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第一章 出会いと再会
ウリ
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心の家に居候してから二週間程が経った。
クリスマスも終わり、年末年始も結局心と一緒に過ごした。
心の親からの仕送りに入ってた食べ物なんかを一緒に食べたり、一緒に年を越して一緒に新年を祝った。
りつは今頃何してるんだろう…
向こうからの連絡は一切ない。
きっと運命的な再会に浮かれてただけで、りつは俺の事なんか気にもしてないんだ。
それに比べ心は俺に優しくしてくれるし、従順すぎる程に俺だけに尽くしてくれる。
だけど、こんな生活だってずっと続けていけるわけがない。
俺はバイト、心は学生、生活費は心の親が工面してくれてるとはいえそこに頼ってちゃダメだし、俺は俺でちゃんとしなきゃいけない。
いつまでも心に頼ってばかりじゃ、そのうち心にも愛想つかされてしまうかも…
何より心に迷惑がかかる。
そう思って俺は、心に内緒でまた売りに手を出し始めた。
心がバイトで帰りが遅くなる日、俺はこっそりと相手を見つけて体を売った。
まだあの時のことを思い出すと、前のように簡単には受け入れられないけど、店と違って時間制限なんてないし、やることをやってしまえばそれで終わり、その間の辛抱だ。
だけどやっぱり当たり外れはあるし、外れた時のダメージは大きくて、身体だけじゃなくココロまでも蝕んでいった。
「んぁ"っ…いっ、待って…っ!」
「うるせぇなぁっ…こっちは金払ってんだよ、黙って喘いでろ」
「うっ…あっ、あ…っ……」
横暴で他人の事なんか考えずにただひたすらに欲望をぶつけられ、こちらの声なんて一切届かない。
その時は無我夢中で早く終わってくれとそれだけを考えてたけど、帰ってくるなり込み上げてくるものを我慢しきれず、トイレに籠っていた。
「ただいまぁ…将吾…?いないの?」
もう出るものなんて何も無いのに、目の前がクラクラして吐き気だけが収まらない。
返事もできないし出るに出られないでいると、トイレがノックされ扉が開いてしまった。
「しょ…ご?大丈夫!?」
「はぁ…はぁ…ん、平気…」
この日はちょっと具合が悪いだけだと話を逸らしたけど、その後も前のようには出来なくて身体を売る度に気分が悪くなって、心に迷惑をかけた。
お金は入るけどココロが追いつかない、だけどお金が無いと生活できない。
このままだといつバレてもおかしくない…
「将吾…また気分悪いの?病院行った方がいいんじゃ…」
「はぁ…っ、平気…もう少ししたら良くなるから…」
「無理…してるの…?俺じゃダメ?頼りない?」
「そんな事ないっ…けど」
けど、なんだろう…
頼りないわけじゃない、心じゃダメってことも無い、だけど…
「俺が守るから…俺に頼ってよ…」
「心…」
こんなにも思ってくれてるのに、何も出来ない自分が悔しい。
りつと一緒にいた時だってそう、結局頼りっぱなしだった。
ぎゅっと抱きしめられると暖かくて、全てを委ねたくなるけど、俺の事をこんなにも思ってくれる心のためにも、自分自身が変わらなきゃってやっと気づけたんだ。
心を困らせたくない、このままじゃダメだって奮い立たせて、自分を傷つけない方法で何とか頑張ってみようと決意した。
クリスマスも終わり、年末年始も結局心と一緒に過ごした。
心の親からの仕送りに入ってた食べ物なんかを一緒に食べたり、一緒に年を越して一緒に新年を祝った。
りつは今頃何してるんだろう…
向こうからの連絡は一切ない。
きっと運命的な再会に浮かれてただけで、りつは俺の事なんか気にもしてないんだ。
それに比べ心は俺に優しくしてくれるし、従順すぎる程に俺だけに尽くしてくれる。
だけど、こんな生活だってずっと続けていけるわけがない。
俺はバイト、心は学生、生活費は心の親が工面してくれてるとはいえそこに頼ってちゃダメだし、俺は俺でちゃんとしなきゃいけない。
いつまでも心に頼ってばかりじゃ、そのうち心にも愛想つかされてしまうかも…
何より心に迷惑がかかる。
そう思って俺は、心に内緒でまた売りに手を出し始めた。
心がバイトで帰りが遅くなる日、俺はこっそりと相手を見つけて体を売った。
まだあの時のことを思い出すと、前のように簡単には受け入れられないけど、店と違って時間制限なんてないし、やることをやってしまえばそれで終わり、その間の辛抱だ。
だけどやっぱり当たり外れはあるし、外れた時のダメージは大きくて、身体だけじゃなくココロまでも蝕んでいった。
「んぁ"っ…いっ、待って…っ!」
「うるせぇなぁっ…こっちは金払ってんだよ、黙って喘いでろ」
「うっ…あっ、あ…っ……」
横暴で他人の事なんか考えずにただひたすらに欲望をぶつけられ、こちらの声なんて一切届かない。
その時は無我夢中で早く終わってくれとそれだけを考えてたけど、帰ってくるなり込み上げてくるものを我慢しきれず、トイレに籠っていた。
「ただいまぁ…将吾…?いないの?」
もう出るものなんて何も無いのに、目の前がクラクラして吐き気だけが収まらない。
返事もできないし出るに出られないでいると、トイレがノックされ扉が開いてしまった。
「しょ…ご?大丈夫!?」
「はぁ…はぁ…ん、平気…」
この日はちょっと具合が悪いだけだと話を逸らしたけど、その後も前のようには出来なくて身体を売る度に気分が悪くなって、心に迷惑をかけた。
お金は入るけどココロが追いつかない、だけどお金が無いと生活できない。
このままだといつバレてもおかしくない…
「将吾…また気分悪いの?病院行った方がいいんじゃ…」
「はぁ…っ、平気…もう少ししたら良くなるから…」
「無理…してるの…?俺じゃダメ?頼りない?」
「そんな事ないっ…けど」
けど、なんだろう…
頼りないわけじゃない、心じゃダメってことも無い、だけど…
「俺が守るから…俺に頼ってよ…」
「心…」
こんなにも思ってくれてるのに、何も出来ない自分が悔しい。
りつと一緒にいた時だってそう、結局頼りっぱなしだった。
ぎゅっと抱きしめられると暖かくて、全てを委ねたくなるけど、俺の事をこんなにも思ってくれる心のためにも、自分自身が変わらなきゃってやっと気づけたんだ。
心を困らせたくない、このままじゃダメだって奮い立たせて、自分を傷つけない方法で何とか頑張ってみようと決意した。
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