実らない恋だと思ってたのに!?〜小さな天使は僕らの恋のキューピットだった♡〜

むらさきおいも

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第二章 真実とは…

休日の朝

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昨日は何か色んな事がありすぎて、帰宅して間もなく二人してそのまま眠ってしまった。

朝目が覚めると、スヤスヤと眠る春人の寝顔がすぐ側にある。

いつもツラい目に遭わせて苦しめて…
俺の事嫌いにならない?
それでも俺のそばに居てくれるの?

心の中でそう呟きながら春人の寝顔をひと撫ですると、春人の瞼がゆっくりと開いた。


「んぅ…」

「はよぉ」

「ん…もう朝ぁ…?」

「うん…」


眠そうに目を擦る春人の指に巻かれた包帯が痛々しくて、ついつい顔を顰めてしまえば、そんな俺の反応を心配そうに見つめる。


「冬弥ぁ…?」

「…んっ?あぁ…昨日はごめんな、俺のせいで…」

「ううん…」

「指、痛くない?」

「うん、平気…」


ふわっと微笑む春人に心臓を鷲掴みにされながらも、やっぱり沢山傷つけたお詫びはしなきゃと、春人の髪を撫でながら頭を悩ませる…


「あのさ?しばらく泊まっていい?」

「えっ…うん。いいけど…」

「春人が仕事の日まで…な?」

「うん…」


急に何?みたいな顔で俺を見てくる春人。

考えてみれば付き合い初めてから今まで、2人でゆっくりした事もデートらしいデートもした事ない。

そもそもゆきの事で手一杯でそれどころじゃなかったから、やっと手が離れたかと思ったところにこのゴタゴタで、これを機にちゃんとカップルらしい事しなきゃって思ったんだ。

今までしてきた事と言えば大概エッチだなんて、そんなのちょっと寂しいじゃんっ…

体の繋がりだけじゃなくて、俺らにもちゃんと思い出が欲しい。


「早速だけどさ、どっか出かけね?」

「出かける?」

「おぅ、デートしよ?」

「えっ////デートっ!?」

「うん、デート♡だめ…?」

「や、だめ…じゃねぇけど…どこ行くの…?」

「行きたいとこねぇの?」

「んー…特に…」


あぁ、そうだ…
そもそも、春人自身が出不精だった…


「う~ん、じゃあゲーセン?」

「それじゃ昔と変わんねぇだろ」

「えぇ、じゃあどっかないの!?」


う~ん…って唸りながらそのまま寝ちゃう?ってくらい悩んでる春人…
そんなに悩ませるくらいなら家でいいかなぁ…なんて思い、一先ず起きて伸びをする。


「とりあえず腹減ったから、朝飯買いに行かね?」

「あぁ、うん。てかもう昼じゃん…」

「だな、じゃあなんか食べ行くか?」

「うん、そうだな…食べ行く」


俺に続いてのそっと起きてきた春人は、先に風呂って言いながら脱衣所に向かって行った…

が、すぐに戻ってきた。


「あぇ?どうした?」

「洗えない…」

「え?洗えな…あ…っ」


そういや(しばらく水仕事とお風呂は…)って言われたな。

洗えないって戻ってきたって事は…洗って?って事?


「出かけんのやめね?」

「えっ!?なんでよっ」

「風呂入れないのやだ…」


なるほど、そっちの選択をするんだな…
でも、今日の俺は折れない!今日はお出かけします!


「洗えりゃいいんだろ?」

「えっ、まぁ…」

「じゃあ洗ってやるよ…」

「えっ、あ、や…///」


戸惑う春人の手を引いて、脱衣所に向かい我先にと服を脱ぐ。

それでもまだ恥ずかしがる春人だが、既に全裸の俺はもっと恥ずかしい…


「おい、早くしろよっ///」

「いいよっ…そこまでしなくてもっ///」

「何恥ずかしがってんだよ。前も一緒に入ったじゃん///」

「そぉ…だけどっ…///」

「ほらっ、脱げっ!」

「あっ…やっ…///」


子供の服を脱がせるみたいに春人のトレーナーを剥ぎ取れば、追い剥ぎにあったかの如く俺を睨みつけてくる。

これじゃ俺が無理やり襲ってるみたいじゃねぇか…

まぁ、本当はこのまま襲っちゃいたいけど、ここでしちゃったら結局いつもと一緒…

今日はしないってさっき決めたから、我慢だ!!我慢!!


「もう、後は自分でやれよ」

「…わかったよ」


やっと観念したのか、服を脱ぎ出して風呂場に入る春人。

ボディーソープを付けて背中を洗ってやると、できる所はやると俺からタオルを奪い取り器用に洗っていく。

それでもやっぱり片手をかばいながらはやりにくいらしく、頭は洗ってやる事にした。


「痒いところはございませんかぁ~」

「あぁ…右、や、左?う~ん、後ろの方!やっぱ前!」

「あっ、ん?…ちょっ、結局どこぉ!?」

「ぐははっ!」


俺をからかって遊ぶ春人に、ようやく許された様な気持ちになってほっとして、一通り洗い終わって風呂から出ると、俺らは支度をして外に出た。
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