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第三章 新生活始めました
将吾の幸せは俺の幸せ
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将吾の口から幸せなんて言葉が出てくるなんてちょっとビックリしたと同時に、それが凄く嬉しくて俺まで目頭が熱くなってきた。
「おぅ、そっか…そっか!ならよかった」
「俺さ、友達なんか居ないって思ってたけど、みんな俺の事友達だって、お前面白いよなって言ってくれて…隼人も俺の事、大事な幼なじみだって言ってくれて嬉しかったんだ…」
「会えてよかったな」
「うん」
もしかしたら、隼人や同級生に会って将吾の中で何か変化があったのかもしれないと思うと、俺が心配してたようなことは本当になかったのかは分からないけど、行ってよかったんだなと思えた。
可愛い可愛い将吾を自分の手の中にだけおさめておきたいけど、それじゃダメかもしんないな…なんて、過保護な親みたいになってる?俺…
「りつ…ありがとう」
「え?」
「りつはずっと俺の事忘れないでいてくれたし、今もいっぱい愛してくれる…こういうの幸せって言うんだろ?」
「将吾っ…」
ずっと俺なんか将吾に悪影響でしかないって思ってたから…
将吾と離れた時も心と付き合うって言われた時も、将吾が幸せになれるならって身を引いてみたりもしたけど、俺と一緒にいて幸せだって思ってくれてるなんて嬉しすぎて泣けてくる。
俺だって幸せなのに、もしかしたら隼人に取られるかもって、今だって全然自信無いのに…
「俺、りつのそばにいれて今、幸せだよ…」
「ほんと…?」
「なんで嘘言うんだよ」
「いや、俺なんかでいいのかなって…」
「今更過ぎない?」
「だって…隼人も良いやつだし、心だってカッコイイし。俺…ちょっと自信無くしてた」
「らしくねぇな…」
そう言って優しく微笑みながら、俺の頬を包み込む将吾の両手がいつもより暖かく感じる。
そのまま引き寄せられ抱きしめられ、宥めるられるように背中をポンポンされれば、なんだか俺のが子供みたいで恥ずかしいような嬉しいような、複雑な心境だけどたまには甘えるのも悪くは無い。
「俺の事…これからもずっと好きでいてよ。俺が好きなのはお前だけだから…」
「将吾ぉ…」
「ん?」
「俺も…すっごい幸せ…」
「ほんと…?」
「なんで嘘言うんだよ」
「ふはっ、そうでした」
二人で笑い合うと将吾がいい加減重たいって言うから、横に仰向けで寝転がりふぅ…っと息を吐き、天井を見上げながら幸せをかみ締める。
「や、でもほんっと…幸せすぎて怖いわ。もうどこにも行くなよ?」
「お前もな?」
「当たり前だろ?」
俺はさ?言ってもあの最初の1回切りよ?
それも別に好きな人が出来たとかそんなんじゃなかったし…
けど将吾はすぐ絆されちゃうからさ、信用して無いわけじゃないけど、またふらっと誰かになびいて居なくなったりしないか心配なんだよ。
なのに、ちらっと横を見ると唇をとがらせ、伏し目がちな将吾の表情は何か言いたげで、仕方なく話を振ってやった。
「なんだよ…なんか不満か?」
「俺未だにあの頃の夢見んの…」
「あの頃の?」
「うん、保健室に行くんだけどさ…?居ないんだよ…お前が…」
将吾がずっとあの頃のことを引きずっているのは分かってはいたけど、夢に見るとまで言われてしまうと当時の俺の不甲斐なさがズッシリと重くのしかかり、後悔ばかりが頭の中を埋め尽くす。
あのたったの1回が、未だに将吾にとって大きな傷になってるのなら、俺は今更どう償えばいいのか…
こうやってただ一緒にいる、それだけじゃ埋められないのかな。
「一生懸命呼ぶんだけど、誰もいねぇの…俺一人残されてさ。そのうち実家に帰るんだけどいつも通り誰もいなくて、昔のお前ん家にも行くんだけどやっぱ居ない。んでここに来たらいるんじゃないかって…でも居ねぇの。やっぱ俺は独りなんだって、怖くなって目が覚めてさ…そしたら隣でお前がイビキかいて寝てて。あぁ…良かったぁって…」
「それなら俺もある。お前が何日も帰ってこねぇんだよ…そんで前のアパートとか行くんだけどいないの。で、目が覚めると隣ですやすや眠ってて安心すんの…」
こんなに好きなのに…
いや、好きすぎるからかな?
離れてしまわないかずっと一緒にいられるのか、不安で仕方ないんだ。
「…もう、そんな事しねぇから…っ」
「ふふっ、マジで頼むわ。お前いなくなったら俺死んじゃう」
「大袈裟だな」
「結構マジだよ…」
「勝手に死ぬなよ」
「じゃあずっとそばにいてよ…」
「言われなくてもいてやるよ」
いてやるなんて強気に発言した人とは思えないくらい、俺にしがみつき甘える将吾は多分俺の事相当好きなのに、それ以上にヤバいぐらい溺れてるのは俺の方。
このままくっついて一つになっちゃえばいいのに…
「眠い?」
「んぅ…朝早かったから眠い…」
「そうだよな…俺も眠みぃ…」
「…寝る?」
「うん…寝よっか」
「りつ…?」
「ん?」
「目が覚めた時も俺の隣にいろよ」
「うん…いる」
改めてギューッと将吾を抱きしめ繰り返し頭を撫でてると、静かな寝息が聞こえてくる…
暖かい将吾の体温を感じながら、俺も再び眠りについた。
「おぅ、そっか…そっか!ならよかった」
「俺さ、友達なんか居ないって思ってたけど、みんな俺の事友達だって、お前面白いよなって言ってくれて…隼人も俺の事、大事な幼なじみだって言ってくれて嬉しかったんだ…」
「会えてよかったな」
「うん」
もしかしたら、隼人や同級生に会って将吾の中で何か変化があったのかもしれないと思うと、俺が心配してたようなことは本当になかったのかは分からないけど、行ってよかったんだなと思えた。
可愛い可愛い将吾を自分の手の中にだけおさめておきたいけど、それじゃダメかもしんないな…なんて、過保護な親みたいになってる?俺…
「りつ…ありがとう」
「え?」
「りつはずっと俺の事忘れないでいてくれたし、今もいっぱい愛してくれる…こういうの幸せって言うんだろ?」
「将吾っ…」
ずっと俺なんか将吾に悪影響でしかないって思ってたから…
将吾と離れた時も心と付き合うって言われた時も、将吾が幸せになれるならって身を引いてみたりもしたけど、俺と一緒にいて幸せだって思ってくれてるなんて嬉しすぎて泣けてくる。
俺だって幸せなのに、もしかしたら隼人に取られるかもって、今だって全然自信無いのに…
「俺、りつのそばにいれて今、幸せだよ…」
「ほんと…?」
「なんで嘘言うんだよ」
「いや、俺なんかでいいのかなって…」
「今更過ぎない?」
「だって…隼人も良いやつだし、心だってカッコイイし。俺…ちょっと自信無くしてた」
「らしくねぇな…」
そう言って優しく微笑みながら、俺の頬を包み込む将吾の両手がいつもより暖かく感じる。
そのまま引き寄せられ抱きしめられ、宥めるられるように背中をポンポンされれば、なんだか俺のが子供みたいで恥ずかしいような嬉しいような、複雑な心境だけどたまには甘えるのも悪くは無い。
「俺の事…これからもずっと好きでいてよ。俺が好きなのはお前だけだから…」
「将吾ぉ…」
「ん?」
「俺も…すっごい幸せ…」
「ほんと…?」
「なんで嘘言うんだよ」
「ふはっ、そうでした」
二人で笑い合うと将吾がいい加減重たいって言うから、横に仰向けで寝転がりふぅ…っと息を吐き、天井を見上げながら幸せをかみ締める。
「や、でもほんっと…幸せすぎて怖いわ。もうどこにも行くなよ?」
「お前もな?」
「当たり前だろ?」
俺はさ?言ってもあの最初の1回切りよ?
それも別に好きな人が出来たとかそんなんじゃなかったし…
けど将吾はすぐ絆されちゃうからさ、信用して無いわけじゃないけど、またふらっと誰かになびいて居なくなったりしないか心配なんだよ。
なのに、ちらっと横を見ると唇をとがらせ、伏し目がちな将吾の表情は何か言いたげで、仕方なく話を振ってやった。
「なんだよ…なんか不満か?」
「俺未だにあの頃の夢見んの…」
「あの頃の?」
「うん、保健室に行くんだけどさ…?居ないんだよ…お前が…」
将吾がずっとあの頃のことを引きずっているのは分かってはいたけど、夢に見るとまで言われてしまうと当時の俺の不甲斐なさがズッシリと重くのしかかり、後悔ばかりが頭の中を埋め尽くす。
あのたったの1回が、未だに将吾にとって大きな傷になってるのなら、俺は今更どう償えばいいのか…
こうやってただ一緒にいる、それだけじゃ埋められないのかな。
「一生懸命呼ぶんだけど、誰もいねぇの…俺一人残されてさ。そのうち実家に帰るんだけどいつも通り誰もいなくて、昔のお前ん家にも行くんだけどやっぱ居ない。んでここに来たらいるんじゃないかって…でも居ねぇの。やっぱ俺は独りなんだって、怖くなって目が覚めてさ…そしたら隣でお前がイビキかいて寝てて。あぁ…良かったぁって…」
「それなら俺もある。お前が何日も帰ってこねぇんだよ…そんで前のアパートとか行くんだけどいないの。で、目が覚めると隣ですやすや眠ってて安心すんの…」
こんなに好きなのに…
いや、好きすぎるからかな?
離れてしまわないかずっと一緒にいられるのか、不安で仕方ないんだ。
「…もう、そんな事しねぇから…っ」
「ふふっ、マジで頼むわ。お前いなくなったら俺死んじゃう」
「大袈裟だな」
「結構マジだよ…」
「勝手に死ぬなよ」
「じゃあずっとそばにいてよ…」
「言われなくてもいてやるよ」
いてやるなんて強気に発言した人とは思えないくらい、俺にしがみつき甘える将吾は多分俺の事相当好きなのに、それ以上にヤバいぐらい溺れてるのは俺の方。
このままくっついて一つになっちゃえばいいのに…
「眠い?」
「んぅ…朝早かったから眠い…」
「そうだよな…俺も眠みぃ…」
「…寝る?」
「うん…寝よっか」
「りつ…?」
「ん?」
「目が覚めた時も俺の隣にいろよ」
「うん…いる」
改めてギューッと将吾を抱きしめ繰り返し頭を撫でてると、静かな寝息が聞こえてくる…
暖かい将吾の体温を感じながら、俺も再び眠りについた。
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