絶対に好きって言わせてやる!

ヒマリ

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諦める!?

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<翌週の月曜日>
あれから、瑞季とは連絡をとっていない。
うるさいくらいのメールや電話がなくなった・・・・・音沙汰なしだ。
不安に思う反面、ホッとしている自分がいた。
なんで、私、こんなに安堵して・・・・・。
理由なんて分かりきってる。
瑞季が私を諦めてくれる、その可能性が高まったことに喜びを感じている。
瑞季の不幸を願っているみたいで良心が傷つくけど、それは致し方ない。
「おはよー。って、なんか嬉しそうだね?」
「おはよ、亜美。うん、嬉しいかな」
亜美は鞄を机上に置きながら、輝かせている目をこちらに向けた。
「何々?何があったの~?」
興味津々の彼女に顔がひきつる。
「いやぁ、実は・・・・・」
ボソボソと小声で呟くように言った言葉に彼女は目を見張った!
「は?それ本当に!?」
「うん。多分、これでもう諦めてくれると思う」
「えー!残念だなー!」
「え?なんで!?」
「だって、瑞季とトモって美男美女って感じでお似合いだもん。一回、試しに付き合ってみたら良いのにー」
そんな残酷なことできないよ。
「淡い期待を抱かせるほど、残酷なことはないよ」
彼女の表情はみるみる青ざめていった。
「確かに。変に期待させといて、やっぱり、好きじゃないから、って別れるのは酷いよね?」
うん。
だから、私は瑞季が早く私のことを恋愛対象から外してくれるのを願ってる。
その選択は私も瑞季も楽になれるから。

<放課後>
いつものように友人と他愛のない話をしてから、帰路についた。
家が見えてきたところで足が止まる。
な、んで?
何で瑞季が・・・・・・・・!?
あ!そうか・・・もう好きじゃないって伝えに来てくれたんだ!
そんなわざわざ良いのにー!
そんなことを考えながら、瑞季に歩み寄った。
「瑞季、諦めてくれるんでしょ?」
「・・・・・・・」
返事がない。
無言+無表情。
これは重症か?
「あぁー!もぅー!」
彼はその場にしゃがみこんだ。
???
一体全体どうしたというのだ?
「やっぱ、無理」
ボソリと呟いた言葉に疑問を抱く。
『やっぱ、無理』って何が無理なの!?
「俺さ、トモとあの後別れてから、最初何を思った思う?」
さあ?
すると、彼が私の頬に片手を添えた。
ドキッ
「トモに触りたい、だよ」
えっ!?
後悔とかじゃなくて!?
「自分でも心底驚いた。でも、トモに触りたいと思う衝動が大きくて・・・・・・、でもさ、あんなことした手前、トモのとこ行きずらくて。今日は諦めようとしたけど、体が勝手に動いてて。気づいたら、ここにいて、お前を待ってた」
赤く染まる彼の頬につられるように私も次第に赤面する。
てか、触りたいとか変態発言じゃん!
「だから、俺もう迷わないし、お前のこと諦めないからな。どんな手を使ってでも手に入れて、一生離さない。ついでに毎日、好きって言わせてやる!」
また好きかい!
何故、彼がここまで“好き”という単語にこだわるのかは知らないが、多分私は瑞季にその言葉を恋愛的な意味で向けることは一生ないだろう。
何故なら、私の中の君は友達であって、彼氏じゃないから。
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