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第一章 舞い降りた天使
たまには甘えたい(冬弥)
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夏希が帰って空も桜も部屋に戻り、春人と2人きりの時間が流れる。
付き合い初めてからほとんどなかった2人きりの時間なのに、体調があまり思わしくない自分を恨む。
リビングのソファーに横になりテレビを見ながら、テーブルのゴミやらを一生懸命片付ける春人を横目で見つめる。
春人がいなかったら今頃この家はゴミ屋敷になって、俺…埋もれたかもしれないなぁなんてくだらない事を考えてると、鋭い春人の視線が俺に突き刺さった。
「おぃ…んなとこでゴロゴロしてねぇでさっさとベットで寝ろ」
「だって春人は?これからどうすんの?」
「俺は…明日仕事だし…ゆきいないなら手伝うこともないし…お前がもう大丈夫ならこれ終わったら帰る…」
体調が思わしくないとメンタルまでやられるのか、何だか寂しくて柄にもなく落ち込む。
ゆきがいないと一緒にいてくれないんだ…
あんなに強がって春人に頼らずここまできたんだから、明日は仕事なんだし俺のためだけにまだここにいて欲しいなんて、口が裂けても言えない!
でもこのままただ見送るなんて出来なくてのそっと起き上がり、背を向けてテーブルを拭く春人の背中に後ろから抱きついた。
「ぅわっ!なに?どぉしたの?」
「んぅ…具合悪い…」
「えっ!?大丈夫かよっ!」
「ん…大丈夫じゃない…」
「冬弥!?ねぇっ!」
振り返った春人に寄りかかると、俺を支えるように腰に手が周り優しく背中を撫でてくれる…
「まだ大丈夫じゃないの?」
「…うん」
「えっ、じゃあどうしよ…とりあえず横になろっ?な?」
「うん」
貧血なのか寝不足なのか、目眩とダルさがまだ取れないのは本当で、春人の肩に手を回しフラつきながらも階段を上がりながら見るその横顔が愛おしくて、やっぱり帰したくなくなる…
今日だけは…甘えてもいいよね?
「どうした?どっか痛い?」
「ううん…平気…」
「我慢しないで言えよ?」
「うん…」
ベットに横になった俺を、やたら心配そうに覗き込む春人の手をギュッと握る。
言葉ではかっこいいこと言ってくれてるのに、何でそんな泣きそうなんだよ…
俺の手を包み込む春人の両手はちょっと震えてて、逆に俺が心配になってもう一方の手を重ねた。
「何でそんな顔してんだよ…大袈裟だな」
「だって…」
「ちょっと怠いだけだから…」
「うん、分かってるけど…怖いんだもん…」
「怖い?」
「さっき…このまま目覚めなかったらどうしようって…本気で心配した…」
「んなわけねぇだろ?」
「あっただろ…!?」
あっただろ?って言われても直ぐに何の事だかわからなくて、でもそうだ…確かにあったんだ。
俺にとってはほんの数日、だけど春人やみんなにとっては長い日々だったんだろう。
でも、あの頃は千秋の事で精一杯で、春人があの時どんな気持ちだったかなんて考えた事もなかったんだ。
「お前にはわかんねぇよ…本当に怖かったの…」
「そっか…ごめんな、心配かけて」
「ううん。ねぇ…今日、泊まってもいい?」
問題無用!即答でいいよ!と言いたいところだが…俺はそこをぐっと堪えた。
少しだけ…笑
「でも明日も朝から仕事だろ?」
「ん、そうだけど…」
「春人が平気なら全然…寧ろ嬉しいわ…」
「じゃあいる…」
「だったら、こっち来て…」
しおらしくベットの下にちょこんと座る春人の手を握ったまま招き入れると、目をパチパチしながら中に入ってきて抱きつくもんだから、春人の足の間に自分の足を絡めて抱き寄せた。
「あったけぇ…」
「俺湯たんぽじゃねぇし…」
「湯たんぽは心まで満たしちゃくれねぇよ」
「ふはっ!何それっ…笑」
「本当は帰って欲しくなかったからさ…」
「んだよ…だったらそう言えよ」
「甘え方…わかんねぇんだもん」
そう言いながら、思いっきり春人に擦り寄り甘えてみた…
具合が悪いとはいえ、こんなにそばにいて何もしないなんて俺には出来なくて、結局春人が欲しくて堪らなくて絡めた足で春人のソレに触れてグリグリと動かした。
「んっ、なにっ?当たってるっ////」
「…っ、当ててんの…」
「具合っ、悪いんだろっ…」
「それとこれは別…」
「別って…でもっ、ぁ、んぅっ////」
必死に止めようとする春人の唇を塞ぎ繋いでた手を離すと、下へと伸ばし硬くなったソレを掴み刺激した。
快楽に負けて抵抗しようと掴みかかる春人の手も徐々に力が抜けていき、トロンとした顔と目が合うと一気にソコに血が集まるのを感じて春人の手を掴み握らせた。
「んっ、春人っ、触って…」
「んぁっ、あっ、冬弥ぁ…」
「はぁっ、クラクラするっ…けど気持ちいいっ…」
「ばか…っ、じゃあやめっ…」
「やだっ、はぁっ、出したいっ…」
「んぅ…っ、じゃあっ、一緒にっ…」
唇を重ね二人のモノも重ねて速度を上げながら扱いていけば、お互いの先走りが先端をヌルヌルと絡み合い気持ちいいせいか具合が悪いせいかわからないが、頭がクラクラしていよいよ絶頂まで上り詰める。
「はぁっ、あぁっ…、春人っ、俺っ、もぉっ…」
「…っ、俺も…っ、イク…ッ」
お互いの体が震え脈打つソレを絞りきれば、服やら布団に欲が飛び散り手はトロトロ…
はぁはぁと息を整えながら後処理を終わらせると、倒れ込むようにまたベットに沈んだ。
「冬弥…平気?」
「うん。けど、春人…」
「ん?」
「俺が寝るまで…抱きしめてて…」
「うん…」
暖かい家族に囲まれても沢山の友達と楽しい日々を過ごしても、原点に立ち返るとやっぱり俺は1人な気がしてならなかった。
だから強くいなきゃ、誰にも頼らず生きていける様にしなきゃって思ってたけど、春人になら少しは頼ってもいいかな…
なんて思いながら大好きな温もりと匂いに包まれ意識が途切れていくと、春人の優しい声が遠くで聞こえた気がした…
「おやすみ…冬弥…」
付き合い初めてからほとんどなかった2人きりの時間なのに、体調があまり思わしくない自分を恨む。
リビングのソファーに横になりテレビを見ながら、テーブルのゴミやらを一生懸命片付ける春人を横目で見つめる。
春人がいなかったら今頃この家はゴミ屋敷になって、俺…埋もれたかもしれないなぁなんてくだらない事を考えてると、鋭い春人の視線が俺に突き刺さった。
「おぃ…んなとこでゴロゴロしてねぇでさっさとベットで寝ろ」
「だって春人は?これからどうすんの?」
「俺は…明日仕事だし…ゆきいないなら手伝うこともないし…お前がもう大丈夫ならこれ終わったら帰る…」
体調が思わしくないとメンタルまでやられるのか、何だか寂しくて柄にもなく落ち込む。
ゆきがいないと一緒にいてくれないんだ…
あんなに強がって春人に頼らずここまできたんだから、明日は仕事なんだし俺のためだけにまだここにいて欲しいなんて、口が裂けても言えない!
でもこのままただ見送るなんて出来なくてのそっと起き上がり、背を向けてテーブルを拭く春人の背中に後ろから抱きついた。
「ぅわっ!なに?どぉしたの?」
「んぅ…具合悪い…」
「えっ!?大丈夫かよっ!」
「ん…大丈夫じゃない…」
「冬弥!?ねぇっ!」
振り返った春人に寄りかかると、俺を支えるように腰に手が周り優しく背中を撫でてくれる…
「まだ大丈夫じゃないの?」
「…うん」
「えっ、じゃあどうしよ…とりあえず横になろっ?な?」
「うん」
貧血なのか寝不足なのか、目眩とダルさがまだ取れないのは本当で、春人の肩に手を回しフラつきながらも階段を上がりながら見るその横顔が愛おしくて、やっぱり帰したくなくなる…
今日だけは…甘えてもいいよね?
「どうした?どっか痛い?」
「ううん…平気…」
「我慢しないで言えよ?」
「うん…」
ベットに横になった俺を、やたら心配そうに覗き込む春人の手をギュッと握る。
言葉ではかっこいいこと言ってくれてるのに、何でそんな泣きそうなんだよ…
俺の手を包み込む春人の両手はちょっと震えてて、逆に俺が心配になってもう一方の手を重ねた。
「何でそんな顔してんだよ…大袈裟だな」
「だって…」
「ちょっと怠いだけだから…」
「うん、分かってるけど…怖いんだもん…」
「怖い?」
「さっき…このまま目覚めなかったらどうしようって…本気で心配した…」
「んなわけねぇだろ?」
「あっただろ…!?」
あっただろ?って言われても直ぐに何の事だかわからなくて、でもそうだ…確かにあったんだ。
俺にとってはほんの数日、だけど春人やみんなにとっては長い日々だったんだろう。
でも、あの頃は千秋の事で精一杯で、春人があの時どんな気持ちだったかなんて考えた事もなかったんだ。
「お前にはわかんねぇよ…本当に怖かったの…」
「そっか…ごめんな、心配かけて」
「ううん。ねぇ…今日、泊まってもいい?」
問題無用!即答でいいよ!と言いたいところだが…俺はそこをぐっと堪えた。
少しだけ…笑
「でも明日も朝から仕事だろ?」
「ん、そうだけど…」
「春人が平気なら全然…寧ろ嬉しいわ…」
「じゃあいる…」
「だったら、こっち来て…」
しおらしくベットの下にちょこんと座る春人の手を握ったまま招き入れると、目をパチパチしながら中に入ってきて抱きつくもんだから、春人の足の間に自分の足を絡めて抱き寄せた。
「あったけぇ…」
「俺湯たんぽじゃねぇし…」
「湯たんぽは心まで満たしちゃくれねぇよ」
「ふはっ!何それっ…笑」
「本当は帰って欲しくなかったからさ…」
「んだよ…だったらそう言えよ」
「甘え方…わかんねぇんだもん」
そう言いながら、思いっきり春人に擦り寄り甘えてみた…
具合が悪いとはいえ、こんなにそばにいて何もしないなんて俺には出来なくて、結局春人が欲しくて堪らなくて絡めた足で春人のソレに触れてグリグリと動かした。
「んっ、なにっ?当たってるっ////」
「…っ、当ててんの…」
「具合っ、悪いんだろっ…」
「それとこれは別…」
「別って…でもっ、ぁ、んぅっ////」
必死に止めようとする春人の唇を塞ぎ繋いでた手を離すと、下へと伸ばし硬くなったソレを掴み刺激した。
快楽に負けて抵抗しようと掴みかかる春人の手も徐々に力が抜けていき、トロンとした顔と目が合うと一気にソコに血が集まるのを感じて春人の手を掴み握らせた。
「んっ、春人っ、触って…」
「んぁっ、あっ、冬弥ぁ…」
「はぁっ、クラクラするっ…けど気持ちいいっ…」
「ばか…っ、じゃあやめっ…」
「やだっ、はぁっ、出したいっ…」
「んぅ…っ、じゃあっ、一緒にっ…」
唇を重ね二人のモノも重ねて速度を上げながら扱いていけば、お互いの先走りが先端をヌルヌルと絡み合い気持ちいいせいか具合が悪いせいかわからないが、頭がクラクラしていよいよ絶頂まで上り詰める。
「はぁっ、あぁっ…、春人っ、俺っ、もぉっ…」
「…っ、俺も…っ、イク…ッ」
お互いの体が震え脈打つソレを絞りきれば、服やら布団に欲が飛び散り手はトロトロ…
はぁはぁと息を整えながら後処理を終わらせると、倒れ込むようにまたベットに沈んだ。
「冬弥…平気?」
「うん。けど、春人…」
「ん?」
「俺が寝るまで…抱きしめてて…」
「うん…」
暖かい家族に囲まれても沢山の友達と楽しい日々を過ごしても、原点に立ち返るとやっぱり俺は1人な気がしてならなかった。
だから強くいなきゃ、誰にも頼らず生きていける様にしなきゃって思ってたけど、春人になら少しは頼ってもいいかな…
なんて思いながら大好きな温もりと匂いに包まれ意識が途切れていくと、春人の優しい声が遠くで聞こえた気がした…
「おやすみ…冬弥…」
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