44 / 103
第一章 出会いと再会
将吾のいない日々
しおりを挟む
「…っ、あ、凜、さ…っ」
「はぁ…っ、気持ちいい…?」
「はい…っ、も…イッちゃいそうです…っ」
「んっ、イッていいよ…っ」
中をぎゅっと締め付けられると、自分もその気持ちよさに耐えられなくなって律動を徐々に早める。
それと同時にローションに塗れた手で相手のモノを掴み上下に扱けば、身体を仰け反らせながら腹の上に欲らを吐き出し、俺もゴムの中に欲を吐き出した。
「はぁっ、はぁっ…凜、さん…」
「…っ、ん?」
「何か…いつもと違う…」
「えっ、ごめん…っ、良く、なかった!?」
「あ、いや…そういうんじゃなくて、なんて言うか…いや、なんでもない。気にしないで?」
お客さんに気を使わせるなんて、俺も相当参ってるな…
とはいえ今は一日一回、予約のお客さんの相手をしたらその後は殆ど事務作業。
これだって将吾と幸せになる為に現場から上がって、店の管理の方に回れるようにと必死で頑張った結果だったのに、肝心の将吾がいないんじゃ話にならない。
まぁそもそも、現場は潮時だったのかもしれないけどね…
諸々の事務作業を済ませ、やっと仕事が終わったのは日をまたぐ頃。
帰りがけに携帯を確認すると、数件の着信とメッセージが残っていた。
(終わったら連絡ちょうだい)
そうメッセージを残していたのは健太だった。
健太に会いたくない訳では無いけれど、恐らく心と将吾の話だろう。
本当なら避けたいところだが、何かあったのなら困ると、渋々終わったことを伝えると近くの居酒屋に呼び出された。
「よっ、お疲れ」
「お疲れ~」
「相変わらず死にそうな顔してんな」
「疲れてんのよ、こっちは…」
席に着いてビールを注文すると、案の定健太は心と将吾の近況を口にし始めた。
それを聞いたところで俺はどうしたらいいの?
連れ戻せって連れ戻せってもう無理だって…
心労と疲労と眠気で健太の話なんか上の空。
ビールが届いて一気にそれを流し込むと、さっきよりは頭が冴えてきた気がする。
「なぁ、聞いてんの?」
「んぅ?なんの話?」
「だからぁ!将吾あの居酒屋で社員になるんだって!」
「えっ、社員!?居酒屋で?」
「そうだよ!これからは真面目に働くんだってさ。心が学生だから自分がしっかりしなきゃって思ったんじゃないの?今までより生き生きしてるって心が言ってたぞっ!」
そうか、将吾が社員に…
俺は将吾を甘くみてたのかもしれない。
まだ子供だから、将吾には俺がいないとダメだから、俺が何とかしてやらなきゃって思ってたけど、守るばっかりが本人の為じゃないかったんだな。
将吾自身が心のためにってちゃんと殻を破って成長していく姿を想像すると、俺はますます自信がなくなった。
もしかしたら俺が将吾の可能性を潰してたのかもしれない、自分じゃない方が将吾の為になると、そう思ったら俺が大人しく身を引くべきなんだと、改めてそう思ったんだ。
「だったらそれでいいだろ…」
「良くねぇだろっ!?」
「今更俺に何が出来んだよ…っ!あいつら上手くやってんだろ?なら俺の出る幕なんかねぇよ…っ」
「りっちゃんっ、マジであいつらくっついちゃうよ!?」
「俺にばっか言うなよ!取られたくねぇならお前が頑張ればいいだろ!?」
健太はただ将吾に心を取られたくないだけ、そこに体良く俺がいるからあわよくばと思ってるんだろうけど、あいにく俺はもう動くつもりは無い。
将吾が自分で心を選んだんだ。
俺より心が良いって、心のためにって頑張ってるなら俺は必要ないだろ?
でも、一つだけ。
ただ一つだけ将吾に伝えたいことがあって、俺はそれを伝えるために後日、居酒屋で将吾を待ち伏せた。
「はぁ…っ、気持ちいい…?」
「はい…っ、も…イッちゃいそうです…っ」
「んっ、イッていいよ…っ」
中をぎゅっと締め付けられると、自分もその気持ちよさに耐えられなくなって律動を徐々に早める。
それと同時にローションに塗れた手で相手のモノを掴み上下に扱けば、身体を仰け反らせながら腹の上に欲らを吐き出し、俺もゴムの中に欲を吐き出した。
「はぁっ、はぁっ…凜、さん…」
「…っ、ん?」
「何か…いつもと違う…」
「えっ、ごめん…っ、良く、なかった!?」
「あ、いや…そういうんじゃなくて、なんて言うか…いや、なんでもない。気にしないで?」
お客さんに気を使わせるなんて、俺も相当参ってるな…
とはいえ今は一日一回、予約のお客さんの相手をしたらその後は殆ど事務作業。
これだって将吾と幸せになる為に現場から上がって、店の管理の方に回れるようにと必死で頑張った結果だったのに、肝心の将吾がいないんじゃ話にならない。
まぁそもそも、現場は潮時だったのかもしれないけどね…
諸々の事務作業を済ませ、やっと仕事が終わったのは日をまたぐ頃。
帰りがけに携帯を確認すると、数件の着信とメッセージが残っていた。
(終わったら連絡ちょうだい)
そうメッセージを残していたのは健太だった。
健太に会いたくない訳では無いけれど、恐らく心と将吾の話だろう。
本当なら避けたいところだが、何かあったのなら困ると、渋々終わったことを伝えると近くの居酒屋に呼び出された。
「よっ、お疲れ」
「お疲れ~」
「相変わらず死にそうな顔してんな」
「疲れてんのよ、こっちは…」
席に着いてビールを注文すると、案の定健太は心と将吾の近況を口にし始めた。
それを聞いたところで俺はどうしたらいいの?
連れ戻せって連れ戻せってもう無理だって…
心労と疲労と眠気で健太の話なんか上の空。
ビールが届いて一気にそれを流し込むと、さっきよりは頭が冴えてきた気がする。
「なぁ、聞いてんの?」
「んぅ?なんの話?」
「だからぁ!将吾あの居酒屋で社員になるんだって!」
「えっ、社員!?居酒屋で?」
「そうだよ!これからは真面目に働くんだってさ。心が学生だから自分がしっかりしなきゃって思ったんじゃないの?今までより生き生きしてるって心が言ってたぞっ!」
そうか、将吾が社員に…
俺は将吾を甘くみてたのかもしれない。
まだ子供だから、将吾には俺がいないとダメだから、俺が何とかしてやらなきゃって思ってたけど、守るばっかりが本人の為じゃないかったんだな。
将吾自身が心のためにってちゃんと殻を破って成長していく姿を想像すると、俺はますます自信がなくなった。
もしかしたら俺が将吾の可能性を潰してたのかもしれない、自分じゃない方が将吾の為になると、そう思ったら俺が大人しく身を引くべきなんだと、改めてそう思ったんだ。
「だったらそれでいいだろ…」
「良くねぇだろっ!?」
「今更俺に何が出来んだよ…っ!あいつら上手くやってんだろ?なら俺の出る幕なんかねぇよ…っ」
「りっちゃんっ、マジであいつらくっついちゃうよ!?」
「俺にばっか言うなよ!取られたくねぇならお前が頑張ればいいだろ!?」
健太はただ将吾に心を取られたくないだけ、そこに体良く俺がいるからあわよくばと思ってるんだろうけど、あいにく俺はもう動くつもりは無い。
将吾が自分で心を選んだんだ。
俺より心が良いって、心のためにって頑張ってるなら俺は必要ないだろ?
でも、一つだけ。
ただ一つだけ将吾に伝えたいことがあって、俺はそれを伝えるために後日、居酒屋で将吾を待ち伏せた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
40
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる