君色 My Dream

ヒマリ

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モヤモヤ解決

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<翌週の日曜日>
頭が痛い、ボーッとする。
ピピピピッピピピピッピピピピッ
体温計で熱を測ると、38度6分という高熱をだしていた。
おかげでせっかくの休日が丸つぶれだ。
両親ともに仕事でフランスに行っているため、家では私しかいない。
風邪薬でも飲んでゆっくり寝るとするか・・・・・。
フラフラする体で下まで行き、風邪薬を飲んだ。
また上まで上るのか・・・・・。
辛い。
病人の私にはとてつもない重労働。
だからといって、助けてくれる誰かがいるわけでもないので、フラつく体で上へ上がった。
部屋に到着すると、体を投げるようにベッドへ飛び込んだ。
あぁ、もうダメ・・・・・!
意識が朦朧として、目の前が霞んで見える。
重いまぶたが容赦なく下がってくる。
眠気に負け、意識を手放した。
スースー

<夢の中にて>
こ、ここは?
そこには暗くて霧が濃い森がたたずんでいた。
ひぇ~!
見るからに入ってはいけない(ように見える)森に自然と足が動き、森の方へと歩みを進める。
嫌だ!行きたくないのに!
そう思う気持ちとは裏腹に足は森の奥深くへとどんどん進んでいく。 
やはり、その森は薄気味悪くとても居心地の良いものではなかった。
[ねぇ!本当は自分が拓哉のこと、どう思ってるか知りたくない?]
へ?誰の声!?
すると、目の前に私そっくりの女の子が立っていた。
「あなたは一体・・・・・!?」
[え?私?私はあなたの一部。あなたの精神]
私の一部?精神?
どういうことなの!?
[ま、その話は良いのよ。問題なのは拓哉へのあなたの気持ち・・・・・いや、モヤモヤって言った方が分かりやすいかな?それを今ここでハッキリさせよう]
モヤモヤがなんなのか分かるの?
「ちょっと、あなたはモヤモヤの答え知ってるの?知ってるなら、教えて!」
[知ってるよ。でも、自分自身で答えを導き出さないと意味がない。ここは記憶の森。あなたと拓哉の思い出がたーくさん詰まってる。あなたはただ見ていれば良い、拓哉との記憶を。そうすれば、きっと分かる]
は?なにそれ!?
記憶辿っててこのモヤモヤが晴れるなら、最初から私は困ってない!
[さあ、これが出会いの記憶]
出会いの!?
頭に直接流れ込んでくる記憶。
「わかんないよ!」
[そう。なら、彼からの告白とネックレスの記憶]
あ、指輪ネックレス!
それに拓哉の脅迫。
あれは相当効いたな・・・・・。
「でも、やっぱり分かんないよ」
[はぁ。ここまできて、分からないなんて大馬鹿者ね。まあ、良いわ。最後に映画館での記憶]
流れ込んでくる記憶・・・・・・あ!これは!?
わ、私、まさか・・・・・・・!?
[フフッ。やっと、分かったようね]
うん。私は拓哉のことが・・・・・・。
「・・・・・なんだ」 
ポツリと独り言のように呟いた言葉は頭の中で何度も何度もリピートされる。
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