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耳は赤く染まった

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学校が終わると、校門前に止まっている一台の黒塗りの高級車。
「すっげぇ、車」
「きゃー!!中の人みた!?超イケメーン!」
「うっわ!超絶美少女が!!」 
皆がワーワー騒いでいるのをただボーっと眺めていると、車の後部座席の扉が開き、
「何をしてる、真優華」
少々不機嫌そうな颯汰さんが車から降りてきた。
「「「ギャァァァァァ」」」
という悲鳴にもにた声がここら一体に広がる。
もちろん、その声の主は女子生徒だ。
これ以上騒ぎが大きくなる前に、と颯汰さんに近付いた。
「遅い」
「すみません」
遅い、と言ったときの声が想像以上に低くて、ビクッと肩が震えた。
体を小さくして謝る私を不機嫌そうな顔で見下ろす、颯汰さん。
「乗れ」
という颯汰さんの命令に素直に従い、車内へ入った。

家につき、車を出る前に颯汰さんにこう言われた。
「荷物をおいたら、すぐに俺の部屋に来い」
あのとき、顔が怖かったから、夢中でうなずいたけど、やっぱり断れば良かった。
後悔したところでもう遅い。
仕方なく、颯汰さんの部屋へ。
コンコン
ノックをすると、ガチャと中から颯汰さんが出てきた。
さっきと違うのは不機嫌でないということだ。
へ?
「入れ」
と言われて中へ入る。
パタリ
扉は閉ざされ、
ガチャリ
おまけにカギまでされた。
「あの、颯汰さん?」
困惑の表情を浮かべる私に颯汰さんは大きい袋を渡してきた。
えっ?
「ぬいぐるみ、買ってきたぞ」
え?ほんと?
大きい袋をあけると、そこにはクマのぬいぐるみが入っていた。
白いクマのほっぺのピンクが可愛い。
颯汰さんへの恐怖なんて忘れて、そのクマを抱き締めた。
ギュゥゥゥゥゥ
モフモフで柔らかくて・・・私の求めていたぬいぐるみ象そのものだ。
「ありがとうございます!颯汰さん!」
彼に笑いかけると颯汰さんの耳は赤く染まった。
えっ?
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