こじらせ男子は一生恋煩い

桜ゆき

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第二章 心との生活

秘めた思い

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りつさんがあんな状態になってからの将吾は、俺の事なんか頭の片隅にもないんじゃないかってくらい、りつさんに付きっきりで殆ど俺の相手をしてくれなくなった。

でも、結局は俺の家に帰ってきてくれる将吾に、何をする訳でもないけど優越感さえ感じる。

でもやっぱり悔しいよなぁ…
独り占めできないってさ。


「健太ぁ…」

「ん?」

「将吾とりつさんって…何なんだろ…」

「何が?」


夕方のファミレス。

健太と向き合いアイスコーヒーをすすりながら、俺はあの二人のことを考えていた。


「なんかさ、離れてたってやっぱりどっか繋がってるって感じ…」

「あぁ、分からなくもないけど…」

「でしょ?あーあ、せっかく独り占めできると思ったのになぁ。寝てるだけなのに取られちゃうなんてさ…」

「おぃ…」

「いなくなっちゃえばいいのに…なんてね…」

「なっ!縁起でもないこと言うな馬鹿っ!」

「あ、けどそんな事になったら今度こそ将吾、壊れちゃうもんなぁ…それは困るなぁ」

「…俺さ、お前の事好きだけど…たまに怖くなるよ…」


あーあ、怖がられちゃった。

俺、健太が思ってるよりずっと嫉妬深いし独占欲強いし、結構危ない方に走りたくなったりするんだよね。

将吾を俺だけのものにするためなら…

だけど、こんな事ばっかり言ってたら、せっかく友達でいてくれてる健太までいなくなっちゃうかな。

それはそれで嫌だな。

ん?て言うか…


「……あれ?健太って俺の事好きなの!?」

「は?やっ////…べ、別にそういう好きとかじゃねぇしっ!」

「あ?なーんだ、ちょっと浮かれて損した」

「…浮かれた…の?」

「うん、ちょっとだけね♡」

「…//////」


何故か健太は顔を真っ赤に染めて、俺から目を逸らし勢いよくアイスコーヒーをすすった。

健太もたまに可愛いところあるんだよなぁ…
なんて、俺は親友までもこの手の中に収めたいと思ってしまうんだろうか。

さすがにこの思考は行き過ぎだよな…

健太には嫌われたくないから、こんな想いはまだそっと胸に閉まっておこう。
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