帝くんは満ちゃんを溺愛中

ヒマリ

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こういうのもアリでしょう

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翌日の朝。
私たちは珍しく誰よりも早く学校に登校していた。
理由は簡単だ。
こいつが・・・・帝が『誰よりも早く学校に登校したい!』と早朝五時にいきなりモーニングコールしてきたから。
帝がどうしてもというから、渋々承諾。
決して、美味しい甘味のお店に連れてってあげるから~、と言われたからではない!断じて!
まあ、そんなわけで学校に来たはいいが、することがない。
もう寝ていいんじゃね?これ・・・・、と思えるほどやることがない!
私が今まさに自分の欲求に負けそうになった時だった。
帝の邪魔が入ったのは。
「ねぇねぇ!お話しよーよ~!みーちーるーちゃん!」
随分と可愛らしいお声で。
ということで、
「私は寝る!」
「えぇぇぇ!?絶対ダメ~!僕は満ちゃんと言葉のキャッチボールがしたいんだよー!」
ふん!何が言葉のキャッチボールだ!
そんな下らないことしてる暇があったら、私は寝たい!
私が机に突っ伏そうとするのをこれでもかと邪魔してくる帝。
「あぁ!もう!分かったよ!お話すればいいんでしょ!?」
「うん!」
帝がパァッと笑顔になる。
ま、でも、
「ただし、言葉のキャッチボールじゃなくて言葉のドッチボール、ね?」
「え?」
帝の顔に焦りが走った。
「まさか・・・・?」
そう!そのまさか!
「帝ってさ、中身の能力はずば抜けて良いのに外見平凡だよね~。それから、女子みたいに恋愛映画大好きだしー。そーれーかーらー」
多分、今の私の顔はめっちゃ生き生きしてると思う。
帝の笑顔はみるみる内にショボンとしたものに変化した。
???
いつもなら、わりと笑顔で聞き流すのに。
「・・・・・・僕、今日はこの前読んだ小説みたいに満ちゃんと朝の二人以外誰もいない教室でただお話ししたかっただけなのに・・・」
うっ!
その顔は弱いのよ!私!
だんだん罪悪感に私の頭は支配される。
「~~~~!もう、分かったよ!普通にお話するから!もうそんな顔しないで!」
こう言葉をかけると帝はさっきのショボンとした顔が嘘みたいに笑顔になった。
「じゃあさ、じゃあさ!緑川高校に伝わる七不思議の話しよー!」
「はいはい」
ノリノリで話し出した帝。
まあ、たまにはこういうのもアリでしょう。
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