ミントバニラ

桜ゆき

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第三章

お風呂タイム

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柊を抱きしめ涙に暮れていると、お風呂が沸いたお知らせと共に、その時間に終止符が打たれる。

涙を拭きながら柊を風呂に連れていくと、今度は風呂のお湯に飲まれないか心配で、初めて柊と一緒にお風呂に入った。


「ふぅ~、風呂広めで助かったな」

「うん…そうだな////」


柊はほっぺを真っ赤に染めて、俺の前で小さくなっている。

裸だって見慣れてるし、何もそんなに照れることでもないのに、そんな柊の姿が可愛すぎる。

だけどその反面、度々こういう事があると心配になる…

柊は自分が生きてることに対して、どうも後ろめたく思う節があって、俺が生きてていいんだって言ったところで、納得出来ることでもないようだ。

それはきっと、俺の兄貴の死に始まり自分の兄貴の死…

それだけじゃない、自分に関わった人が死んでいくことがきっと全部自分のせいだって思ってるんだろう。

その思い込みからどうにか救ってやりたい。

お前は生きてていいんだと…

ポカポカとあったまったところで湯船を出ると、俺は柊の背中や頭を洗ってやって泡でツノを作ったりして、子供をあやす様に遊んでみたりした。

柊は照れながらやめろと言いながらも、それなりに楽しんでいる様子だ。


「昔さ?光ちゃんもお風呂でこうやって遊んでくれたんだ…」

「そっか…そういやいくつ離れてたんだ?歳…」

「10個くらい…俺、今年22だから。咲也は?隆ちゃんといくつ違い?」
 
「あ、俺?俺と兄貴は3つ違い。俺が28で兄貴は…そっか、もう俺兄貴と同い年だわ…」


そう、兄貴が死んだのは3年前…

いつの間にか、兄貴の年齢に追いついてしまっていたんだ。


「そっか…歳とらないもんな…兄貴たち…」

「そうだな…てか柊、お前誕生日いつだ?」

「あ、誕生日…俺、明後日で22…」

「えっ、マジ!?じゃあお祝いしなきゃじゃん!」

「いいよ…そういうの別に…っ////」


照れながら泡をザーッと流し終えると、いそいそと湯船に入り深くお湯に浸かる柊…

なんだろう、もう可愛すぎて仕方ない。

こうやって普通に兄貴たちの話ができるようになったのも、つい最近の話。

徐々に心を開いてくれてると思ってたけど、まだまだ先は長いのかもしれないな。
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