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ワガママでごめん
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「フッハッハ!何言ってんだよ、貴宮。こっちはずっと西園寺の動きを監視してたんでぞ?株の動きも正常だったし、大きな事業をする予兆も何もなかった。それじゃあ、井野に対抗出来ないんじゃないのか?」
余裕たっぷりの笑みを浮かべ、貴宮を見下すように鼻で笑った。
「それはどうだろうな。じゃあ、試しに本田議員って検索してみろよ」
???
本田?本田議員ってあの衆議院の?
彰は嫌な予感がしたのか、急いでスマホでそれを検索した。
「嘘だろ・・・?本田議員と西園寺が手を組んだなんて・・・・」
彰は余程信じられない出来事だったのか、何度も何度も同じところを繰り返し読み返していた。
「歌弥・・・・・」
貴宮は私に近づき、頬に手を添えてきた。
「っ!」
「歌弥、今はまだ俺を好きじゃなくて良いから、嫌いでもいいから、俺のところへ来てくれないか?俺、子供のくせに独占欲強いし、束縛するかもしれないけど、歌弥のことを好きなのは本当だから。だから、せめて歌弥が本気で好きな人が出来るまでは俺の側にいてくれないか?」
トクン
こんなにも弱ってしまった貴宮の願いを私はダメだと言えなかった。
ゆっくりと頬から、手を滑らせ、腕を掴んだ。
トクン
そして、貴宮は私の肩に額を預けた。
「ワガママでごめん」
弱々しく吐き捨てるように貴宮はその言葉を口にした。
私はほぼ無意識に彼の頭を優しく撫でていた。
「うん。わかった」
余裕たっぷりの笑みを浮かべ、貴宮を見下すように鼻で笑った。
「それはどうだろうな。じゃあ、試しに本田議員って検索してみろよ」
???
本田?本田議員ってあの衆議院の?
彰は嫌な予感がしたのか、急いでスマホでそれを検索した。
「嘘だろ・・・?本田議員と西園寺が手を組んだなんて・・・・」
彰は余程信じられない出来事だったのか、何度も何度も同じところを繰り返し読み返していた。
「歌弥・・・・・」
貴宮は私に近づき、頬に手を添えてきた。
「っ!」
「歌弥、今はまだ俺を好きじゃなくて良いから、嫌いでもいいから、俺のところへ来てくれないか?俺、子供のくせに独占欲強いし、束縛するかもしれないけど、歌弥のことを好きなのは本当だから。だから、せめて歌弥が本気で好きな人が出来るまでは俺の側にいてくれないか?」
トクン
こんなにも弱ってしまった貴宮の願いを私はダメだと言えなかった。
ゆっくりと頬から、手を滑らせ、腕を掴んだ。
トクン
そして、貴宮は私の肩に額を預けた。
「ワガママでごめん」
弱々しく吐き捨てるように貴宮はその言葉を口にした。
私はほぼ無意識に彼の頭を優しく撫でていた。
「うん。わかった」
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