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第二章 心との生活
留学
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心は今日も俺のそばにいて変わらず俺に優しくしてくれる。
そしてりつのお見舞いに行く俺を見送って、また迎え入れてくれるんだ。
何となく後ろめたい気持ちを持ちながらも、りつが退院するまででいいから一緒にいてくれと頼まれてしまえば、それが心の為になるならと一緒にいることを選んだ。
それから一ヶ月が経ち、俺は心から思わぬ報告を受けた。
「将吾?ちょっといいかな?」
「うん…どうしたの?」
「俺ね、留学しようと思ってるの」
「留学!?外国に行くってこと!?」
「うん、ずっと考えてたんだ。本当は一緒に行きたいと思ってたんだけどね…でもさ、将吾には将吾の人生があるから、一人で行ってくる」
心がいなくなる…
そんな事考えた事もなかったから少し戸惑ったけどでも、心が言うように俺には俺の、心には心の人生があるんだ。
心は頭もいいし俺には叶えられない様な大きな夢もある。
素直に応援したい、そう思ったんだ。
「心…俺もこっちで頑張る。だから心も、頑張って!」
「うんっ、ありがとう…将吾」
「ところで…いつ?」
「うん、本当は4月には向こうに行こうと思ってたんだけど色々あってもうちょっと先になりそうなんだよね」
「そっか…じゃあ俺もそろそろ…」
「いいんだって、俺が留学するまではまだ時間もあるし、りつさんも退院できないんだしさ?」
りつは今絶賛リハビリ中…
予定よりは早い退院になりそうだとは言ってたし、帰りたいって言った俺にりつはいつでも帰ってきていいと言ってくれたけど、俺ってこうやってずっと誰かに甘えて生きて行くんだろうか、と思ったらなんだか情けなく思えてきた。
「あのさ、留学ってどれくらい行くの?」
「うーん、とりあえず一年かな?」
「一年…か…」
「寂しいよなぁ…一年も将吾に会えないなんてさ…だからそれまで一緒にいて?」
そう言いくるめられてしまえば、ダメなんて言える訳もなく小さく頷くと、心はいつもの優しい顔で笑いかけてくれる。
それにしても、俺はりつと離れてたこの数ヶ月間で少しは変われたんだろうか…
心はどんどん自分の道を進んでいくのに、就職したとはいえ俺は結局誰かに甘えて生きてる。
そんな自分が時々嫌になるんだ。
そしてりつのお見舞いに行く俺を見送って、また迎え入れてくれるんだ。
何となく後ろめたい気持ちを持ちながらも、りつが退院するまででいいから一緒にいてくれと頼まれてしまえば、それが心の為になるならと一緒にいることを選んだ。
それから一ヶ月が経ち、俺は心から思わぬ報告を受けた。
「将吾?ちょっといいかな?」
「うん…どうしたの?」
「俺ね、留学しようと思ってるの」
「留学!?外国に行くってこと!?」
「うん、ずっと考えてたんだ。本当は一緒に行きたいと思ってたんだけどね…でもさ、将吾には将吾の人生があるから、一人で行ってくる」
心がいなくなる…
そんな事考えた事もなかったから少し戸惑ったけどでも、心が言うように俺には俺の、心には心の人生があるんだ。
心は頭もいいし俺には叶えられない様な大きな夢もある。
素直に応援したい、そう思ったんだ。
「心…俺もこっちで頑張る。だから心も、頑張って!」
「うんっ、ありがとう…将吾」
「ところで…いつ?」
「うん、本当は4月には向こうに行こうと思ってたんだけど色々あってもうちょっと先になりそうなんだよね」
「そっか…じゃあ俺もそろそろ…」
「いいんだって、俺が留学するまではまだ時間もあるし、りつさんも退院できないんだしさ?」
りつは今絶賛リハビリ中…
予定よりは早い退院になりそうだとは言ってたし、帰りたいって言った俺にりつはいつでも帰ってきていいと言ってくれたけど、俺ってこうやってずっと誰かに甘えて生きて行くんだろうか、と思ったらなんだか情けなく思えてきた。
「あのさ、留学ってどれくらい行くの?」
「うーん、とりあえず一年かな?」
「一年…か…」
「寂しいよなぁ…一年も将吾に会えないなんてさ…だからそれまで一緒にいて?」
そう言いくるめられてしまえば、ダメなんて言える訳もなく小さく頷くと、心はいつもの優しい顔で笑いかけてくれる。
それにしても、俺はりつと離れてたこの数ヶ月間で少しは変われたんだろうか…
心はどんどん自分の道を進んでいくのに、就職したとはいえ俺は結局誰かに甘えて生きてる。
そんな自分が時々嫌になるんだ。
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