かではあるが、実際に凛と一戦を交えたにも拘わらず、アランはその実力の差に気付いていなかった。
「あ? お前はお前で無断で抜けやがって。お前がいきなり抜けたせいで、荷物持ちが足りねーんだよ。どうしてくれるんだ」
「それは騙していた貴方達が悪いんじゃないですかっ」
「抜けた途端偉そうに。もう土下座して謝っても、許してやらねーからな」
「謝罪すべきなのは貴方です。少しは自分の行いを見つめ直してください」
ラピスが一歩も引かずに言い返すと、アランは蟀谷に青筋を立てる。
「この、劣化魔女が。マジで痛い目に遭わせてやる」
激高したアランは剣を引き抜いた。
他のメンバーも武器を出し、臨戦態勢となると、凛は庇うようにラピスの前に出る。
「私がやるわ。ちょっとお仕置きしてあげる」
「女がっ。なめんじゃねー!」
アランは剣を振り上げ、凛へと斬りかかった。
凛は特に動きを見せずに、アランの攻撃を待ち受け、その無防備な身体に剣が振り下ろされる。
だが、剣は凛の身体には届かず、砂の鎧に止められた。
「は? な、何だ?」
目に見えないものに阻まれ、アランは動揺する。
その隙を突き、凛は無防備となった腹を蹴り飛ばした。
「ぐあっ」
鳩尾に蹴りを思いっきり受けたアランは、腹を抑えて痛みに倒れる。
すると、すぐさま他のメンバーの一人が魔法を唱えて、凛へと火炎放射を行った。
凛は地面から盾を生成して、その炎を防ぐ。
火炎放射は勢いを強めて続けられるが、凛は防いでいた盾をそのまま術者へと飛ばした。
「え!?」
突っ込んでくる盾に、術者は何もできず、直撃を受け、その場に倒れた。
続けて凛は、地面に落ちていた小石をいくつか浮かせ、仕掛ける隙も与えず、残ったメンバーへと飛ばす。
投石はメンバーの額へと当たり、全員が地面へと倒れた。
あっという間に、アランのパーティは全滅した。
「うん、楽勝。全然弱いじゃないの」
「アランさん達、若手の中では実力のある方なんですけどね……」
若手の実力者といっても、所詮は地方の一冒険者。
神獣や闇組織の構成員相手に戦ってきた凛の敵ではなかった。
「興が削がれたから、ちょっと遊んで帰りましょうか」
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