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ルシアとレオ2
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ルシアたちを横目に走り出したその時、ポツリポツリと雨粒が頬を伝った…
近くにニルの気を感じる。
この雨はアレクの異能か!?
「カイル…気をつけて…」
「あぁ…」
もう、ニルのすぐ近くにいるって事はおそらくノエルも気が付いている…
アレクが雨を操る時は何かあった時だ。
そして雨は妖力の増加を抑えられる。
アレクは恐らく、ニルのそばにいる!
「カイル!あそこ!」
「アレクっ!!」
「俺、ラフィー呼んでくる!」
ノエルが走り出すと同時に俺はアレクに駆け寄り、倒れ込んできたアレクを支えた。
息も絶え絶え身体中傷だらけで、きっと雨を降らすことで精一杯と言った所だろう。
「アレク!大丈夫かっ!?何があった!?ニルは…」
「はぁっ…ダメ…っ。全然歯が立たなかった。今はこれが精一杯…っ」
「アレク!おいっ、しっかりしろっ!」
力無くうなだれたアレクの背中に触れると、じわっと暖かさを感じて自分の掌を見るとそれは真っ赤に染っていて、初めて本当の恐怖を感じる。
これ、俺たち本当にやばいんじゃないの…?
こんなんでニルのこと助けられんのかよ…
「カイル!ラフィー連れてきた!」
「アレク!今助けるからね!」
「ラフィーっ、ルシアは!?」
「…っ、今のところ互角、でも…」
ラフィーはある程度アレクの力を回復させて一先ず傷を塞ぐと、またルシアの元へ戻ろうと立ち上がった。
すると、レオの覇気が肌にビリビリと伝わり、俺らのすぐ近くで
隊の剣士に援護されながらルシアがレオに剣を向けていた。
確かに互角ではあるが、やっぱりルシアの方が押されてる…
あの優しいルシアが、実の兄であるレオに正気で立ち向かうなんて絶対無理だ。
このままじゃルシアが殺られる…っ!
「…っ、ニルより先にレオの解放が先だ、こんなんじゃいっぺんに二人も相手にできない!」
「同感、ニルに出くわす前にレオだけでも…」
「うん、俺とラフィーは周りをやるからカイルはルシアの援護を!アレクはこのまま妖力を押さえ続けて!」
「わかった」
ニルがここに来る前にレオだけでもどうにか解放しなければ全滅は免れない。
ルシアが出来ないなら…俺がやるしか…っ。
「ルシア!!」
「…っ、はぁっ、カイル…ニルはっ!?」
「それよりレオだ。レオを解放しないと…俺がレオを引きつける。その間に核を狙え、それが出来なければ俺が…っ」
「やる…っ、俺がやるっ」
今までだってやろうと思えば思いっきりやれたはずだ。
だけど決められないのはやっぱりレオを失いたくないから…
レオを引き付けてる間に隙があったら俺が…
そう思ってレオの気を散らすと、ルシアはレオの視界を避けるように間合いをとる。
その時だった。
「ルシア!後ろっ!!」
「なっ…」
ノエルの声が響き渡ると同時に、ルシアの後ろから群衆の一人が襲いかかったのだ。
近くにニルの気を感じる。
この雨はアレクの異能か!?
「カイル…気をつけて…」
「あぁ…」
もう、ニルのすぐ近くにいるって事はおそらくノエルも気が付いている…
アレクが雨を操る時は何かあった時だ。
そして雨は妖力の増加を抑えられる。
アレクは恐らく、ニルのそばにいる!
「カイル!あそこ!」
「アレクっ!!」
「俺、ラフィー呼んでくる!」
ノエルが走り出すと同時に俺はアレクに駆け寄り、倒れ込んできたアレクを支えた。
息も絶え絶え身体中傷だらけで、きっと雨を降らすことで精一杯と言った所だろう。
「アレク!大丈夫かっ!?何があった!?ニルは…」
「はぁっ…ダメ…っ。全然歯が立たなかった。今はこれが精一杯…っ」
「アレク!おいっ、しっかりしろっ!」
力無くうなだれたアレクの背中に触れると、じわっと暖かさを感じて自分の掌を見るとそれは真っ赤に染っていて、初めて本当の恐怖を感じる。
これ、俺たち本当にやばいんじゃないの…?
こんなんでニルのこと助けられんのかよ…
「カイル!ラフィー連れてきた!」
「アレク!今助けるからね!」
「ラフィーっ、ルシアは!?」
「…っ、今のところ互角、でも…」
ラフィーはある程度アレクの力を回復させて一先ず傷を塞ぐと、またルシアの元へ戻ろうと立ち上がった。
すると、レオの覇気が肌にビリビリと伝わり、俺らのすぐ近くで
隊の剣士に援護されながらルシアがレオに剣を向けていた。
確かに互角ではあるが、やっぱりルシアの方が押されてる…
あの優しいルシアが、実の兄であるレオに正気で立ち向かうなんて絶対無理だ。
このままじゃルシアが殺られる…っ!
「…っ、ニルより先にレオの解放が先だ、こんなんじゃいっぺんに二人も相手にできない!」
「同感、ニルに出くわす前にレオだけでも…」
「うん、俺とラフィーは周りをやるからカイルはルシアの援護を!アレクはこのまま妖力を押さえ続けて!」
「わかった」
ニルがここに来る前にレオだけでもどうにか解放しなければ全滅は免れない。
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「ルシア!!」
「…っ、はぁっ、カイル…ニルはっ!?」
「それよりレオだ。レオを解放しないと…俺がレオを引きつける。その間に核を狙え、それが出来なければ俺が…っ」
「やる…っ、俺がやるっ」
今までだってやろうと思えば思いっきりやれたはずだ。
だけど決められないのはやっぱりレオを失いたくないから…
レオを引き付けてる間に隙があったら俺が…
そう思ってレオの気を散らすと、ルシアはレオの視界を避けるように間合いをとる。
その時だった。
「ルシア!後ろっ!!」
「なっ…」
ノエルの声が響き渡ると同時に、ルシアの後ろから群衆の一人が襲いかかったのだ。
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