ミントバニラ

第一章

体を重ねる

「そろそろ…いい？」

「…うん」


自分から抱いてみろなんてとんでもないことを言ってしまった手前、今更無理ですなんて言って酷い目にあったりしたくもないし、大人しく身を委ねる。

彼も服を脱ぐと、俺とは違って鍛えられた綺麗な身体…

俺がその身体に見蕩れてると、こっちを見ろと言わんばかりに目線を合わされ、口内に舌をねじ込まれた。

そしてズボンの中に手を突っ込まれると、既に固くなったソレを上下に動かされ、思わず甘い声が漏れてしまう。


「あっ、んっ…」

「もう固くなってる…」

「…っ////だって…っ、んぁっ！」


慣れた手つきで全身を優しく愛撫され、傷や痣の一つ一つにキスを落とされる…

こんなに柔らかい気持ちいいキス…知らない。

いつもは痛みの中に快楽があるのに、優しくて暖かくてくすぐったくて、なんだかもどかしい。

そのうちにローションを纏った指が俺の中を優しく掻き回し始め、重点を執拗に攻められると先走りがタラタラと溢れ始める。

普段の行為で前戯なんてしてもらったことも無い俺は、もうそれだけで達しそうになってしまって、思わず彼の手を掴み動きを止めた。


「んっ、や…っ！」

「ごめん、痛かった？」

「ちがっ…もぉ、ダメっ…」

「いいよ？イッて？」


なんだか気持ちよすぎて怖い…

ダメだ…
優しすぎてイケない…っ


「…って」

「ん？」

「も、入れて…っ」

「指だけじゃ物足りない？」

「んぅ…っ、もっと…して欲しぃっ」


多分俺、変態なんだ。

光ちゃんに酷くされすぎて、普通のエッチじゃ満足できなくなってる！？

こんな俺に引いてるんじゃないかと、恐る恐る表情を伺えば、彼はそれどころか目をキラキラさせながら自慢のソレを俺に見せつけ、待ってましたと言わんばかりに俺の後ろにぐっと押し付けてきた。

いつもは半ば無理やりなことが多いせいか、ローションのような潤滑剤なんてほぼ使わないから、とろみでスムーズに動くソレが気持ちよくて、中がグチュグチュと音を立て泡立ち始めると、もう気持ち良い以外何も考えられなくなってくる…


「お前っ…名前は…？」

「…っ、しゅうっ」

「しゅう…っ、俺は…さくや…っ」

「あ、う…っ、さく、や…っ」

「はぁ、はぁ…っ、しゅう…っ！」


乱れた呼吸と共に名前を叫ばれると何故か心臓がドクンと跳ね、あっという間に腹の上を汚した。


「はぁ…っ、あっ？もう気持ちよくなっちゃった？」

「ん…ふっ、うっ…」


いつもみたいに全然痛くなくて、ただただ気持ちがよくて息をするのも忘れてしまいそう。

こんな快楽があるならずっと溺れてたい…

そう思いながら再び絶頂を迎えると、俺はいつの間にか意識を飛ばしていた。