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第三章 新生活始めました
居酒屋
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この店の社員になって、そして心が留学の為辞めていった後も俺は順調に働いていた。
だけど同棲を始めて数ヶ月が経った頃、今の店長が移動になり別の店舗から代わりの店長が来るようになってから、スケジュール管理はずさんだしバイトがどんどん辞めていくようになって、俺ら社員の負担が増えていった。
いつもは帰れてた時間に帰れないのは当たり前で、スタッフもイライラしてるし店長は毎日怒ってるしで、店の雰囲気は最悪。
そんな中俺は店長に呼び出され、更なる最悪を突きつけられたんだ。
「なぁ、夏川くん。俺ら前会った事あるんだけど…覚えてる?」
「…いや、どこで」
全く検討がつかなかった俺は、普通に覚えてないし少しの違和感もなかったのだけれど、次の瞬間言葉を失った。
「将って名前でやってたろ。ウリ…」
サーッと血の気が引くのがわかった。
この人が言ってるのは店での仕事の方じゃない、個人的に身体を売ってた時の事だと確信すると、この人が何を企んでるのか怖くて自然と逃げる体制に入ると、それを察してか咄嗟に手首を掴まれた。
「はっ、離してください…っ」
「店のみんなとかさぁ、社長とか?バレたらまずいんじゃない?」
「い、今はしてないし…っ」
「じゃあいっか、バレても…」
「駄目っ!!駄目です…っ」
もしバレでもしたらどうなる!?
せっかく社員として働けてるのに、辞めなきゃいけなくなったりしたらまたりつに迷惑がかかるし、対等でいられなくなってしまう。
それは絶対に避けたい…っ。
「じゃあさ、黙っててやるから…またどう…?」
「は!?何言って…っ」
「バラされたくなけりゃ言うこと聞いた方がいいんじゃない?」
こういう時、どうしたらいいのか俺には分からなかった。
言うことを聞いてればバラされたりしないのなら、この人の言うことを聞くしかないと思って、それで済むなら…それで仕事に支障が無くなるなら済ませてしまいたかった。
だけどそれが最大の過ちだったんだ―――
だけど同棲を始めて数ヶ月が経った頃、今の店長が移動になり別の店舗から代わりの店長が来るようになってから、スケジュール管理はずさんだしバイトがどんどん辞めていくようになって、俺ら社員の負担が増えていった。
いつもは帰れてた時間に帰れないのは当たり前で、スタッフもイライラしてるし店長は毎日怒ってるしで、店の雰囲気は最悪。
そんな中俺は店長に呼び出され、更なる最悪を突きつけられたんだ。
「なぁ、夏川くん。俺ら前会った事あるんだけど…覚えてる?」
「…いや、どこで」
全く検討がつかなかった俺は、普通に覚えてないし少しの違和感もなかったのだけれど、次の瞬間言葉を失った。
「将って名前でやってたろ。ウリ…」
サーッと血の気が引くのがわかった。
この人が言ってるのは店での仕事の方じゃない、個人的に身体を売ってた時の事だと確信すると、この人が何を企んでるのか怖くて自然と逃げる体制に入ると、それを察してか咄嗟に手首を掴まれた。
「はっ、離してください…っ」
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「駄目っ!!駄目です…っ」
もしバレでもしたらどうなる!?
せっかく社員として働けてるのに、辞めなきゃいけなくなったりしたらまたりつに迷惑がかかるし、対等でいられなくなってしまう。
それは絶対に避けたい…っ。
「じゃあさ、黙っててやるから…またどう…?」
「は!?何言って…っ」
「バラされたくなけりゃ言うこと聞いた方がいいんじゃない?」
こういう時、どうしたらいいのか俺には分からなかった。
言うことを聞いてればバラされたりしないのなら、この人の言うことを聞くしかないと思って、それで済むなら…それで仕事に支障が無くなるなら済ませてしまいたかった。
だけどそれが最大の過ちだったんだ―――
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