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第三章
佐藤夫婦とケーキ
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佐藤さんの家に着くと、待ってましたとばかりに奥さんが駆け寄ってきて、俺らを部屋の中に入れてくれた。
そして食卓には大きなケーキと大量のご馳走が並んでて、なるほどだからケーキが無かったんだ…と、嬉しくてまた泣き出す俺を、咲也が優しくなだめてくれた。
ケーキもご飯も美味しくて、本当の家族ができたみたいで嬉しかった。
また遊びに来てねって言われて、またがあるんだって思ったらそれも本当にありがたくて、暖かい思いを、沢山の愛を受け取って俺は逆に不安になった。
こんな穏やかで平和な日々が、本当にこれからずもっと終わらずに続くのだろうか…と―――
・・・・・
日が落ちて段々と暗くなっていく帰り道の車の中で、俺の不安はさっきよりも増していった。
幸せと絶望の落差についていけなくて、俺はまた闇に飲まれそうになる…
「咲也…車止めてっ…」
「どうした!?気持ち悪い?」
「うん…っ、なんか目が回る…」
山を下りる途中、少し広い道路に出てそこに車を止めてもらうと、俺はすかさず咲也にしがみついた。
「どうした、柊…」
「咲也っ、咲也…っ、俺、怖い…」
「何も怖くないよ、大丈夫だから…」
「こんなに幸せなのに…満たされてるのに…消えてくれない…っ」
「少し休憩しよう、シート倒そうか…」
倒したシートに横になっても、やっぱり天井がぐるぐる回って気持ちが悪くて、俺は咲也に手を伸ばし必死に深呼吸を繰り返した。
「はぁ…っ、ふぅ…はぁ…っ」
「大丈夫か?」
「ダメ…っ、はぁ…っ、咲也ぁ…っ////」
咲也を求めずにはいられない俺の身体はどんどん火照ってきて、ここが何処なのかなんてそんな事は関係ないらしい。
咲也もそれをわかってて、俺の身体にそっと触れて俺の唇を塞いだ。
「んふっ…んっ…」
「ちゃんと息して…大丈夫だから…」
「はぁ…っ、さく…っ、もっと…」
「いいよ…一緒に溺れような…」
暗闇の中に徐々に快楽を見い出せば、不安が段々と薄れていく。
そして、咲也と一緒に快楽に溺れていくんだ…
生暖かい咲也の舌が俺の口内を這って、脳を溶かしていく。
そして熱を持ち硬くなったソレに咲也の手が触れると、今度は波を打つように快感が身体を駆け巡る。
前だけじゃ足りないってわかってる咲也はそれを掴み動かしながら唇を離し、今度は後ろに舌を這わせ指を馴染ませていく。
ある程度解れて指が奥まで到達すると、2本3本と増やされて俺の中を掻き回し、俺はそこからまた快感を拾って脳を震わせる。
そしてまたキスをせがみながら、今度は俺が咲也のを掴み上下に扱けば、咲也も甘い息を漏らしながら身体を震わせた。
「もっ、入れていい…っ?」
「入れて…っ、咲也の…奥までいっぱい…っ」
暗がりで良く見えなくて怖いけど、咲也のが徐々に俺の中に入っていくと、そんなことも気にならないくらいに満たされていく。
咲也の吐息と奥を突く律動で、俺はこの苦しさから少しだけ開放されるんだ。
「はぁっ、はぁ…っ、柊…っ、平気…っ?」
「ん…っ、気持ちい…っ、もっと…もっと突いてぇ…っ!」
望み通りに奥の奥まで咲也のモノが俺の中に入ってくると、もうこれ以上はダメだと脳が悲鳴を上げ目の前がチカチカしてくる。
だけど俺はこれが好き…
飛ぶまで抱いて…攻めて…そして忘れさせて…っ
「あっ、あっ…おぐ…っ」
「イク…っ?まだ飛ぶなよ…っ」
「イク…っ、あっ、あっ、ダメっ!イグ…ッ!」
「俺も…っ、あぁ…」
律動が早まりズンッズンッと奥深くに振動が響くと、俺はそのまま意識を飛ばした。
そして目覚めた時にはもう車は動いていて、真っ暗な山道を下っているところだった。
「ん…ぅ…咲也ぁ…」
「おう、大丈夫?」
「うん…」
「遅くなっちゃうと道見えずらくなるからさ、車出しちゃった。気持ち悪くなったら言えよ?」
「うん、分かった」
多分、俺が帰る途中に駄々を捏ねたのが良くなかったんだ…
日は完全に沈み辺りは真っ暗になり、下りの山道は次第に細くなって行った。
今度はさっきとは違う…
底知れぬ不安で身体中が粟立つと、俺らの目の前を眩しい光を放ちながらトラックがカーブを曲がりきれず車線をはみ出し突っ込んできたんだ。
咲也は咄嗟にハンドルを切ったが、あえなくトラックは運転席に突っ込んできて俺らの車は谷底に落ちて行った。
あの感覚は覚えてる…
いつも意識が飛ぶ時とは違う…
闇に飲まれるでもない、光の中に吸い込まれてプッツリ切れる感じ。
崖から下までどのくらい落ちたのかさえ分からないし、自分がどんな状況かも、咲也は大丈夫なのかも何も分からないまま俺は死んだんだと思った。
そして食卓には大きなケーキと大量のご馳走が並んでて、なるほどだからケーキが無かったんだ…と、嬉しくてまた泣き出す俺を、咲也が優しくなだめてくれた。
ケーキもご飯も美味しくて、本当の家族ができたみたいで嬉しかった。
また遊びに来てねって言われて、またがあるんだって思ったらそれも本当にありがたくて、暖かい思いを、沢山の愛を受け取って俺は逆に不安になった。
こんな穏やかで平和な日々が、本当にこれからずもっと終わらずに続くのだろうか…と―――
・・・・・
日が落ちて段々と暗くなっていく帰り道の車の中で、俺の不安はさっきよりも増していった。
幸せと絶望の落差についていけなくて、俺はまた闇に飲まれそうになる…
「咲也…車止めてっ…」
「どうした!?気持ち悪い?」
「うん…っ、なんか目が回る…」
山を下りる途中、少し広い道路に出てそこに車を止めてもらうと、俺はすかさず咲也にしがみついた。
「どうした、柊…」
「咲也っ、咲也…っ、俺、怖い…」
「何も怖くないよ、大丈夫だから…」
「こんなに幸せなのに…満たされてるのに…消えてくれない…っ」
「少し休憩しよう、シート倒そうか…」
倒したシートに横になっても、やっぱり天井がぐるぐる回って気持ちが悪くて、俺は咲也に手を伸ばし必死に深呼吸を繰り返した。
「はぁ…っ、ふぅ…はぁ…っ」
「大丈夫か?」
「ダメ…っ、はぁ…っ、咲也ぁ…っ////」
咲也を求めずにはいられない俺の身体はどんどん火照ってきて、ここが何処なのかなんてそんな事は関係ないらしい。
咲也もそれをわかってて、俺の身体にそっと触れて俺の唇を塞いだ。
「んふっ…んっ…」
「ちゃんと息して…大丈夫だから…」
「はぁ…っ、さく…っ、もっと…」
「いいよ…一緒に溺れような…」
暗闇の中に徐々に快楽を見い出せば、不安が段々と薄れていく。
そして、咲也と一緒に快楽に溺れていくんだ…
生暖かい咲也の舌が俺の口内を這って、脳を溶かしていく。
そして熱を持ち硬くなったソレに咲也の手が触れると、今度は波を打つように快感が身体を駆け巡る。
前だけじゃ足りないってわかってる咲也はそれを掴み動かしながら唇を離し、今度は後ろに舌を這わせ指を馴染ませていく。
ある程度解れて指が奥まで到達すると、2本3本と増やされて俺の中を掻き回し、俺はそこからまた快感を拾って脳を震わせる。
そしてまたキスをせがみながら、今度は俺が咲也のを掴み上下に扱けば、咲也も甘い息を漏らしながら身体を震わせた。
「もっ、入れていい…っ?」
「入れて…っ、咲也の…奥までいっぱい…っ」
暗がりで良く見えなくて怖いけど、咲也のが徐々に俺の中に入っていくと、そんなことも気にならないくらいに満たされていく。
咲也の吐息と奥を突く律動で、俺はこの苦しさから少しだけ開放されるんだ。
「はぁっ、はぁ…っ、柊…っ、平気…っ?」
「ん…っ、気持ちい…っ、もっと…もっと突いてぇ…っ!」
望み通りに奥の奥まで咲也のモノが俺の中に入ってくると、もうこれ以上はダメだと脳が悲鳴を上げ目の前がチカチカしてくる。
だけど俺はこれが好き…
飛ぶまで抱いて…攻めて…そして忘れさせて…っ
「あっ、あっ…おぐ…っ」
「イク…っ?まだ飛ぶなよ…っ」
「イク…っ、あっ、あっ、ダメっ!イグ…ッ!」
「俺も…っ、あぁ…」
律動が早まりズンッズンッと奥深くに振動が響くと、俺はそのまま意識を飛ばした。
そして目覚めた時にはもう車は動いていて、真っ暗な山道を下っているところだった。
「ん…ぅ…咲也ぁ…」
「おう、大丈夫?」
「うん…」
「遅くなっちゃうと道見えずらくなるからさ、車出しちゃった。気持ち悪くなったら言えよ?」
「うん、分かった」
多分、俺が帰る途中に駄々を捏ねたのが良くなかったんだ…
日は完全に沈み辺りは真っ暗になり、下りの山道は次第に細くなって行った。
今度はさっきとは違う…
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あの感覚は覚えてる…
いつも意識が飛ぶ時とは違う…
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