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第二章 真実とは…
デート?
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一先ず外に出かけたはいいけど、本当にノープラン。
俺が車でも持ってりゃどっか遠くまで連れてってやれるのになぁ…なんてぼんやり考えながら、一先ず近所のファミレスに着いた。
春人の好きなオムライスと俺のハンバーグが運ばれてくると、いただきますと手を合わせて食べ初めて気が付いた。
利き手が使えなくて食べづらそうな春人。
食べに行くとかじゃなくてやっぱり家にすれば良かったと、少し後悔するがもう遅い。
「春人…食べずらいよな。ごめん…っ」
「うん…平気、何とか出来そう」
そうは言ってもやっぱり食べづらそうで、俺は向かい合ってた席を移動して春人の隣に座ると、春人のスプーンを奪い取って口に運んだ。
「はい、あ~んして?」
「ばっ、いいよ!そんな事しなくても…っ///」
「こぼしたら服にケチャップ付くよ?」
そう言うと春人は渋々口を開けて、俺が運んだオムライスを頬張った。
「美味しい?」
「うん…///」
春人は終始照れくさそうだったけど、俺にとっては至福の時間。
手が使えない事なんて滅多にないんだから、もう二度とこんな事させてくれ無いかもしれないしね!
さてお腹も脹れたところで、次はどこに行こうか…
今からだと遠くまでは行けないし、かと言ってゲーセンはさっき断られたようなもんだしなぁ…と頭を悩ませていると、春人が小さく声を上げた。
「あ」
「ん?」
「服見に行きたい」
「服?」
「うん、新しいの欲しい」
なるほど、買い物か!
そういえば一緒に買い物なんてもう何年もしてないけど、たまに連絡が来るこれどう思う?って言う確認の連絡。
春人の趣味が知れるから、実は毎回楽しみにしている。
「おっ、いいねぇ!じゃあ今日は俺が選んでもいい?」
「えっ、それはしなくていい…」
「なんで?」
「だってお前が選ぶの派手なやつばっかじゃんっ」
「えっ?派手!?でも春人絶対似合うと思うんだけどなぁ」
「…そう?」
「うんっ、ちょっと俺に選ばせてよっ」
「うん…わかった…」
ちょっと照れくさそうに俯く春人を連れて、俺の行きつけのお店に向かうべく右手を掴み足早に歩き出す。
恥ずかしいのか手を離そうとするけど、そんなことしたって絶対離してやんないんだから。
目的のお店に到着すると早速俺の見立てで、春人のファッションショーが始まる。
いつもの店員さんもノリノリで、『とってもお似合いですよぉ~』なんて言いながら、春人を上手い事乗せていってくれる。
そして一通り上から下まで俺のコーデが整うと、そのまま自分のと合わせてレジに向かった。
「ちょっ、待って!?着替えるからっ」
「いいよそのままで、似合ってるし」
「ん、なら俺の分は俺で…っ」
「いいから、俺がしたいようにさせたんだから俺に払わせて!」
「え、でも…」
「遠慮すんなよ」
「いや、だってさぁ…」
「こういう時は、甘えときゃいんだって」
そして全部まとめてお支払いを済ませてお店を出ると、まだなんか言いたげな春人の手を取り歩き出した。
「何の日でもねぇのに…」
「まぁいいじゃない、俺のからの気持ちなんだから。素直に受け取りなさいよ」
「うん…ありがとう///」
「どういたしまして」
「冬弥は?何買ったの?」
「あ、俺?同じの一式」
「は?全部!?」
「そっ♡」
「なんでだよっ!」
「今流行りの双子コーデ?」
「うわっ無理っ!お前が着てる時ぜってぇ着ねぇかんなっ///」
「えぇっ、せっかくオソロで買ったのにぃ…」
口ではやだやだと断固拒否な素振りを見せるけど、耳まで真っ赤にして照れる春人が本当に可愛い…
わちゃわちゃとふざけながらそろそろ帰ろうかなんて話してると、春人が何かを見つけてお店のショーウィンドウに張り付いた。
「ねぇ!冬弥、これっ!」
「ん?おぉ、可愛いな」
「入ってもいい?」
「え?まぁ…いいけど」
自分の買い物の時より嬉しそうに目を輝かせる春人は、キョロキョロと落ち着かない様子で洋服を物色し始めた。
するとすかさず店員さんに声をかけられて、焦って照れまくってる春人が面白すぎて、笑いを堪えながら暫く様子を伺ってると、俺の方をチラチラ見てくるからそろそろ限界かな?と傍に寄って行った。
「何ですぐ来ねぇんだよっ…」
「いや、焦ってんの可愛いくて…」
「は…?意味わかんねぇ////」
「で?何かお困りで?」
「あっ、ゆきって何歳?」
「あぁ、うんっと…もうすぐ10ヶ月位になんのかなぁ…」
「じゃあ…こんくらい?」
「うん、そうだな!少し大きめでいいと思うぞ?』
「うん、わかった!」
女の子だからピンクかなぁ…
あ、けどゆきだから水色でもいいかな?
とかいいながら俺にこれは?これは?と次々に提案してくる楽しそうに笑う春人に嬉しくなる反面、やっぱり同じくらい心配になるんだ。
愛情を注げば注ぐほど、別れが辛くなるんじゃないかと…
「んふっ…ねぇ、これっ耳ついてる♡」
「あはっ、そうだなっ」
「うさぎとくまさん、どっちがいいかな?」
「う~ん、うさぎじゃね?」
「…ゆきうさぎ…ねぇ!?ゆきうさぎじゃん♡」
「そうだな」
これは俺が買うっ!と意気揚々と会計を済ませお店を出れば、もう外は暗くて気温もだいぶ下がっていた。
「うぅ…さみぃ…」
「ほらっ…」
「ん?いいよ…っ」
「いいから」
「恥ずかしいんだってばっ…///」
なかなか手を出そうとしないから春人の腰を掴んでグッと引き寄せ体を密着させれば、やめろと言わんばかりに突き返されるからさらに力を込めて引き寄せて耳元で囁いた。
「言う事聞かないとここで襲うよ?」
「なっ…////」
「ほら…手かせよ」
「んぅ…///」
隠してた手をそっと俺の前に差し出して照れるから、その手を取ってコートのポケットに突っ込んだ。
ポケットの中の手が自然と絡みそこだけポカポカと暖かい…
照れ隠しなのか全然目を合わせてくれないけど、それがまた可愛くて襲いたい気持ちを抑えながら家に帰ると、幸せな一日も終りを迎え二人一緒に眠りについた。
俺が車でも持ってりゃどっか遠くまで連れてってやれるのになぁ…なんてぼんやり考えながら、一先ず近所のファミレスに着いた。
春人の好きなオムライスと俺のハンバーグが運ばれてくると、いただきますと手を合わせて食べ初めて気が付いた。
利き手が使えなくて食べづらそうな春人。
食べに行くとかじゃなくてやっぱり家にすれば良かったと、少し後悔するがもう遅い。
「春人…食べずらいよな。ごめん…っ」
「うん…平気、何とか出来そう」
そうは言ってもやっぱり食べづらそうで、俺は向かい合ってた席を移動して春人の隣に座ると、春人のスプーンを奪い取って口に運んだ。
「はい、あ~んして?」
「ばっ、いいよ!そんな事しなくても…っ///」
「こぼしたら服にケチャップ付くよ?」
そう言うと春人は渋々口を開けて、俺が運んだオムライスを頬張った。
「美味しい?」
「うん…///」
春人は終始照れくさそうだったけど、俺にとっては至福の時間。
手が使えない事なんて滅多にないんだから、もう二度とこんな事させてくれ無いかもしれないしね!
さてお腹も脹れたところで、次はどこに行こうか…
今からだと遠くまでは行けないし、かと言ってゲーセンはさっき断られたようなもんだしなぁ…と頭を悩ませていると、春人が小さく声を上げた。
「あ」
「ん?」
「服見に行きたい」
「服?」
「うん、新しいの欲しい」
なるほど、買い物か!
そういえば一緒に買い物なんてもう何年もしてないけど、たまに連絡が来るこれどう思う?って言う確認の連絡。
春人の趣味が知れるから、実は毎回楽しみにしている。
「おっ、いいねぇ!じゃあ今日は俺が選んでもいい?」
「えっ、それはしなくていい…」
「なんで?」
「だってお前が選ぶの派手なやつばっかじゃんっ」
「えっ?派手!?でも春人絶対似合うと思うんだけどなぁ」
「…そう?」
「うんっ、ちょっと俺に選ばせてよっ」
「うん…わかった…」
ちょっと照れくさそうに俯く春人を連れて、俺の行きつけのお店に向かうべく右手を掴み足早に歩き出す。
恥ずかしいのか手を離そうとするけど、そんなことしたって絶対離してやんないんだから。
目的のお店に到着すると早速俺の見立てで、春人のファッションショーが始まる。
いつもの店員さんもノリノリで、『とってもお似合いですよぉ~』なんて言いながら、春人を上手い事乗せていってくれる。
そして一通り上から下まで俺のコーデが整うと、そのまま自分のと合わせてレジに向かった。
「ちょっ、待って!?着替えるからっ」
「いいよそのままで、似合ってるし」
「ん、なら俺の分は俺で…っ」
「いいから、俺がしたいようにさせたんだから俺に払わせて!」
「え、でも…」
「遠慮すんなよ」
「いや、だってさぁ…」
「こういう時は、甘えときゃいんだって」
そして全部まとめてお支払いを済ませてお店を出ると、まだなんか言いたげな春人の手を取り歩き出した。
「何の日でもねぇのに…」
「まぁいいじゃない、俺のからの気持ちなんだから。素直に受け取りなさいよ」
「うん…ありがとう///」
「どういたしまして」
「冬弥は?何買ったの?」
「あ、俺?同じの一式」
「は?全部!?」
「そっ♡」
「なんでだよっ!」
「今流行りの双子コーデ?」
「うわっ無理っ!お前が着てる時ぜってぇ着ねぇかんなっ///」
「えぇっ、せっかくオソロで買ったのにぃ…」
口ではやだやだと断固拒否な素振りを見せるけど、耳まで真っ赤にして照れる春人が本当に可愛い…
わちゃわちゃとふざけながらそろそろ帰ろうかなんて話してると、春人が何かを見つけてお店のショーウィンドウに張り付いた。
「ねぇ!冬弥、これっ!」
「ん?おぉ、可愛いな」
「入ってもいい?」
「え?まぁ…いいけど」
自分の買い物の時より嬉しそうに目を輝かせる春人は、キョロキョロと落ち着かない様子で洋服を物色し始めた。
するとすかさず店員さんに声をかけられて、焦って照れまくってる春人が面白すぎて、笑いを堪えながら暫く様子を伺ってると、俺の方をチラチラ見てくるからそろそろ限界かな?と傍に寄って行った。
「何ですぐ来ねぇんだよっ…」
「いや、焦ってんの可愛いくて…」
「は…?意味わかんねぇ////」
「で?何かお困りで?」
「あっ、ゆきって何歳?」
「あぁ、うんっと…もうすぐ10ヶ月位になんのかなぁ…」
「じゃあ…こんくらい?」
「うん、そうだな!少し大きめでいいと思うぞ?』
「うん、わかった!」
女の子だからピンクかなぁ…
あ、けどゆきだから水色でもいいかな?
とかいいながら俺にこれは?これは?と次々に提案してくる楽しそうに笑う春人に嬉しくなる反面、やっぱり同じくらい心配になるんだ。
愛情を注げば注ぐほど、別れが辛くなるんじゃないかと…
「んふっ…ねぇ、これっ耳ついてる♡」
「あはっ、そうだなっ」
「うさぎとくまさん、どっちがいいかな?」
「う~ん、うさぎじゃね?」
「…ゆきうさぎ…ねぇ!?ゆきうさぎじゃん♡」
「そうだな」
これは俺が買うっ!と意気揚々と会計を済ませお店を出れば、もう外は暗くて気温もだいぶ下がっていた。
「うぅ…さみぃ…」
「ほらっ…」
「ん?いいよ…っ」
「いいから」
「恥ずかしいんだってばっ…///」
なかなか手を出そうとしないから春人の腰を掴んでグッと引き寄せ体を密着させれば、やめろと言わんばかりに突き返されるからさらに力を込めて引き寄せて耳元で囁いた。
「言う事聞かないとここで襲うよ?」
「なっ…////」
「ほら…手かせよ」
「んぅ…///」
隠してた手をそっと俺の前に差し出して照れるから、その手を取ってコートのポケットに突っ込んだ。
ポケットの中の手が自然と絡みそこだけポカポカと暖かい…
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