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第一章 舞い降りた天使
小さな嫉妬
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ひと仕事終えてリビングに戻ると誰もいなくて、二階に上がって冬弥の部屋に入ると、既に二人仲良く赤ちゃんを寝かしつけてるところだった。
「おっ、春人ありがとな」
「うん…」
感謝されるのは嬉しい…
だけどやっぱりこの空気はしんどい。
「あ、俺さ、明日ダンスのイベントあるからそろそろ帰るな」
「そっか、俺も今から仕事だけど早めに帰るから。春人は?泊まってくよな?」
「えっ?や、俺は…」
「明日仕事?」
「いや、休みだけど…」
「じゃあお願いな!」
え、待ってよ。
俺、自ら手伝いに来てるけどさ、でも何で泊まって面倒見る前提なの…?
「んじゃ、俺帰るわ」
「おぅ!じゃあ俺も千秋と一緒に出るから、春人あと宜しくな!」
(何だよそれ…)
ポツリと呟いた俺の言葉は届くことはなく、二人揃って部屋を出て行った。
俺は…冬弥のお手伝い要因か?
お前からの頼み事を断れない俺を、上手い事利用して楽しんでるだけなのか?
すやすや眠る赤ちゃんと二人…
部屋に残された俺は、出ていった二人の事を考えると何でもないって分かってるのに、気持ちがモヤモヤして悲しくて目の前が霞んでいく…
そして、暫くして静かな部屋にノックする音が響き渡った。
俺は慌てて涙を拭きながら扉に背を向け床に座り直すと、後ろから夏希の声が聞こえた。
「冬弥?俺そろそろ…あれ?春人一人?二人は?」
「千秋は帰った…冬弥は仕事…」
「そっか。…ん?どぉした?」
「別に…っ」
油断すると涙が溢れてくるから、見えないように袖で涙を拭うけど、その俺の腕を夏希が掴んで目の前にちょこんと座り、顔を覗き込まれた。
「春人…?泣いたの…?」
「泣いてない…」
「何をそんな我慢してるの?俺には言えない事?」
もしも…もしも夏希に話したなら、少しは楽になるんだろうか。
夏希が信用出来ない訳では無いけど、受け入れてもらえるかなんて賭けでしかない。
俺にとって夏希は大事な友達だ。
いや、夏希だけじゃない、みんなを失いたくないから、この思いだけは絶対に誰にも話せないっ…
「大丈夫…何でもないから…っ」
「春人…」
「…夏くん?」
隣の部屋から空が夏希を呼びに来た所で、話は途切れる。
俺は内心ほっとしたんだ…
「あ、じゃあ俺帰るから。何かあるなら話し聞くから連絡してよね?」
返事もせず小さく頷いた俺の手を握ると、夏希は心配そうに俺を見つめ、それ以上は何も言わず部屋を出て行った。
シーンと静まりかえる部屋に一人取り残され考えるのは、昨日の冬弥との事。
今頃になって何であんな事したんだよ…
それに俺のものになれとか好きとか、訳が分からない。
だってあの時、忘れようって言ったの冬弥じゃん…
だから頑張って何も無かったかのように友達として過ごしてきたのに、冬弥がまたあんな事するから…
だからわかんなくなっちゃったんだ。
「おっ、春人ありがとな」
「うん…」
感謝されるのは嬉しい…
だけどやっぱりこの空気はしんどい。
「あ、俺さ、明日ダンスのイベントあるからそろそろ帰るな」
「そっか、俺も今から仕事だけど早めに帰るから。春人は?泊まってくよな?」
「えっ?や、俺は…」
「明日仕事?」
「いや、休みだけど…」
「じゃあお願いな!」
え、待ってよ。
俺、自ら手伝いに来てるけどさ、でも何で泊まって面倒見る前提なの…?
「んじゃ、俺帰るわ」
「おぅ!じゃあ俺も千秋と一緒に出るから、春人あと宜しくな!」
(何だよそれ…)
ポツリと呟いた俺の言葉は届くことはなく、二人揃って部屋を出て行った。
俺は…冬弥のお手伝い要因か?
お前からの頼み事を断れない俺を、上手い事利用して楽しんでるだけなのか?
すやすや眠る赤ちゃんと二人…
部屋に残された俺は、出ていった二人の事を考えると何でもないって分かってるのに、気持ちがモヤモヤして悲しくて目の前が霞んでいく…
そして、暫くして静かな部屋にノックする音が響き渡った。
俺は慌てて涙を拭きながら扉に背を向け床に座り直すと、後ろから夏希の声が聞こえた。
「冬弥?俺そろそろ…あれ?春人一人?二人は?」
「千秋は帰った…冬弥は仕事…」
「そっか。…ん?どぉした?」
「別に…っ」
油断すると涙が溢れてくるから、見えないように袖で涙を拭うけど、その俺の腕を夏希が掴んで目の前にちょこんと座り、顔を覗き込まれた。
「春人…?泣いたの…?」
「泣いてない…」
「何をそんな我慢してるの?俺には言えない事?」
もしも…もしも夏希に話したなら、少しは楽になるんだろうか。
夏希が信用出来ない訳では無いけど、受け入れてもらえるかなんて賭けでしかない。
俺にとって夏希は大事な友達だ。
いや、夏希だけじゃない、みんなを失いたくないから、この思いだけは絶対に誰にも話せないっ…
「大丈夫…何でもないから…っ」
「春人…」
「…夏くん?」
隣の部屋から空が夏希を呼びに来た所で、話は途切れる。
俺は内心ほっとしたんだ…
「あ、じゃあ俺帰るから。何かあるなら話し聞くから連絡してよね?」
返事もせず小さく頷いた俺の手を握ると、夏希は心配そうに俺を見つめ、それ以上は何も言わず部屋を出て行った。
シーンと静まりかえる部屋に一人取り残され考えるのは、昨日の冬弥との事。
今頃になって何であんな事したんだよ…
それに俺のものになれとか好きとか、訳が分からない。
だってあの時、忘れようって言ったの冬弥じゃん…
だから頑張って何も無かったかのように友達として過ごしてきたのに、冬弥がまたあんな事するから…
だからわかんなくなっちゃったんだ。
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