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第一章 舞い降りた天使
体調不良
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急に倒れた冬弥をどうしていいか分からず、とりあえず血の気が引いたように真っ白な額に手を添えてみると、熱はなさそうだけどその冷たさが逆に不安で、心臓がドキドキして苦しい。
うっすらと目を開けた冬弥に必死に声をかけるが、朦朧としてるのか返事もなくまたすぐに瞼が閉じてしまった。
ただの疲労か風邪か…そんな所だろうから寝てれば治るだろうなんて気にはなれなくて、苦しそうな冬弥の姿に昔の事を重ね、このまま目が覚めなかったら?なんて事まで考え出したら、怖くなって震える手で携帯を握りしめ助けを求めた。
「もしもしっ、夏希!」
(ん?春人?珍しいね、どうしたの?)
「冬弥がっ、冬弥が倒れてっ、どうしよう!」
(えっ?今どこにいんの?)
「冬弥んち…」
(状況は?意識はあるの?)
「息はしてるっ…けど、呼んでも反応はなし、どぉしよっ…」
(…わかった、すぐ行く!)
電話を繋いだまま状況を説明しつつ、夏希が到着するのを待ちながら何度呼んでも起きてくれない冬弥に不安ばかりがが込み上げてくる。
そして暫くして夏希が車で到着すると、二人で冬弥を担ぎ出し夏希のパパの病院へ向かった。
「ねぇっ、冬弥…大丈夫だよねっ…?もしこのまま目が覚めなかったらどうしよう…っ」
「大丈夫だよ、ちゃんと息してるし…そこまで心配しなくても…」
「大丈夫じゃねぇよっ!ねぇ、冬弥ぁ…っ」
「春人、大丈夫だから落ち着いて?」
「落ち着けるかよっ!またあん時みたいになったら…俺…っ」
「…っ、春人…大丈夫、大丈夫だから…」
顔色は悪いけど息もしてる、疲れてたことも知ってるからきっと疲労で倒れたんだろうけど、あの時の事を思い出すとどうにも落ち着いてなんて居られなくて、取り乱す俺を夏希が一生懸命なだめてくれた。
冬弥のあんな姿はもう見たくないし、あんな怖い思いは二度としたくないから―――
うっすらと目を開けた冬弥に必死に声をかけるが、朦朧としてるのか返事もなくまたすぐに瞼が閉じてしまった。
ただの疲労か風邪か…そんな所だろうから寝てれば治るだろうなんて気にはなれなくて、苦しそうな冬弥の姿に昔の事を重ね、このまま目が覚めなかったら?なんて事まで考え出したら、怖くなって震える手で携帯を握りしめ助けを求めた。
「もしもしっ、夏希!」
(ん?春人?珍しいね、どうしたの?)
「冬弥がっ、冬弥が倒れてっ、どうしよう!」
(えっ?今どこにいんの?)
「冬弥んち…」
(状況は?意識はあるの?)
「息はしてるっ…けど、呼んでも反応はなし、どぉしよっ…」
(…わかった、すぐ行く!)
電話を繋いだまま状況を説明しつつ、夏希が到着するのを待ちながら何度呼んでも起きてくれない冬弥に不安ばかりがが込み上げてくる。
そして暫くして夏希が車で到着すると、二人で冬弥を担ぎ出し夏希のパパの病院へ向かった。
「ねぇっ、冬弥…大丈夫だよねっ…?もしこのまま目が覚めなかったらどうしよう…っ」
「大丈夫だよ、ちゃんと息してるし…そこまで心配しなくても…」
「大丈夫じゃねぇよっ!ねぇ、冬弥ぁ…っ」
「春人、大丈夫だから落ち着いて?」
「落ち着けるかよっ!またあん時みたいになったら…俺…っ」
「…っ、春人…大丈夫、大丈夫だから…」
顔色は悪いけど息もしてる、疲れてたことも知ってるからきっと疲労で倒れたんだろうけど、あの時の事を思い出すとどうにも落ち着いてなんて居られなくて、取り乱す俺を夏希が一生懸命なだめてくれた。
冬弥のあんな姿はもう見たくないし、あんな怖い思いは二度としたくないから―――
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