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第一章 出会いと再会
ゲーセン
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よし!ここは信頼を取り戻すべく、昔よりももっと心の距離を縮めようと思う。
身体の繋がりが全てじゃない…
俺だって失う事はまだ怖いけど、それ以上にもう手放す事の方が怖い。
「なぁ、ゲーセン行かね?」
「ゲーセン?何しに?」
「遊びに行く以外何があんだよ」
「俺、金…」
「だからいいって言ってんだろ?今日は好きなだけ遊べよ」
少し先の大きなゲーセンでコインゲームやらスロット、シューティングなんかを一通りやるとやっと年相応に楽しんでる将吾の姿が見れた。
「なぁ、今度これやろ?」
「え?俺絶対勝っちゃうよ?」
「いいから!早くっ!」
「負けても泣かないでよ?」
「泣かねーよっ!」
自信ありげに始めた割にめちゃくちゃ下手くそで、何度やっても勝てない将吾。
案の定俺が連勝すると、プクッとほっぺを膨らませ唇をとがらせて拗ねる表情は、昔っから全く変わってなくて安心する。
「子供相手に手加減とか知らねぇの?」
「お前もう子供じゃねぇだろうが!都合の悪い時だけ子供出すな!」
「もぉ…」
「わかったわかった、じゃあ何か取ってやるよ」
「絶対?嘘つかない?」
「あぁ、絶対だわ!」
クレーンゲームは金をつぎ込みさえすれば必ず取れると、俺は思ってる。
真剣に物色する将吾は、あるフィギュアの前で立ち止まった。
「んー、じゃあアレ」
「おっ、これ俺も好きっ」
「知ってる…」
「え?」
「保健室にいっぱいあったじゃん…」
あぁ、そうだ…
確かにいっぱい置いてあった。
そんな事までちゃんと覚えててくれたんだ…
そう思うと、何だか胸の奥が暖かくなって、昔の事を思い出し目頭が熱くなってくる。
「よし!3回なっ」
「3回?」
「3回で取ってやる!」
「無理じゃない?」
「ふっ、見てろよっ」
そして宣言通り、俺は3回でそのフィギュアを落として見せた。
「よっしゃっ!やった!」
「すごいっ…すごいじゃんっ!」
「ははっ、だろ?」
「うんっ!」
「はい、じゃあコレ…大事にしろよ?」
「ありがとうっ」
将吾が今日一の笑顔で俺に笑いかけてくる。
初めておもちゃを買って貰えた子供かってくらいはしゃいでて、次はアレ取ってコレ取ってと次から次へ催促され、袋いっぱいに景品を取るとそろそろすいませんと、店員さんから忠告されてしまう始末。
両手いっぱいにお菓子やらぬいぐるみやらの景品を抱えて外に出ると、もうすっかり日が暮れていた。
そして家に帰ると、将吾は最初に取ってやったフィギュアを取りだし、何故かそれだけを洋服ダンスの上に置いて嬉しそうに眺めている。
「なんでそれだけ飾るの?」
「だって加野っちから初めて貰った物だもんっ」
「なにそれ…あぁもぉっ、可愛いっっ!!」
「わぁっ、やめろよっ!」
「やめないやめないっ!なんならこのまま抱いていい?」
「やだっ、お風呂入るっ////」
「あ~ん…」
将吾の健気すぎる言葉に、思わず後ろから抱きついてそのまま頂こうと思ったのに、首に回した手を無理やり解かれお風呂場に行ってしまった。
その間に景品の中身を確認すると、この部屋に足りなかった皿とかコップも一通り揃ってしまった。
お菓子は冷蔵庫に入れて、残りのぬいぐるみやらを布団の横に置いて、そろそろ将吾が出るだろうから俺も入って来ようと風呂場に向かった。
入れ替わりで適当にシャワーを浴びて出てくると、俺を待っててくれたのかリビングのテーブルにうつ伏せで寝ちゃってる将吾を起こす。
「将吾っ、起きて」
「ん…あ…寝ちゃった」
「明日は?バイト…?」
「うん」
「そっか…じゃあ、あっちで寝よ」
「うん…」
目を擦りながら俺の服の裾を掴んでくっついてくる将吾。
俺はあの時、なんでこんな可愛いやつを置いて行ってしまったんだろう。
干したての布団に一緒に入ると、擦り寄ってきてそのまま静かに寝息を立て始めた。
俺はちょっと残念な気持ちもありつつ、可愛い寝顔に癒されながら前髪をかき分けおでこに手を当てると、何となく将吾と出会った頃のことを思い出しながら眠りについた。
身体の繋がりが全てじゃない…
俺だって失う事はまだ怖いけど、それ以上にもう手放す事の方が怖い。
「なぁ、ゲーセン行かね?」
「ゲーセン?何しに?」
「遊びに行く以外何があんだよ」
「俺、金…」
「だからいいって言ってんだろ?今日は好きなだけ遊べよ」
少し先の大きなゲーセンでコインゲームやらスロット、シューティングなんかを一通りやるとやっと年相応に楽しんでる将吾の姿が見れた。
「なぁ、今度これやろ?」
「え?俺絶対勝っちゃうよ?」
「いいから!早くっ!」
「負けても泣かないでよ?」
「泣かねーよっ!」
自信ありげに始めた割にめちゃくちゃ下手くそで、何度やっても勝てない将吾。
案の定俺が連勝すると、プクッとほっぺを膨らませ唇をとがらせて拗ねる表情は、昔っから全く変わってなくて安心する。
「子供相手に手加減とか知らねぇの?」
「お前もう子供じゃねぇだろうが!都合の悪い時だけ子供出すな!」
「もぉ…」
「わかったわかった、じゃあ何か取ってやるよ」
「絶対?嘘つかない?」
「あぁ、絶対だわ!」
クレーンゲームは金をつぎ込みさえすれば必ず取れると、俺は思ってる。
真剣に物色する将吾は、あるフィギュアの前で立ち止まった。
「んー、じゃあアレ」
「おっ、これ俺も好きっ」
「知ってる…」
「え?」
「保健室にいっぱいあったじゃん…」
あぁ、そうだ…
確かにいっぱい置いてあった。
そんな事までちゃんと覚えててくれたんだ…
そう思うと、何だか胸の奥が暖かくなって、昔の事を思い出し目頭が熱くなってくる。
「よし!3回なっ」
「3回?」
「3回で取ってやる!」
「無理じゃない?」
「ふっ、見てろよっ」
そして宣言通り、俺は3回でそのフィギュアを落として見せた。
「よっしゃっ!やった!」
「すごいっ…すごいじゃんっ!」
「ははっ、だろ?」
「うんっ!」
「はい、じゃあコレ…大事にしろよ?」
「ありがとうっ」
将吾が今日一の笑顔で俺に笑いかけてくる。
初めておもちゃを買って貰えた子供かってくらいはしゃいでて、次はアレ取ってコレ取ってと次から次へ催促され、袋いっぱいに景品を取るとそろそろすいませんと、店員さんから忠告されてしまう始末。
両手いっぱいにお菓子やらぬいぐるみやらの景品を抱えて外に出ると、もうすっかり日が暮れていた。
そして家に帰ると、将吾は最初に取ってやったフィギュアを取りだし、何故かそれだけを洋服ダンスの上に置いて嬉しそうに眺めている。
「なんでそれだけ飾るの?」
「だって加野っちから初めて貰った物だもんっ」
「なにそれ…あぁもぉっ、可愛いっっ!!」
「わぁっ、やめろよっ!」
「やめないやめないっ!なんならこのまま抱いていい?」
「やだっ、お風呂入るっ////」
「あ~ん…」
将吾の健気すぎる言葉に、思わず後ろから抱きついてそのまま頂こうと思ったのに、首に回した手を無理やり解かれお風呂場に行ってしまった。
その間に景品の中身を確認すると、この部屋に足りなかった皿とかコップも一通り揃ってしまった。
お菓子は冷蔵庫に入れて、残りのぬいぐるみやらを布団の横に置いて、そろそろ将吾が出るだろうから俺も入って来ようと風呂場に向かった。
入れ替わりで適当にシャワーを浴びて出てくると、俺を待っててくれたのかリビングのテーブルにうつ伏せで寝ちゃってる将吾を起こす。
「将吾っ、起きて」
「ん…あ…寝ちゃった」
「明日は?バイト…?」
「うん」
「そっか…じゃあ、あっちで寝よ」
「うん…」
目を擦りながら俺の服の裾を掴んでくっついてくる将吾。
俺はあの時、なんでこんな可愛いやつを置いて行ってしまったんだろう。
干したての布団に一緒に入ると、擦り寄ってきてそのまま静かに寝息を立て始めた。
俺はちょっと残念な気持ちもありつつ、可愛い寝顔に癒されながら前髪をかき分けおでこに手を当てると、何となく将吾と出会った頃のことを思い出しながら眠りについた。
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