6 / 106
第一章 出会いと再会
約束の日
しおりを挟む
正直、行こうかどうか迷った…
だけど今後、バイト先でなんかあったら嫌だなと思い、指定されたファミレスに少し遅れて入っていくと、窓際の席から大きく手を振る彼の姿を見つけた。
「ごめん、待った?」
「ううん、今来たとこ!なんか頼みます?」
「あぁ、うん。ありがとう」
メニューを手渡されると、初デートかのように浮かれてる彼。
本当にコイツ大丈夫か?と思いながらそんな彼の態度をじっくりと観察する。
俺との時間が楽しみだったのか、それとも何かとんでもない事でも企んでいるのか…
彼の思惑がはっきりするまでは気が抜けない。
「ねぇ…さっきから何ニヤニヤしてんの?」
「え…っ?顔に出てました!?やぁ…恥ずっ…////」
本気で照れてる彼にこっちまで恥ずかしくなる…
見れば見るほどイケメンだし、女には不自由していなそうだが…
ジュースを注文し終わると無言の時間が流れ、若干気まずい雰囲気が流れ始める。
俺はちょっと緊張しながらも彼の出方を伺っていた。
「あ、あのぉ…時間作ってくれてありがとうございますっ」
「いや、別にそんな…」
「だって俺、ずっと話してみたかったんです!夏川くんと…」
「ふーん…変なの」
やっぱりなんか変わったヤツなんだ…と思いながらも、いつ本題を振られるのかと内心ドキドキしながら届いたジュースを一口飲んだ。
「夏川くんて、綺麗ですよね…」
「…っは?」
「あっ、いや…初めて見た時からっ、その…綺麗な人だなぁって…思って…」
ぶっちゃけ可愛いとかなら言われたことあるけど、綺麗なんて言われたことなくてめちゃくちゃ恥ずかしい。
しかも相手は男だぞ…?
突然の事にどう返していいのか分からなくて、一旦冷静になろうと再びジュースに手を伸ばした。
一口飲んでから気持ちを落ち着かせると、再び警戒心を高めて気を引き締め直す。
やっぱり何かの勧誘か?
はたまたま気分を良くさせて、金貸してくれとかそういう類の話なのかもしれないし…
「あの…この前の事…なんだけど…」
キタ…
やっぱり揺すられるのか?
それとも彼もこっちに興味があったりするのか?
男の事を綺麗だとか…
そんなこと普通言わないもんな。
「夏川くんは…お客さん…?それとも…」
あぁそうか、そうだよな?
店に入ったのを見られただけじゃどっちかわかんねぇもんな?
そういう趣味がある男、もしくはそこで働いてるボーイ。
…まぁどっちにしたってやることは同じだ、面倒だからここは正直に話して流れに任せてしまおう。
「俺はあそこのボーイ。要は掛け持ちであっちでもバイトしてんの」
「掛け持ち…えっと、ボーイって…」
「客の相手するって事」
「お、男の人の…?」
「うん、そうだけど…」
脳内で処理しきれないでいるのか、ぽかんと口を開けたままの彼。
そういやまだちゃんと名前も、知らないや…笑
「そのお仕事って…大変じゃないの…?」
あれ?もしかしてこいつ…
俺じゃなくて仕事の方に興味がある感じか!?
なら話は早い、教えられる事さっさと教えてもうこの話は終わりだ。
「お前さ、もしかしてこの仕事に興味あんの?」
「へっ?いや、違う違う!興味あるのは夏川くんでバイトの方じゃないっ…ってのもおかしいか…」
「ふふっ、まじで変なの」
俺に興味があるなんて、やっぱり変わってるやつだと思って思わず笑ってしまった。
人と話してて、笑ったのなんていつぐらいぶりだろう…
疑ってたような揺すりとか勧誘とかそんなんではなさそうで少し安心すると、こいつと少し話してみたい…
そんな気にもなってきた。
「ごめんなさいっ、なんか気持ち悪かな…俺」
「別に?俺、男からもモテるし、慣れてるし」
「あ、じゃあやっぱり…そのぉ…バイ、的な…」
「あぁ、うん。別に、男でも女でもどっちも同じじゃん?入れる穴が違うだけでさ?」
「ぶーっ!!」
当たり前の事を言ったつもりが彼にしてみたら衝撃的だったのか飲んでいたジュースを思いっきり吹き出しやがった。
「うわっ!お前飛ばすなよ!!」
「あーっごめんなさいっ!今拭きますぅ…っ」
「びっちょびちょじゃんっ!」
「あぁ、ほんとごめんなさい…あ、俺ん家すぐそこなんで服貸しますから来てくださいっ!」
「え?いいよ別にそこまで…」
「ダメですっ!このままじゃ帰せませんっ!」
帰せませんって…
やっぱり新手の勧誘かなんかなのか?
まぁ、もしそんなんだったら丁重にお断りして、今後一切関わらなければいいだけだ。
今回は取り敢えず様子見がてら、大人しく彼の家まで着いて行くことにした。
だけど今後、バイト先でなんかあったら嫌だなと思い、指定されたファミレスに少し遅れて入っていくと、窓際の席から大きく手を振る彼の姿を見つけた。
「ごめん、待った?」
「ううん、今来たとこ!なんか頼みます?」
「あぁ、うん。ありがとう」
メニューを手渡されると、初デートかのように浮かれてる彼。
本当にコイツ大丈夫か?と思いながらそんな彼の態度をじっくりと観察する。
俺との時間が楽しみだったのか、それとも何かとんでもない事でも企んでいるのか…
彼の思惑がはっきりするまでは気が抜けない。
「ねぇ…さっきから何ニヤニヤしてんの?」
「え…っ?顔に出てました!?やぁ…恥ずっ…////」
本気で照れてる彼にこっちまで恥ずかしくなる…
見れば見るほどイケメンだし、女には不自由していなそうだが…
ジュースを注文し終わると無言の時間が流れ、若干気まずい雰囲気が流れ始める。
俺はちょっと緊張しながらも彼の出方を伺っていた。
「あ、あのぉ…時間作ってくれてありがとうございますっ」
「いや、別にそんな…」
「だって俺、ずっと話してみたかったんです!夏川くんと…」
「ふーん…変なの」
やっぱりなんか変わったヤツなんだ…と思いながらも、いつ本題を振られるのかと内心ドキドキしながら届いたジュースを一口飲んだ。
「夏川くんて、綺麗ですよね…」
「…っは?」
「あっ、いや…初めて見た時からっ、その…綺麗な人だなぁって…思って…」
ぶっちゃけ可愛いとかなら言われたことあるけど、綺麗なんて言われたことなくてめちゃくちゃ恥ずかしい。
しかも相手は男だぞ…?
突然の事にどう返していいのか分からなくて、一旦冷静になろうと再びジュースに手を伸ばした。
一口飲んでから気持ちを落ち着かせると、再び警戒心を高めて気を引き締め直す。
やっぱり何かの勧誘か?
はたまたま気分を良くさせて、金貸してくれとかそういう類の話なのかもしれないし…
「あの…この前の事…なんだけど…」
キタ…
やっぱり揺すられるのか?
それとも彼もこっちに興味があったりするのか?
男の事を綺麗だとか…
そんなこと普通言わないもんな。
「夏川くんは…お客さん…?それとも…」
あぁそうか、そうだよな?
店に入ったのを見られただけじゃどっちかわかんねぇもんな?
そういう趣味がある男、もしくはそこで働いてるボーイ。
…まぁどっちにしたってやることは同じだ、面倒だからここは正直に話して流れに任せてしまおう。
「俺はあそこのボーイ。要は掛け持ちであっちでもバイトしてんの」
「掛け持ち…えっと、ボーイって…」
「客の相手するって事」
「お、男の人の…?」
「うん、そうだけど…」
脳内で処理しきれないでいるのか、ぽかんと口を開けたままの彼。
そういやまだちゃんと名前も、知らないや…笑
「そのお仕事って…大変じゃないの…?」
あれ?もしかしてこいつ…
俺じゃなくて仕事の方に興味がある感じか!?
なら話は早い、教えられる事さっさと教えてもうこの話は終わりだ。
「お前さ、もしかしてこの仕事に興味あんの?」
「へっ?いや、違う違う!興味あるのは夏川くんでバイトの方じゃないっ…ってのもおかしいか…」
「ふふっ、まじで変なの」
俺に興味があるなんて、やっぱり変わってるやつだと思って思わず笑ってしまった。
人と話してて、笑ったのなんていつぐらいぶりだろう…
疑ってたような揺すりとか勧誘とかそんなんではなさそうで少し安心すると、こいつと少し話してみたい…
そんな気にもなってきた。
「ごめんなさいっ、なんか気持ち悪かな…俺」
「別に?俺、男からもモテるし、慣れてるし」
「あ、じゃあやっぱり…そのぉ…バイ、的な…」
「あぁ、うん。別に、男でも女でもどっちも同じじゃん?入れる穴が違うだけでさ?」
「ぶーっ!!」
当たり前の事を言ったつもりが彼にしてみたら衝撃的だったのか飲んでいたジュースを思いっきり吹き出しやがった。
「うわっ!お前飛ばすなよ!!」
「あーっごめんなさいっ!今拭きますぅ…っ」
「びっちょびちょじゃんっ!」
「あぁ、ほんとごめんなさい…あ、俺ん家すぐそこなんで服貸しますから来てくださいっ!」
「え?いいよ別にそこまで…」
「ダメですっ!このままじゃ帰せませんっ!」
帰せませんって…
やっぱり新手の勧誘かなんかなのか?
まぁ、もしそんなんだったら丁重にお断りして、今後一切関わらなければいいだけだ。
今回は取り敢えず様子見がてら、大人しく彼の家まで着いて行くことにした。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる