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過去の住人
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広樹さんは空気が読めているのか、それともあえて読んでいないのかは定かではないが、私はそんな広樹さんに感謝した。
あのまま時間が流れれば、私はきっと可笑しくなってた思うし。
それにそんな醜い姿を怜に見られたくない。
「・・・・・・そうだな、広樹の言う通り、今の質問は意地が悪かった。ごめんな」
なんて返したら、良いのか分からず黙ってしまう。
・・・気持ち悪いな。
ヴァンパイアが二人も至近距離に居るため、あの記憶がチラついて大変気持ち悪い。
ごく自然に片手を口を覆うようにあててしまった。
「ん~?やっぱり、ヴァンパイアといるのは雪音チャンの体自体がもう受け入れないのかな~?」
「っ!」
図星をつかれ、言葉に詰まってしまう。
だめ、何か言わなきゃ。
じゃないと、これYESって言っているようなものじゃない!
何か、何か、何か・・・・・!
だが、もう時すでに遅し!と言うべきか、怜は口元が歪んでるし、広樹さんは艶やかに口角をあげていた。
「・・・・・ねぇー、雪音チャンの過去に何があるかは俺は知らないし、知ろうとも思わないけど、ここで俺のアドバイス~!過去に囚われたままじゃ、本当の意味で未来は切り開けないよ」
なっ、何を勝手に言ってるの!?
あなたには私の苦しみは分からない!
キッと睨み付けるように彼を見据えた。
「ま~、かくいう俺がそうだったからね~。経験者のアドバイスだから、そこんとこよろしくー!」
あ・・・・一瞬だけ見せた彼の顔の・・・ 心の歪み。
自分を嘲笑うような自虐的な笑みをほんの一瞬だけ彼は見せた。
おそらく、彼もまだ過去に囚われたままなのだろう。
きっと、一人では脱け出すことが出来ないのだ。
私と同じ。
過去に囚われ、未来を失望し、今を生きない過去の住人。
あのまま時間が流れれば、私はきっと可笑しくなってた思うし。
それにそんな醜い姿を怜に見られたくない。
「・・・・・・そうだな、広樹の言う通り、今の質問は意地が悪かった。ごめんな」
なんて返したら、良いのか分からず黙ってしまう。
・・・気持ち悪いな。
ヴァンパイアが二人も至近距離に居るため、あの記憶がチラついて大変気持ち悪い。
ごく自然に片手を口を覆うようにあててしまった。
「ん~?やっぱり、ヴァンパイアといるのは雪音チャンの体自体がもう受け入れないのかな~?」
「っ!」
図星をつかれ、言葉に詰まってしまう。
だめ、何か言わなきゃ。
じゃないと、これYESって言っているようなものじゃない!
何か、何か、何か・・・・・!
だが、もう時すでに遅し!と言うべきか、怜は口元が歪んでるし、広樹さんは艶やかに口角をあげていた。
「・・・・・ねぇー、雪音チャンの過去に何があるかは俺は知らないし、知ろうとも思わないけど、ここで俺のアドバイス~!過去に囚われたままじゃ、本当の意味で未来は切り開けないよ」
なっ、何を勝手に言ってるの!?
あなたには私の苦しみは分からない!
キッと睨み付けるように彼を見据えた。
「ま~、かくいう俺がそうだったからね~。経験者のアドバイスだから、そこんとこよろしくー!」
あ・・・・一瞬だけ見せた彼の顔の・・・ 心の歪み。
自分を嘲笑うような自虐的な笑みをほんの一瞬だけ彼は見せた。
おそらく、彼もまだ過去に囚われたままなのだろう。
きっと、一人では脱け出すことが出来ないのだ。
私と同じ。
過去に囚われ、未来を失望し、今を生きない過去の住人。
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