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第三章 新生活始めました
休日…だけど
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タイミングが良いのか悪いのか…
最近は俺が帰る頃にはりつはもう寝ていたりで、何かしようなんてことにはならずに済んでいて、この身体の痛々しい傷もまだバレてはいない。
だけど、店長がりつに言う前にこれがバレてしまうのだって時間の問題だと思うし、いくら無理やりとはいえ、こんな風に何度も何度もでは言い訳にもならない。
結局俺は今、何の為にこんなことをしなきゃいけないのか、本当にしなければいけないことなのか、逃げてもいいのかダメなのか…
そんな事もわからなくなっていたんだ。
最近では食欲もないし、朝もりつが起きる時間にちゃんと起きれなくてく話が出来ない日も続いたが、やっと二人の休みがあったある日の事。
「将吾…」
「んぅ…」
「起きれる?」
「…まだ、無理…」
「ご飯は?」
「いらない…」
「最近食べてる?そんなに忙しいの?」
「うん…死ぬほど忙しい…」
死ぬほど忙しいのは嘘じゃない。
だけど理由はそれだけじゃないのに、俺はそれを絶対に打ち明ける事は出来なくて、毛布の中で小さく丸まっていた。
「あのさ、仕事…変えてみたら?」
「えっ、うん…でも…っ」
「別に大丈夫だぞ?少しくらい休んだって…」
「そう、かもしんないけど…他の人に負担かかっちゃうし…」
「そっか…けど、仕事のせいで将吾が辛そうな顔してるなら俺は続けさせたくないなぁ」
助けて…っ、本当はそう言って手を伸ばしたいけど、それをしてしまったら何もかもが壊れてしまいそうで怖かった。
せっかく自信をもてた仕事だし、大人としてりつと対等でいられるのだって仕事があるから。
それに正直に話したとして信用してもらえるかなんて分からないし、結局断れずに受け入れてるのは俺なんだ…
こんな事理解してくれなんて都合が良すぎるだろう。
辛いけど、せめて次の仕事が見つかるまで…
そう思って毛布から顔を出し、りつに決意表明をした。
「もう少し…もう少しだけ頑張りたい…っ」
「将吾…」
「俺ね、これでも結構頼られてんだよっ!?それに、俺がいないと仕事回んねぇからさ…」
「お前…っ、本当に大人になったな…っ」
りつは声を詰まらせながら涙目になり、俺を毛布ごと抱きしめてくれた…
だけど俺はりつに抱きしめてもらう資格なんて…ない。
「…っ、りつ…苦しいっ」
「あっ、ごめん…少しでもいいからなんか食べない?」
「…うん」
むくっと起き上がりリビングに向かうと、テーブルの上に暖かいスープが置かれた。
本当に全くお腹は空いていないのだけれど、せっかくりつが作ってくれた朝食を無駄にはできなくて、大き目のカップを両手で包み込むように口元に運んだ。
「はぁ…美味い…」
「ふふっ、良かった♡」
そのスープはシンプルな味付けではあったけど、暖かくて美味しくて、めちゃくちゃ心がポカポカしたんだ。
「なぁ将吾、次休みいつ?」
「ん…来週は平日かな…」
「そっか…あのさ、クリスマスは仕事休める?」
「クリスマスは多分無理…店混むし…」
「そうだよなぁ…日にちずらしてでもいいからたまにはデートしね?」
「…っ、デート!?」
デートなんかしたらそういう事だってするに決まってる…
そしたら隠してたこともバレちゃうんじゃないか!?と思ったらすぐに返事ができなかった。
それを不審に思ったのかりつが俺の顔をじっと見て、ちょっと不安そうな顔で呟いた。
「将吾さ…何か隠してる?」
「えっ…」
「最近、悩んでることあるだろ…」
ダメだ、このままじゃバレる…
ここはとにかく話を合わせてクリスマスまでにはどうにか自体を収束させなければ。
「ないよ…っ、ただ…仕事が本当に大変で…でも、その日は休めるようにするからっ!楽しみにしてるっ!」
「そうか…?うーん…ならいいけど…」
「ごめん…何かノリ悪かったよな」
「ううん、そんな事ねぇよ…」
「りつ…俺、まだ疲れてて…寝てもいい?」
「あぁ、うん…」
本当に身体がしんどくて…
寝てたって良くはならないんだけど、起きてるよりはマシで。
りつも本当に辛いって事が伝わってるのか、無理に誘ってきたりも本当にしなくなっていた。
本当はりつに抱きしめて欲しいし、りつと身体を重ねたい…
だけどそんな事今は出来ないから、寂しいけどある意味で都合がいい。
俺は疲労が溜まり傷んだ身体を毛布に包んで、また眠りについた。
最近は俺が帰る頃にはりつはもう寝ていたりで、何かしようなんてことにはならずに済んでいて、この身体の痛々しい傷もまだバレてはいない。
だけど、店長がりつに言う前にこれがバレてしまうのだって時間の問題だと思うし、いくら無理やりとはいえ、こんな風に何度も何度もでは言い訳にもならない。
結局俺は今、何の為にこんなことをしなきゃいけないのか、本当にしなければいけないことなのか、逃げてもいいのかダメなのか…
そんな事もわからなくなっていたんだ。
最近では食欲もないし、朝もりつが起きる時間にちゃんと起きれなくてく話が出来ない日も続いたが、やっと二人の休みがあったある日の事。
「将吾…」
「んぅ…」
「起きれる?」
「…まだ、無理…」
「ご飯は?」
「いらない…」
「最近食べてる?そんなに忙しいの?」
「うん…死ぬほど忙しい…」
死ぬほど忙しいのは嘘じゃない。
だけど理由はそれだけじゃないのに、俺はそれを絶対に打ち明ける事は出来なくて、毛布の中で小さく丸まっていた。
「あのさ、仕事…変えてみたら?」
「えっ、うん…でも…っ」
「別に大丈夫だぞ?少しくらい休んだって…」
「そう、かもしんないけど…他の人に負担かかっちゃうし…」
「そっか…けど、仕事のせいで将吾が辛そうな顔してるなら俺は続けさせたくないなぁ」
助けて…っ、本当はそう言って手を伸ばしたいけど、それをしてしまったら何もかもが壊れてしまいそうで怖かった。
せっかく自信をもてた仕事だし、大人としてりつと対等でいられるのだって仕事があるから。
それに正直に話したとして信用してもらえるかなんて分からないし、結局断れずに受け入れてるのは俺なんだ…
こんな事理解してくれなんて都合が良すぎるだろう。
辛いけど、せめて次の仕事が見つかるまで…
そう思って毛布から顔を出し、りつに決意表明をした。
「もう少し…もう少しだけ頑張りたい…っ」
「将吾…」
「俺ね、これでも結構頼られてんだよっ!?それに、俺がいないと仕事回んねぇからさ…」
「お前…っ、本当に大人になったな…っ」
りつは声を詰まらせながら涙目になり、俺を毛布ごと抱きしめてくれた…
だけど俺はりつに抱きしめてもらう資格なんて…ない。
「…っ、りつ…苦しいっ」
「あっ、ごめん…少しでもいいからなんか食べない?」
「…うん」
むくっと起き上がりリビングに向かうと、テーブルの上に暖かいスープが置かれた。
本当に全くお腹は空いていないのだけれど、せっかくりつが作ってくれた朝食を無駄にはできなくて、大き目のカップを両手で包み込むように口元に運んだ。
「はぁ…美味い…」
「ふふっ、良かった♡」
そのスープはシンプルな味付けではあったけど、暖かくて美味しくて、めちゃくちゃ心がポカポカしたんだ。
「なぁ将吾、次休みいつ?」
「ん…来週は平日かな…」
「そっか…あのさ、クリスマスは仕事休める?」
「クリスマスは多分無理…店混むし…」
「そうだよなぁ…日にちずらしてでもいいからたまにはデートしね?」
「…っ、デート!?」
デートなんかしたらそういう事だってするに決まってる…
そしたら隠してたこともバレちゃうんじゃないか!?と思ったらすぐに返事ができなかった。
それを不審に思ったのかりつが俺の顔をじっと見て、ちょっと不安そうな顔で呟いた。
「将吾さ…何か隠してる?」
「えっ…」
「最近、悩んでることあるだろ…」
ダメだ、このままじゃバレる…
ここはとにかく話を合わせてクリスマスまでにはどうにか自体を収束させなければ。
「ないよ…っ、ただ…仕事が本当に大変で…でも、その日は休めるようにするからっ!楽しみにしてるっ!」
「そうか…?うーん…ならいいけど…」
「ごめん…何かノリ悪かったよな」
「ううん、そんな事ねぇよ…」
「りつ…俺、まだ疲れてて…寝てもいい?」
「あぁ、うん…」
本当に身体がしんどくて…
寝てたって良くはならないんだけど、起きてるよりはマシで。
りつも本当に辛いって事が伝わってるのか、無理に誘ってきたりも本当にしなくなっていた。
本当はりつに抱きしめて欲しいし、りつと身体を重ねたい…
だけどそんな事今は出来ないから、寂しいけどある意味で都合がいい。
俺は疲労が溜まり傷んだ身体を毛布に包んで、また眠りについた。
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