ミントバニラ

むらさきおいも

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第二章

真相を探る

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ただ何故、こんな大胆な殺人事件が公にならなかったのか。

そして犯人も捕まらないまま、簡単に捜査が打ち切られてしまったのか…

俺はずっとこの事だけが引っかかっていた。

今回の藤代の件だってそうだ、二件とも本当に藤代がやったのか?
死体遺棄はそうだとして、本当に殺人まで犯したのかと言う物証までたどり着いちゃいない。

おっさんからはあまり深く首を突っ込むなと言われ、個人的に少しづつ調べ上げてきた訳だが、こうなってくると警察内部の人間だって怪しい。

おっさんは…何か知ってるのかもしれない。


そんな矢先、柊が入院している警察内部の病院から俺宛に電話が来た。

あれから丸二日、身体にも脳波にも以上は無いのに、柊はこんこんと眠ったまま目覚めないらしい。

それにいくら警察内部の病院とはいえ、内部に組織と繋がってる奴がいるなら、柊をずっとそこに置いておく訳にも行かない。

せめて信用できるおっさんにだけ事情を話し、内々に病院を移動出来るように手配を進めようと考えた。


「よう、三上。元気か?」

「元気じゃねぇっす。電話で話した件だけど…これ…」


一か八か、俺は柊の携帯のデータをおっさんに見せた。

おっさんも黒なら俺も消されるかもしれないけど、もう他に方法がなかった。


「こりゃ、ヤベェもん見つけたな…」

「おっさん、これを証拠にここにいる連中全員しょっぴくこと出来ねぇかな?」

「…けど証拠がねぇ、これだけじゃな」

「別件であぶり出してさ、なんかしらやってんだろ。こんなヤツら…」

「三上…お前、マジでもうやめとけ」

「…っ、おっさん、なんか知ってんだろ!?」

「いや、俺は知らねぇよ。だけどな、三上。世の中には警察でも手が出せない事ってのもあんのよ。お前の為に言ってんだぞ?これ以上詮索したら…それに、長谷川の事守りたいなら、もうこの件からは手を引け」

「…っ、おっさん!でもそれじゃあ…っ」

「とにかく、俺は見なかったことにする。まぁ他に手伝えることはしてやるけど、それで勘弁してくれ…俺にも守りてぇもんがあるんだよ。な?」


ポンポンと肩を叩かれ、これ以上はダメだと言わんばかりに、おっさんは俺に視線を送ってきた。

柊の転院の件も、助けてもらおうと思ってたけど、これじゃ黒だか白だか分からねぇ。

おっさんのことは信用してるけど、今回ばかりはもう誰も信用出来ない。

全部俺一人でやる、そう決めたんだ。
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