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第三章 新生活始めました
意気消沈
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寝室出て心を呼びに行くと、リビングにはトランクだけが置いてあって心の姿はなかった。
まさかこのくそ寒い中外で待ってる!?
良い人にも程があると急いで玄関の扉を開けると、隅っこの方ででしゃがみこみ丸くなってる心がいた。
「あ…大丈夫でした?」
「おぅ、ありがとな…」
「はぁ…良かったぁ。うぅ、寒みぃ…」
「てかなんで外にいんのよ、中でよかったのに…」
「いや聞かれたくないこともあるかなぁと思って?」
「別に平気だよ。悪いな、何から何まで…」
「ううん、大丈夫なら俺、帰りますわ!また今度改めて…」
「えっ?や、会ってかないでいいの…?」
「ん?…あぁ、今日は…ね?」
そう言って心がトランクを取りにリビングに上がり、将吾には会わず部屋を出ようとした時、何かを察したのか将吾がいそいそと寝室から出てきた。
それに気がついて振り返った心は、満面の笑みで将吾に駆け寄り思いっきり抱きついた…
さっきまであんな遠慮がちに空気読んでたのに…信じらんねぇ。
俺は唖然として空いた口が塞がらないまま、上手く突っ込むことも出来ず、ただその光景を呆然と眺めていた。
「将吾ぉー♡会いたかったぁ!!」
「あっ、ちょ…っ、心っ…////」
将吾は俺の方をチラチラ見ながら、どうにか心から離れようとジタバタもがいてるが、顔は真っ赤だし嬉しいっ♡てのがダダ漏れなんですけどぉ…
俺は…
やっぱりもうダメかもしれない…っ。
自分の不甲斐なさも去ることながら、何でもそつ無くこなせる心に嫉妬して、今日はもうメンタルがズタボロ…
しばらく立ち直れなそうもないんですけど。
「あっ、ごめんごめん!ついつい向こうのノリで抱きしめちゃった!もぉ、びっくりしたよ。久々に電話したら泣いてんだもん…」
「ごめん、巻き込んで…」
「ううん、全然っ!今度ゆっくりみんなで飲も?俺、暫く健太ん家 にいるからさ、また喧嘩したら連絡してっ?」
「おぃっ!心っ!さすがにもうダメっ!! 」
このままだと本当に取られかねないのと、二人のやり取りを見てらんないのとで、やっとの事声を絞り出し突っ込んでみたものの離れる様子もなく、将吾に関してはもう俺の事なんか見ちゃいないっ。
「心、ありがと…」
ありがとうじゃないでしょっ…!?
まぁ心のお陰だから間違ってないかもしんないけど、そこはもう喧嘩なんてしないとか言ってよぉ…
なんて女々しいことを考えながら、見つめ合うキラキラした2人の空間がしんどくて、どんよりと下を向いてもう二人を見ないようにしながら大人しくソファーに座った。
「とりあえずはもう大丈夫?」
「うん、りつがいるから」
将吾の呟いた言葉にピクっと体が反応した。
今…りつって言ったよね!?
「ふふっ…そっか。じゃあ俺は健太に迎えに来てもらって、そろそろ帰ろっかな?」
「健太、来るまでいる?」
「ううん、外で待ってる。だってりつさんもう限界だもん」
あぁ…こいつ分かっててやってやがる…
でも今日は、今日だけは我慢だ…!
「ん?じゃあ…また今度…」
「うん、また今度ね♡」
そう言って別れを済ませる二人に膝を抱えたままチラッと視線を移せば、少し離れたところからわざわざ俺に手を振る心に、さっさと帰れと言わんばかりに軽くあしらった。
本当はちゃんとお礼しなきゃいけないのに、どんだけガキなんだ俺は…
そんな俺とは対照的に、心は嫌な顔一つせずだけどしっかり将吾の頭をぽんと撫でて、満足気に帰って行った。
そして、俺はと言うと…
もう何かとにかく自分が情けなくて悔しくて、ソファーに座り膝を抱えたまま俯いて、これから将吾と二人きり…
どうしたもんかと頭を抱えていた。
「りつ…?」
「ん…」
「怒ってる…?」
「いや、落ち込んでるだけ…」
「俺のせい…?」
「 ちげぇ、かっけぇなぁって…心」
「うん…かっこいいよね」
「なっ!?そこはりつのがかっこいいよっ!とか ……っ、じゃねぇよな。俺全然かっこよくねぇし、お前の事泣かせてばっかだし…」
何か、自分で言ってて悲しくなってきた…
それに本当に将吾が俺の事、もう好きじゃないって思ってたらどうしようって不安で、思わず目を逸らし更に膝を抱え込んで俯いた。
「心はかっこいいけど…俺が好きなのはりつだけだから…だから話せなかった。嫌われたくなかったから…」
「ごめんな…っ、全部俺のせいだ。そもそも俺がお前の事置いてったりしなきゃ…っ、ウリなんてしなくても…っ、こんな目にあわずに済んだかもしれないのにっ…」
将吾の人生、俺と関わったことでいいことなんてあったか?
俺が高校生のお前に惚れたりなんかしたから、人生狂っちゃったんじゃないのか!?なんて、後悔ばかりが頭の中を埋める…
将吾が俺の腕をギュッと掴んで、顔を覗き込むように寄り添ってくるから静かに顔を上げると、いつの間にか溜まっていた涙で視界がぼやけて将吾の顔がよく見えない。
泣いてるなんて自分でも信じられなくて、急に恥ずかしくなって
今更だけど、瞬きしながら力任せに涙を拭った。
「りつのせいじゃないから…俺が、弱いから…」
「弱くねぇよっ、お前は強い!頑張ってるのもわかってるしずっと我慢してたんだろ…?」
「…うんっ」
「もう気にするなっ、仕事の事も過去の事も…あんな奴に従って我慢なんてしなくていいから!」
「でも…っ」
「将吾が店辞めて困るのは店長だけ。他の奴らだって嫌だと思ったら辞めるよ。別に将吾が悪いわけじゃない。そいつが握ってたお前の弱みはもう弱みなんかじゃないから。大丈夫、お前を苦しめた奴は俺がぶっ飛ばしとくから、な?」
将吾は目にいっぱい涙をためながら、ギュっと俺の腕を両手で掴みコクリと頷いた。
そしてそんな将吾の頭を抱え込むように抱きしめると、鼻をすすりながら俺にしがみついてくる。
こんな可愛い将吾に傷をつけた奴を俺は絶対に許さねぇ…
「りつぅ…っ、俺っ、店辞めたいっ…」
「おぅ、辞めてやれそんな店」
「りつと…っ、お店やりたいっ…」
「おぅ、一緒にやろうなっ」
「りつぅ…っ」
「ん?どした?」
俺の腕の中からひょっこりと顔を出し、うるうるなお目目と目が合えば、その蕩けそうな表情はただの可愛い泣き顔ではなく、俺を求めるように欲情しきってるように見えて思わず喉を鳴らす。
「抱いて…」
「…っ、いいのか?」
「りつに…して欲しい…っ」
「分かった…」
そうは言ったものの、あの痣や傷を痛々しくてまともに見れないし、将吾だって本当は見せたくないはず。
壊れ物を扱うかのように将吾を抱え寝室に連れていくと、そっとベッドに寝かせ、出来るだけ優しく…ゆっくり唇を重ね見つめ合った。
まさかこのくそ寒い中外で待ってる!?
良い人にも程があると急いで玄関の扉を開けると、隅っこの方ででしゃがみこみ丸くなってる心がいた。
「あ…大丈夫でした?」
「おぅ、ありがとな…」
「はぁ…良かったぁ。うぅ、寒みぃ…」
「てかなんで外にいんのよ、中でよかったのに…」
「いや聞かれたくないこともあるかなぁと思って?」
「別に平気だよ。悪いな、何から何まで…」
「ううん、大丈夫なら俺、帰りますわ!また今度改めて…」
「えっ?や、会ってかないでいいの…?」
「ん?…あぁ、今日は…ね?」
そう言って心がトランクを取りにリビングに上がり、将吾には会わず部屋を出ようとした時、何かを察したのか将吾がいそいそと寝室から出てきた。
それに気がついて振り返った心は、満面の笑みで将吾に駆け寄り思いっきり抱きついた…
さっきまであんな遠慮がちに空気読んでたのに…信じらんねぇ。
俺は唖然として空いた口が塞がらないまま、上手く突っ込むことも出来ず、ただその光景を呆然と眺めていた。
「将吾ぉー♡会いたかったぁ!!」
「あっ、ちょ…っ、心っ…////」
将吾は俺の方をチラチラ見ながら、どうにか心から離れようとジタバタもがいてるが、顔は真っ赤だし嬉しいっ♡てのがダダ漏れなんですけどぉ…
俺は…
やっぱりもうダメかもしれない…っ。
自分の不甲斐なさも去ることながら、何でもそつ無くこなせる心に嫉妬して、今日はもうメンタルがズタボロ…
しばらく立ち直れなそうもないんですけど。
「あっ、ごめんごめん!ついつい向こうのノリで抱きしめちゃった!もぉ、びっくりしたよ。久々に電話したら泣いてんだもん…」
「ごめん、巻き込んで…」
「ううん、全然っ!今度ゆっくりみんなで飲も?俺、暫く健太ん家 にいるからさ、また喧嘩したら連絡してっ?」
「おぃっ!心っ!さすがにもうダメっ!! 」
このままだと本当に取られかねないのと、二人のやり取りを見てらんないのとで、やっとの事声を絞り出し突っ込んでみたものの離れる様子もなく、将吾に関してはもう俺の事なんか見ちゃいないっ。
「心、ありがと…」
ありがとうじゃないでしょっ…!?
まぁ心のお陰だから間違ってないかもしんないけど、そこはもう喧嘩なんてしないとか言ってよぉ…
なんて女々しいことを考えながら、見つめ合うキラキラした2人の空間がしんどくて、どんよりと下を向いてもう二人を見ないようにしながら大人しくソファーに座った。
「とりあえずはもう大丈夫?」
「うん、りつがいるから」
将吾の呟いた言葉にピクっと体が反応した。
今…りつって言ったよね!?
「ふふっ…そっか。じゃあ俺は健太に迎えに来てもらって、そろそろ帰ろっかな?」
「健太、来るまでいる?」
「ううん、外で待ってる。だってりつさんもう限界だもん」
あぁ…こいつ分かっててやってやがる…
でも今日は、今日だけは我慢だ…!
「ん?じゃあ…また今度…」
「うん、また今度ね♡」
そう言って別れを済ませる二人に膝を抱えたままチラッと視線を移せば、少し離れたところからわざわざ俺に手を振る心に、さっさと帰れと言わんばかりに軽くあしらった。
本当はちゃんとお礼しなきゃいけないのに、どんだけガキなんだ俺は…
そんな俺とは対照的に、心は嫌な顔一つせずだけどしっかり将吾の頭をぽんと撫でて、満足気に帰って行った。
そして、俺はと言うと…
もう何かとにかく自分が情けなくて悔しくて、ソファーに座り膝を抱えたまま俯いて、これから将吾と二人きり…
どうしたもんかと頭を抱えていた。
「りつ…?」
「ん…」
「怒ってる…?」
「いや、落ち込んでるだけ…」
「俺のせい…?」
「 ちげぇ、かっけぇなぁって…心」
「うん…かっこいいよね」
「なっ!?そこはりつのがかっこいいよっ!とか ……っ、じゃねぇよな。俺全然かっこよくねぇし、お前の事泣かせてばっかだし…」
何か、自分で言ってて悲しくなってきた…
それに本当に将吾が俺の事、もう好きじゃないって思ってたらどうしようって不安で、思わず目を逸らし更に膝を抱え込んで俯いた。
「心はかっこいいけど…俺が好きなのはりつだけだから…だから話せなかった。嫌われたくなかったから…」
「ごめんな…っ、全部俺のせいだ。そもそも俺がお前の事置いてったりしなきゃ…っ、ウリなんてしなくても…っ、こんな目にあわずに済んだかもしれないのにっ…」
将吾の人生、俺と関わったことでいいことなんてあったか?
俺が高校生のお前に惚れたりなんかしたから、人生狂っちゃったんじゃないのか!?なんて、後悔ばかりが頭の中を埋める…
将吾が俺の腕をギュッと掴んで、顔を覗き込むように寄り添ってくるから静かに顔を上げると、いつの間にか溜まっていた涙で視界がぼやけて将吾の顔がよく見えない。
泣いてるなんて自分でも信じられなくて、急に恥ずかしくなって
今更だけど、瞬きしながら力任せに涙を拭った。
「りつのせいじゃないから…俺が、弱いから…」
「弱くねぇよっ、お前は強い!頑張ってるのもわかってるしずっと我慢してたんだろ…?」
「…うんっ」
「もう気にするなっ、仕事の事も過去の事も…あんな奴に従って我慢なんてしなくていいから!」
「でも…っ」
「将吾が店辞めて困るのは店長だけ。他の奴らだって嫌だと思ったら辞めるよ。別に将吾が悪いわけじゃない。そいつが握ってたお前の弱みはもう弱みなんかじゃないから。大丈夫、お前を苦しめた奴は俺がぶっ飛ばしとくから、な?」
将吾は目にいっぱい涙をためながら、ギュっと俺の腕を両手で掴みコクリと頷いた。
そしてそんな将吾の頭を抱え込むように抱きしめると、鼻をすすりながら俺にしがみついてくる。
こんな可愛い将吾に傷をつけた奴を俺は絶対に許さねぇ…
「りつぅ…っ、俺っ、店辞めたいっ…」
「おぅ、辞めてやれそんな店」
「りつと…っ、お店やりたいっ…」
「おぅ、一緒にやろうなっ」
「りつぅ…っ」
「ん?どした?」
俺の腕の中からひょっこりと顔を出し、うるうるなお目目と目が合えば、その蕩けそうな表情はただの可愛い泣き顔ではなく、俺を求めるように欲情しきってるように見えて思わず喉を鳴らす。
「抱いて…」
「…っ、いいのか?」
「りつに…して欲しい…っ」
「分かった…」
そうは言ったものの、あの痣や傷を痛々しくてまともに見れないし、将吾だって本当は見せたくないはず。
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