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第二章 真実とは…
大事な話(春人)
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そろそろ飯でも食うかとお風呂を沸かし買ってきた弁当をテーブルに広げると、携帯が鳴り確認すれば冬弥からで「話があるから昼過ぎに店に行く」と一言…
何の話しだろう?と思ってすぐに返事を返せば、今仕事中だからとにかく明日と半ば強引に切り上げられた。
話なんて電話ですればいいし、何なら週末会える時じゃダメなんだろうか。
わざわざ涼二の店に来て話さなくても…
けど変に突っ込んで拗らせたくもなかったから、何だかちょっと不安だけど明日を待つことにした。
........
そして次の日…
涼二は知らないのか冬弥が来る事に対して何も言ってはこないし、俺からもあえて言わないまま昼のピークが落ち着いた頃、何故か夏希がお店に来た。
「冬弥はまだ?」なんて涼二に話し始めるから、やっぱり知ってたんだってことに気がつく…
一体何の話なんだろう、余計に不安になる。
そしてほとんどのお客さんがはけた後、冬弥が慌てた様子で店にやってきて俺より先に夏希に声をかけた。
「悪ぃ、待たせたな」
「ううん、俺が早く来すぎちゃっただけだから」
「いらっしゃい、何飲む?」
「あ、じゃあコーラ」
話って夏希とだったのかな?
なんて思いつつ、冬弥の前にコーラが置かれて本題に入る。
「なぁ…昨日の話って何?」
「あぁ、うん。ちょっと厄介なことになっちゃってさ… 怒んないで聞いてくれる?」
「んなの聞かなきゃわかんねぇよ」
「だよねぇ…これ、なんだけどさ」
俺の前に、1枚の手紙と何かの写真のようなものがが置かれる。
手紙にはここに来るようにとの要件が書いてあって、最後に女の子の名前が書いてある。
これは…告白されるとかそう言う事!?
今どき手紙なんて昭和なの?
「…これが、何?」
「これ、元カノからでさ。その、これね…赤ちゃんのエコー写真なんだけど…」
「あ、赤ちゃんの…お前っ…!」
「違う違うっ…!ちゃんと聞いてっ…」
そんなのちゃんと聞けるわけがない!
元カノから赤ちゃんのエコー写真が手紙と一緒になんて、そんなの別れようって言われるやつに決まってんじゃん…
俺は込み上げてくる感情を必死に押えると、隣にいた涼二に肩をぽんと叩かれ椅子に座るように促されて、素直にカウンターの中の椅子に座った。
そうだ…冬弥に限ってそんなことあるはずない…でも。
「まず俺にはそんな覚えなんてないの!それは信じて!」
「じゃあ…なんでこんなもん送ってくんだよ」
「それが俺にもわかんねぇんだよ。お前と付き合うってなってちゃんとあいつとは別れたし、その前だってそんな…思い当たる節がないし…多分…」
「多分て…何だよ…」
「や、うん…俺には覚えがないだけでもしかしたら…でもっ、でも俺、春人とは別れたくないのっ…だからっ」
「そんな事言ったってもし本当にお前の子だったらどうすんだよっ…見捨てるのっ…?」
「そっ、それはっ…」
気まずい空気が流れて俺の感情ももう限界で、視界はぼやけて瞬きしたら溢れてしまいそうなくらいだ…
「お前…っ、子供好きじゃん。俺とじゃ無理なんだから…そういう選択肢もあるんじゃないの…?」
「…っ、そんなの考えた事ねぇしっ!アイツとよりを戻す気だってこれっぽっちもないっ!俺は春人さえいればそれでっ…」
「じゃあ子供はどうすんだよ…っ」
「もし俺の子なら…認知だけは…」
そうだよな…そう言うと思ったよ。
でもそれだけで済むと思う?
冬弥は絶対手放せなくなるだろ?
そしたら俺なんて…
俺なんてきっと…
瞼を閉じたと同時に頬に涙が伝った。
何の話しだろう?と思ってすぐに返事を返せば、今仕事中だからとにかく明日と半ば強引に切り上げられた。
話なんて電話ですればいいし、何なら週末会える時じゃダメなんだろうか。
わざわざ涼二の店に来て話さなくても…
けど変に突っ込んで拗らせたくもなかったから、何だかちょっと不安だけど明日を待つことにした。
........
そして次の日…
涼二は知らないのか冬弥が来る事に対して何も言ってはこないし、俺からもあえて言わないまま昼のピークが落ち着いた頃、何故か夏希がお店に来た。
「冬弥はまだ?」なんて涼二に話し始めるから、やっぱり知ってたんだってことに気がつく…
一体何の話なんだろう、余計に不安になる。
そしてほとんどのお客さんがはけた後、冬弥が慌てた様子で店にやってきて俺より先に夏希に声をかけた。
「悪ぃ、待たせたな」
「ううん、俺が早く来すぎちゃっただけだから」
「いらっしゃい、何飲む?」
「あ、じゃあコーラ」
話って夏希とだったのかな?
なんて思いつつ、冬弥の前にコーラが置かれて本題に入る。
「なぁ…昨日の話って何?」
「あぁ、うん。ちょっと厄介なことになっちゃってさ… 怒んないで聞いてくれる?」
「んなの聞かなきゃわかんねぇよ」
「だよねぇ…これ、なんだけどさ」
俺の前に、1枚の手紙と何かの写真のようなものがが置かれる。
手紙にはここに来るようにとの要件が書いてあって、最後に女の子の名前が書いてある。
これは…告白されるとかそう言う事!?
今どき手紙なんて昭和なの?
「…これが、何?」
「これ、元カノからでさ。その、これね…赤ちゃんのエコー写真なんだけど…」
「あ、赤ちゃんの…お前っ…!」
「違う違うっ…!ちゃんと聞いてっ…」
そんなのちゃんと聞けるわけがない!
元カノから赤ちゃんのエコー写真が手紙と一緒になんて、そんなの別れようって言われるやつに決まってんじゃん…
俺は込み上げてくる感情を必死に押えると、隣にいた涼二に肩をぽんと叩かれ椅子に座るように促されて、素直にカウンターの中の椅子に座った。
そうだ…冬弥に限ってそんなことあるはずない…でも。
「まず俺にはそんな覚えなんてないの!それは信じて!」
「じゃあ…なんでこんなもん送ってくんだよ」
「それが俺にもわかんねぇんだよ。お前と付き合うってなってちゃんとあいつとは別れたし、その前だってそんな…思い当たる節がないし…多分…」
「多分て…何だよ…」
「や、うん…俺には覚えがないだけでもしかしたら…でもっ、でも俺、春人とは別れたくないのっ…だからっ」
「そんな事言ったってもし本当にお前の子だったらどうすんだよっ…見捨てるのっ…?」
「そっ、それはっ…」
気まずい空気が流れて俺の感情ももう限界で、視界はぼやけて瞬きしたら溢れてしまいそうなくらいだ…
「お前…っ、子供好きじゃん。俺とじゃ無理なんだから…そういう選択肢もあるんじゃないの…?」
「…っ、そんなの考えた事ねぇしっ!アイツとよりを戻す気だってこれっぽっちもないっ!俺は春人さえいればそれでっ…」
「じゃあ子供はどうすんだよ…っ」
「もし俺の子なら…認知だけは…」
そうだよな…そう言うと思ったよ。
でもそれだけで済むと思う?
冬弥は絶対手放せなくなるだろ?
そしたら俺なんて…
俺なんてきっと…
瞼を閉じたと同時に頬に涙が伝った。
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