僕らが描いた夢の先へ

むらさきおいも

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ルシアとカイルの関係(ルシア)

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レオとノエルがここ出てから二日目の朝。
心地よい風が俺の頬をなで、窓から入り込む眩しい日差しで俺は目を覚ました。


「ん…ぅ…」

「おはよぉ」

「ん、おはよ」


隣には、寝癖だらけでだらしなく横たわるいつも通りのカイルの姿。

こんな風に平和な朝を迎えられる事は、俺らにとって当たり前では無い。

いつ何時妖魔に襲われるかも取り込まれてしまうかも分からないし、俺ら討伐隊が取り込まれてしまったらもうこの国はもうお終いだ。


「ルシア、能力回復した…?」

「うん…」

「ん?まだ足りない?」

「…っ、や、大丈夫」

「そ?でも俺は足んないかも…」

「えっ、ちょ…っ」


俺は治癒系の異能を持っている。
だけどこの能力は体力や技術でどうにかなるものではなく、一日に何度でも使えるものでは無い。

特に致命傷なんかを普通に動けるまでに回復するには、俺の持ってる能力と精神力の半分以上が持ってかれてしまう。

それを回復する為には良く寝ることも大事だが、それ以上に人との触れ合い、もしくは手っ取り早い方法としては交わりが必要なのだ。

ただ、カイルに異能はないし回復する必要も無いのだから、足んないって言うのはどういう…?


「ん、あ…っ」

「はぁ…っ、ルシア…好き」

「カイル…っ、俺、も…」


カイルは優しい…
こんなにも優しいのにいざ戦闘となると目の色が変わり、水を得た魚の様に生き生きと人を斬る。

踊るように剣を振りかざし、軽やかに舞うカイルの戦闘スタイルは目を奪われるほど綺麗だ。

透き通るように白い肌が段々と赤みを増し吐息が頬をかすめると、体を起こし伏し目がちに俺を見るカイルの視線が妖艶で、戦闘の時の冷酷なカイルを思い起しゾクッと背筋が粟立つ。

もっとカイルに支配されたい、カイルにめちゃくちゃにされたいという欲求が溢れ出し、期待に満ちた目でカイルを見つめる…


「どうした?ルシア…もう欲しいの?」 

「うん…欲しい」

「わかった」
 

昨日の今日なこともあって、既に迎え入れる準備は出来てる。

俺の後ろは潤滑油を纏ったカイルのモノをいとも簡単に飲み込み、食いちぎる勢いで締め付けながらカイルの首に腕を回し顔を近付け舌を出しキスをせがんだ。

カイルの舌と俺の舌が絡み合い、甘い息遣いと水音だけが静かな部屋に響き渡る。

肌が触れ合い俺の中いっぱいにカイルのモノを感じると、身体の奥が一気に熱くなり心も身体も溢れるほどに満たされて、いよいよ我慢できなくなってくる。


「ん、あっ、あぁっ、カイル…っ」

「ん…っ?も、ダメっ?」

「だ、めっ!あっ、イッちゃ…っ」

「…っ、俺も…っ出していい?」

「ん…っ、あっ、イ、ク…ッ!」


奥を突かれた衝撃で腹の上に欲を飛ばすと同時に中がうねり、じわっと暖かくなるとカイルも果てたのだと感じる。

荒い息遣いで俺の上に倒れ込んでくるカイルを抱きしめると、それだけで幸せな気持ちになれる。

今となっては快楽を感じるまでになったけど、カイルと関係を持った最初の頃は、ただ単に能力を回復する為という単純なものだったし、カイルの事は嫌ではなかったけど、男同士でなんて信じられなくて絶対無理だって思ってた。

あの時は仲間が沢山傷ついて急を要する程で、能力の回復の為俺は仕方なくカイルを受け入れた。

カイルは欲に満ち満ちた顔で「俺上手いから♡」とか何とか言って、強引にされないか不安だったけど、カイルは男の俺を優しく抱いてくれて思いの外満たされて、能力も十分に回復出来たのだ。

それからは代わりの誰かなんて居なくて、ずっとカイルに抱かれている。

カイルは雰囲気作りの為か、毎回俺に好きだよって言ってくれるし俺もそれに答える。

だけどお互いの気持ちをしっかり確かめあった事なんてなくて、この行為が作業的なものなのか、本当に俺を求めてくれてるのかはわからないし、確かめるのも怖いからしたくはない。

だって俺は、カイルの事が本当に…

好きだから―――
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