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傍観者1
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私は東雲 愛(しののめ あい)。
このいじめ学校と呼ばれる学校に入学してきた生徒のうちの一人。
別に私は薔薇色の人生なんていらない。
平凡でいい。
でも、お母さんがどうしてもって泣きつくから、仕方なくここに入学した。
いじめ学校と呼ばれるくらいだから、相当いじめが酷いものなのだろう。
手をギュッと握りしめた。
乗り切ろう!三年間!
頑張れ、私!
自分を励まし、心を強く持って校門をくぐり抜けた。
入学式が終わり、皆各教室へ入っていく。
私のクラスは1の2。
皆まだ緊張しているみたいで固く口を閉ざしていた。
間もなくして、担任の日野先生が教室に入ってきた。
優しい面持ちの日野先生。
この人のクラスなら、いじめの心配はなさそうかな・・・・・。
日野先生の話を軽く聴いて、今日は解散となった。
さて、帰ろうかな~。
「ねぇねぇ」
隣の席の女の子が話しかけてきた。
「は、はい」
「あなた、東雲愛さんだよね?」
「はい」
「私、近藤 千春(こんどう ちはる)!ハルって呼んで!私も愛って呼ぶから!」
カールがかった長い髪に、可愛らしい顔。
そして、鼻をくすぐるこの花の良い香り。
微笑むハルにつられて、こちらも自然と頬がほころぶ。
「うん。よろしくね、ハル」
私たちはすぐに意気投合し、話が弾んだ。
こちらの笑い声に釣らるように周りの人が、私も混ぜて、と会話に入ってくる。
気づいたときには私とハルの周りにはたくさんの人で溢れていた。
「アハハ!でさ~」
「こらっ!お前たち、今何時だと思ってんだ?」
あっ!日野先生。
教室の時計を見ると、もうとっくに6時を回っていた。
えぇ!?もうこんな時間!?
「本来なら、罰を与えるところだが、入学式だったし、細かい校則の説明もしていなかったから、今回は特別におとがめなしだ!」
「え?マジで!?やったじゃん!」
「ぃえーい!日野っち、太っ腹~!」
ひ、日野っち、って一応先生だよ?
「全く、あまり調子乗るなよ。ほら、早く帰れお前ら」
ハーイ、と元気に返事をして、皆それぞれ帰路についた。
今日はとっても楽しかったな~♪
いじめ学校なんてウソウソ!
だって、皆仲良しだし、先生だって優しいし!
ルンルンでその日を過ごした。
でも、私はまだ知らなかった・・・・絶望の日々がもうすぐそばまで迫ってきていることを・・・・・。
このいじめ学校と呼ばれる学校に入学してきた生徒のうちの一人。
別に私は薔薇色の人生なんていらない。
平凡でいい。
でも、お母さんがどうしてもって泣きつくから、仕方なくここに入学した。
いじめ学校と呼ばれるくらいだから、相当いじめが酷いものなのだろう。
手をギュッと握りしめた。
乗り切ろう!三年間!
頑張れ、私!
自分を励まし、心を強く持って校門をくぐり抜けた。
入学式が終わり、皆各教室へ入っていく。
私のクラスは1の2。
皆まだ緊張しているみたいで固く口を閉ざしていた。
間もなくして、担任の日野先生が教室に入ってきた。
優しい面持ちの日野先生。
この人のクラスなら、いじめの心配はなさそうかな・・・・・。
日野先生の話を軽く聴いて、今日は解散となった。
さて、帰ろうかな~。
「ねぇねぇ」
隣の席の女の子が話しかけてきた。
「は、はい」
「あなた、東雲愛さんだよね?」
「はい」
「私、近藤 千春(こんどう ちはる)!ハルって呼んで!私も愛って呼ぶから!」
カールがかった長い髪に、可愛らしい顔。
そして、鼻をくすぐるこの花の良い香り。
微笑むハルにつられて、こちらも自然と頬がほころぶ。
「うん。よろしくね、ハル」
私たちはすぐに意気投合し、話が弾んだ。
こちらの笑い声に釣らるように周りの人が、私も混ぜて、と会話に入ってくる。
気づいたときには私とハルの周りにはたくさんの人で溢れていた。
「アハハ!でさ~」
「こらっ!お前たち、今何時だと思ってんだ?」
あっ!日野先生。
教室の時計を見ると、もうとっくに6時を回っていた。
えぇ!?もうこんな時間!?
「本来なら、罰を与えるところだが、入学式だったし、細かい校則の説明もしていなかったから、今回は特別におとがめなしだ!」
「え?マジで!?やったじゃん!」
「ぃえーい!日野っち、太っ腹~!」
ひ、日野っち、って一応先生だよ?
「全く、あまり調子乗るなよ。ほら、早く帰れお前ら」
ハーイ、と元気に返事をして、皆それぞれ帰路についた。
今日はとっても楽しかったな~♪
いじめ学校なんてウソウソ!
だって、皆仲良しだし、先生だって優しいし!
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