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第一章 舞い降りた天使
俺の癒し(冬弥)
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仕事中も春人の事が心配で心配で、ほとんど酒も飲まず上手いこと女の子に飲ませ、それなりの売上を叩き出し早めに帰らせてくれとお願いしてそそくさと店を出る。
そしてタクシーを拾い、ほんの数分の距離の自宅までと行き先を告げた。
タクシーを降りた俺はとにかく急いで、でもゆっくり玄関を開け足音を立てないように2階へ上がって行った。
思いの外、家の中はシーンと静まり返っており、それはそれでなんだか心配になって自室の扉をそっと開いた。
暗い部屋の中、まずはベビーベットを覗くが赤ちゃんがいない…
そして俺のベットには春人が寝ていて香月はいない…?
こりゃどーなってんだ?
ドキドキしながら春人を起こそうと近づけば、その横には春人に守られるように赤ちゃんがすやすやと眠っていた。
ほっとした俺は起こすのも悪いと思い、このまま二人の寝顔を眺めていた。
「はぁ…ほんっと可愛い…」
そしてそっと春人の頬を撫でながら、俺は堪らずキスをした。
春人はこんな事で起きやしないから、このまま引っ付いて抱きしめてやろうかと思ったけど、隣の赤ちゃんに免じて泣く泣く我慢した。
「なぁ…赤ちゃん?俺の春人取らないでよ?」
重い腰を上げ、シャワーでも浴びてこようかと1階に降りてキッチンを覗けば使いっぱなしの哺乳瓶がずらっと並んでいる。
これは想定内…
よく頑張ったなぁと思いながら哺乳瓶を洗い、哺乳瓶用の薬液に浸し明日に備えてから風呂場に行った。
そして静寂も束の間…
お風呂から上がると早速2階から赤ちゃんの泣き声が響きわたり、水を一杯飲み干した後ゆっくりと2階に向かった。
自室のドアを開けると、ぐっすり寝ていたはずの春人が俺に背を向けた状態でベットに座っていた。
恐らくその手の中には赤ちゃんが抱かれているのであろう状態で、俺に気が付き寝ぼけ眼で振り返ると安心したのか甘えた声で俺の名前を呼んだ。
「冬弥ぁ…やっと帰ってきたぁ…」
「悪ぃ…遅くなって…香月は?」
「呼ばれて仕事行った」
「そっか…大変だったよなぁ。あと俺やるから、寝てていいぞ」
「え…だって冬弥だって帰ってきたばっかで眠いじゃん…」
「気ぃ使ってくれんの?嬉しい…」
俺がニヤニヤしてるとプイっと前を向き直し、赤ちゃんをあやし始めた春人…
拗ねたの?それとも赤ちゃんに夢中なの?
どちらにしても可愛い春人の後ろ姿に、またまた抱きしめたくなる気持ちをグッと抑えて壁を背にして隣に座り、春人と赤ちゃんを交互に眺めた。
「…何ニヤニヤしてんだよ」
「ふふっ、別に?てか最後ミルク何時に飲ませたの?」
「あぁ…2時くらい…だったかな…」
「じゃあ俺作ってくるわ、てか春人明日仕事じゃないの?」
「うん…」
「じゃあもう寝な?」
「うん…」
「ほぉらおいでぇ~」
春人から赤ちゃんを預かるとそのまま抱き抱えて1階に降り、ミルクを飲ませオムツを取り換え寝かしつけを一通り終えたところで自室に戻ると、春人は毛布にくるまりベット上で丸くなっていた。
赤ちゃんをそっとベビーベットに寝かせて一息つくと、今度は自分の寝る場所がない事に気づく…
この部屋に布団はないし、1階の客間で寝るかとも思ったがぐっすり寝ているであろう春人の隣にお邪魔してやろうとそっとベットに潜り込んだ。
そして背後から侵入して前に手を回してもなんの反応もないので、これはいけると思いピトっとくっついてみた。
春人の匂いだ…
久しぶりの春人に嬉しくなって首元に擦り寄れば、春人の匂いとは別に自分と同じシャンプーの匂いがして堪らなく興奮してきてしまった。
そしてタクシーを拾い、ほんの数分の距離の自宅までと行き先を告げた。
タクシーを降りた俺はとにかく急いで、でもゆっくり玄関を開け足音を立てないように2階へ上がって行った。
思いの外、家の中はシーンと静まり返っており、それはそれでなんだか心配になって自室の扉をそっと開いた。
暗い部屋の中、まずはベビーベットを覗くが赤ちゃんがいない…
そして俺のベットには春人が寝ていて香月はいない…?
こりゃどーなってんだ?
ドキドキしながら春人を起こそうと近づけば、その横には春人に守られるように赤ちゃんがすやすやと眠っていた。
ほっとした俺は起こすのも悪いと思い、このまま二人の寝顔を眺めていた。
「はぁ…ほんっと可愛い…」
そしてそっと春人の頬を撫でながら、俺は堪らずキスをした。
春人はこんな事で起きやしないから、このまま引っ付いて抱きしめてやろうかと思ったけど、隣の赤ちゃんに免じて泣く泣く我慢した。
「なぁ…赤ちゃん?俺の春人取らないでよ?」
重い腰を上げ、シャワーでも浴びてこようかと1階に降りてキッチンを覗けば使いっぱなしの哺乳瓶がずらっと並んでいる。
これは想定内…
よく頑張ったなぁと思いながら哺乳瓶を洗い、哺乳瓶用の薬液に浸し明日に備えてから風呂場に行った。
そして静寂も束の間…
お風呂から上がると早速2階から赤ちゃんの泣き声が響きわたり、水を一杯飲み干した後ゆっくりと2階に向かった。
自室のドアを開けると、ぐっすり寝ていたはずの春人が俺に背を向けた状態でベットに座っていた。
恐らくその手の中には赤ちゃんが抱かれているのであろう状態で、俺に気が付き寝ぼけ眼で振り返ると安心したのか甘えた声で俺の名前を呼んだ。
「冬弥ぁ…やっと帰ってきたぁ…」
「悪ぃ…遅くなって…香月は?」
「呼ばれて仕事行った」
「そっか…大変だったよなぁ。あと俺やるから、寝てていいぞ」
「え…だって冬弥だって帰ってきたばっかで眠いじゃん…」
「気ぃ使ってくれんの?嬉しい…」
俺がニヤニヤしてるとプイっと前を向き直し、赤ちゃんをあやし始めた春人…
拗ねたの?それとも赤ちゃんに夢中なの?
どちらにしても可愛い春人の後ろ姿に、またまた抱きしめたくなる気持ちをグッと抑えて壁を背にして隣に座り、春人と赤ちゃんを交互に眺めた。
「…何ニヤニヤしてんだよ」
「ふふっ、別に?てか最後ミルク何時に飲ませたの?」
「あぁ…2時くらい…だったかな…」
「じゃあ俺作ってくるわ、てか春人明日仕事じゃないの?」
「うん…」
「じゃあもう寝な?」
「うん…」
「ほぉらおいでぇ~」
春人から赤ちゃんを預かるとそのまま抱き抱えて1階に降り、ミルクを飲ませオムツを取り換え寝かしつけを一通り終えたところで自室に戻ると、春人は毛布にくるまりベット上で丸くなっていた。
赤ちゃんをそっとベビーベットに寝かせて一息つくと、今度は自分の寝る場所がない事に気づく…
この部屋に布団はないし、1階の客間で寝るかとも思ったがぐっすり寝ているであろう春人の隣にお邪魔してやろうとそっとベットに潜り込んだ。
そして背後から侵入して前に手を回してもなんの反応もないので、これはいけると思いピトっとくっついてみた。
春人の匂いだ…
久しぶりの春人に嬉しくなって首元に擦り寄れば、春人の匂いとは別に自分と同じシャンプーの匂いがして堪らなく興奮してきてしまった。
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