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第一章 出会いと再会
大っ嫌いなのに!
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社員になるべく研修中の俺は、今までのバイトと仕事内容も少しづつ変わってきて、忙しい毎日を送っていた。
だけど何となくすごしていた時とは違って、すごく充実している。
実は俺って働くことに向いてるのかもしれないってのも、新たな発見だったりした。
そんなある日の事だった。
帰りの支度をして店の裏口から外に出ると、知ってるタバコの匂いが鼻をかすめた。
その匂い辿ると、見慣れた格好の派手な人物が目に止まる…
気付かなかった振りをしてこのまま帰ろうか、そう思ったのも束の間、その人物は直ぐに俺に気付きタバコの火を消してこちらに向かって来ると、今までずっと連絡を取ってなかったとは思えないほど自然に、いつもと変わらない感じで話しかけてきた。
「よっ」
「…っ、なんだよ」
「社員になるんだってな…」
「あ…んぅ…」
「頑張ってんだな…」
「まぁ…」
情報筒抜けか。
にしてもなんでわざわざ…
待ち伏せまでして言うことでもないだろ。
今更戻ってこいなんて言われても俺は戻らない!なんて心の中で突っぱねては見るものの、やっぱり帰ってこいの言葉を少しは期待してしまう。
「あの…さ、これ…」
「あ…」
「俺に買ってくれたんだろ?」
「…うん」
「ありがとな…」
りつの耳に光るピアス…それは俺がクリスマスプレゼントにと、りつに買ったものだった。
何だか照れくさそうに、でも何処か寂しげに微笑むりつに胸が痛んだ。
「それと、ちゃんと話も聞かずに誤解して悪かった。まぁでも、俺なんかといるより心の方がずっといいだろ?」
「りつ…っ」
「幸せになれよ…」
そう一言告げると、俺の頭をポンポンと撫でて俺の返事を待たずに、りつは立ち去ってしまった。
期待してた展開と違くて突き放されたんだと、完全にフラれたんだと悟る。
いいんだよ、別にりつなんか…
お前なんか大っ嫌いなんだから!!
大っ嫌いなのにっ…
涙が溢れて止まらない…
俺は心のことが好きだ、心と一緒にいたい、りつなんか大っ嫌いだって、そう思えば思うほど苦しくて…
呼び止めることさえ出来ずに、俺はその場に蹲ってしまった。
「将吾…っ!?」
苦しくて苦しくて、一生懸命呼吸を整えようとすればするほど苦しくて…
名前を呼ばれた方を振り返れば、ぼやけた視界の先に心が立っていて、俺は思わず手を伸ばした。
「…っ、心…俺…っ、あいつなんか嫌いなのにっ…はぁっ、心と一緒にいたいのに…っ」
「…将吾、ごめんね、俺が将吾を好きになったりしたから」
「違うっ!違うよ、俺だって…」
俺だって心の事が、好き…?りつよりも?
伸ばした手を捕まれ引き寄せられると、ぎゅっと抱きしめられ心の匂いに包まれる。
「大丈夫だよ。何があっても俺は将吾の味方だから…」
ここにいれば傷つかずに済む…
幸せに…なれる?
そう思えば思うほど、寂しげに微笑むりつの顔と、黙って立ち去る後ろ姿が頭から離れなかった。
だけど何となくすごしていた時とは違って、すごく充実している。
実は俺って働くことに向いてるのかもしれないってのも、新たな発見だったりした。
そんなある日の事だった。
帰りの支度をして店の裏口から外に出ると、知ってるタバコの匂いが鼻をかすめた。
その匂い辿ると、見慣れた格好の派手な人物が目に止まる…
気付かなかった振りをしてこのまま帰ろうか、そう思ったのも束の間、その人物は直ぐに俺に気付きタバコの火を消してこちらに向かって来ると、今までずっと連絡を取ってなかったとは思えないほど自然に、いつもと変わらない感じで話しかけてきた。
「よっ」
「…っ、なんだよ」
「社員になるんだってな…」
「あ…んぅ…」
「頑張ってんだな…」
「まぁ…」
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にしてもなんでわざわざ…
待ち伏せまでして言うことでもないだろ。
今更戻ってこいなんて言われても俺は戻らない!なんて心の中で突っぱねては見るものの、やっぱり帰ってこいの言葉を少しは期待してしまう。
「あの…さ、これ…」
「あ…」
「俺に買ってくれたんだろ?」
「…うん」
「ありがとな…」
りつの耳に光るピアス…それは俺がクリスマスプレゼントにと、りつに買ったものだった。
何だか照れくさそうに、でも何処か寂しげに微笑むりつに胸が痛んだ。
「それと、ちゃんと話も聞かずに誤解して悪かった。まぁでも、俺なんかといるより心の方がずっといいだろ?」
「りつ…っ」
「幸せになれよ…」
そう一言告げると、俺の頭をポンポンと撫でて俺の返事を待たずに、りつは立ち去ってしまった。
期待してた展開と違くて突き放されたんだと、完全にフラれたんだと悟る。
いいんだよ、別にりつなんか…
お前なんか大っ嫌いなんだから!!
大っ嫌いなのにっ…
涙が溢れて止まらない…
俺は心のことが好きだ、心と一緒にいたい、りつなんか大っ嫌いだって、そう思えば思うほど苦しくて…
呼び止めることさえ出来ずに、俺はその場に蹲ってしまった。
「将吾…っ!?」
苦しくて苦しくて、一生懸命呼吸を整えようとすればするほど苦しくて…
名前を呼ばれた方を振り返れば、ぼやけた視界の先に心が立っていて、俺は思わず手を伸ばした。
「…っ、心…俺…っ、あいつなんか嫌いなのにっ…はぁっ、心と一緒にいたいのに…っ」
「…将吾、ごめんね、俺が将吾を好きになったりしたから」
「違うっ!違うよ、俺だって…」
俺だって心の事が、好き…?りつよりも?
伸ばした手を捕まれ引き寄せられると、ぎゅっと抱きしめられ心の匂いに包まれる。
「大丈夫だよ。何があっても俺は将吾の味方だから…」
ここにいれば傷つかずに済む…
幸せに…なれる?
そう思えば思うほど、寂しげに微笑むりつの顔と、黙って立ち去る後ろ姿が頭から離れなかった。
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