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メルディ国編
37 下準備ですヨ
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「一般人に対し、不当な扱いをするなど最低だぞっ! 早々に解放しろっ!!」
あ、まだなにかわめいていた様だけど……何言ってんの、こいつ? え、一般人? 不当? 解放? 誰の事?
隊長以下、兵士達もあたしもネスも、ついでにルベルも。みんな揃ってポカンとするしかない。あ、ルチタンの隊長までポカンとしてる。まあ、それはそうか。カジスの隊長が、街道に出没した盗賊団を捕縛して連れてきたってきっちり報告したんだから、あのリアカーに積まれてるのを一般人と言う方がおかしい。
リアカーの方をチラッと見ると……ああ、あの百貫デブがこっそりニヤついている。協力者であるこいつはルチタンの兵士の中では上位にいる。丸め込んで、早々に解放されるとでも思っているんだろうね~。
――アホだしバカだ。うん、いわゆる脳足りんって奴だ。
そんなもん、矛盾を突けば、あっという間に崩壊するでしょ。
こういう奴等は仲違いさせて、協力者共々地獄に叩き落としてやれば問題ない。
『そんなに上手くいきますか?』
え? そんな事を心配する必要、全くないと思うよ?
『そうですか?』
そうそう。だってこいつ、自分より下だと思っている存在が歯向かえば、簡単に冷静さを失うし?
言ってる事も遣ってる事もバカでアホでクズだし?
何より――
『何より?』
あたしのストレス発散に丁度良い! ビバ! 痛めつけても心の痛まないサンドバッグ!!
『――は?』
気にしちゃいけない。
という訳で、貶す! 徹底的に貶してやる! バカにしてやる!
あたしが遣られてイラッとした事をこいつに遣ってやる! あたしをババアと言いやがったこいつに情けなど無用っ!! あたしのストレス発散の為だけに沈めっ!!!
あたしはわざとらしく深々~っと溜め息を吐くと、目の前でわめくこいつを見下してやった。
「あんた、すっごいバカだろ?」
「なんだとっ!!」
「カジスの隊長が『盗賊だ』と言ってるんだよ? あんた、仮にも同じ兵士であり上官でもあるカジスの隊長を疑う訳?」
「――っ!!」
あっはっは~。うん、本当にバカだ。たったこれだけしか言ってないのに反論できず、顔を真っ赤にしてあたしを睨み付けてきてる。わざと強調した部分が気に入らないらしい。
こいつが悔しかろうがなんだろうが、あたし的にはどうでもいいけどね~。
またまたわざとらしく冷笑を貼り付け、次の瞬間、あたしはこいつをまるっと無視してルチタンの隊長に視線を向ける。
「カジスの隊長の言葉を補足すると、きのうは、敵意や害意のある奴が近付いてくると動けなくする結界を張って休み、起きたらこいつらが引っ掛かってた」
こいつらの部分でリアカーを指差すと、ルチタンの隊長が頷いた。
「で、敵意や害意があるって事は、ロクでもない事を考えていたんだろうと、リアカーに拘束。こいつらがねぐらにしていた出入り口が広過ぎる洞窟に行って、そのボスらしき百貫デブも拘束。ちなみに、洞窟の中には様々な物――多分、盗品や略奪品があったから回収。回収した物の中には血の付いた物もあったから、こいつらが『誰か』や『何か』を襲ったのは確実でしょ」
ね、とネスに同意を求めると、ネスは頷いた。
「オレも一緒に確認している」
「ワシもじゃっ!」
ショタジジイが存在を主張するかの様に手を上げる。あんたは黙ってなさい。
頭の上に手を置きグイグイと押さえ付けると、ルベルは不満そうにあたしを見上げ――。
何を思ったのか、頭の上にあるあたしの手をグリグリと押し上げる。――ただし、あたしの手首をルベルの手ががっちり掴んでいるが。
……これはつまり、撫でろって事? ネスといいルベルといい、撫でられるの好きだね……。
まあ仕方ない。黙らせておく為にも撫でておくか。
ちょっと乱暴にわしゃわしゃしても、あたしが構うのが嬉しいのか、ルベルは文句も言わずご満悦気味。
孫にじゃれ付かれるおばあちゃん的な状況である事は突っ込んじゃいけない。虚しくなるから。
……隣から羨ましそうな視線を感じるが、これは今は気付かないフリが一番だろう、うん。
「いくつか、お聞きしたいのですが……」
よっしゃっ! 偉いぞ、ルチタンの隊長! めっちゃ良いタイミングでの質問だ!
「なに?」
「百貫デブとは、一体……」
「あそこにいる、無駄に横の空間を占拠してる公害」
「……」
リアカーにいる公害物を指差すと、ルチタンの隊長は複雑そうな表情を浮かべながらも頷く。思考に柔軟性があっていいね。
「回収した盗品等は……」
「このアイテムバッグの中」
トキを指差す。
「……仮に、アイテムを返して欲しいと言う人がいた場合はどうしますか?」
ネスを見ると、リジーに任せると言われた。捕まえたのも、回収したのもあたしだからと。
ふむ。それなら……。
「カジスの隊長」
「はい」
「出発はいつ?」
あたしの問い掛けに隊長は困った顔をすると、ルチタンの隊長を見た。
「手続きに、どのくらい掛かりそうですか?」
「そうですね……2、3日くらいかと」
「では、出発は3日後といったところです」
「そう……じゃあ、その期間なら交渉には応じるって感じかな?」
犯罪者の聴取、アジトの確認、報償金の清算にその位の時間が掛かるって事かな?
まあ、その間なら返還交渉に応じるのも良いだろう。ただし応じるだけで、その後どうなるかは交渉してきた人次第だけど。
あ、でも……。
「先に言っておくけど、あの犯罪者共、嘘は吐けないし、黙秘もできないから取り調べは楽だと思うよ?」
「は?」
大きく目を見開き、ルチタンの隊長があたしを凝視する。
それに……カジスの隊長が反応し、深々と溜め息を落とした。
「リジー殿の魔法です」
「いや、どういう……」
「どういうもこういうもないです。リジー殿は規格外です。なんでもありです。そういうものだと納得するしかありません」
カジスの隊長がドキッパリと断言すると、カジスから同行してきた兵士達が一斉に頷く。
おい。あたしが規格外なんじゃなくて、付随している加護なんかが規格外なだけだっての。言えないけど。
「ええと……」
カジスの隊長と兵士達の連携(?)にルチタンの隊長は若干戸惑いを見せはするが、やっぱり思考に柔軟性があるのか、やれやれって具合に首を振り、あたし達を見回しながら通用門を指差す。
「詳しい話はじっくり中でしましょう」
「なるべく早く解放してよ。宿とか手配しなきゃいけないし」
「そちらは我々の方で手配します」
護送中の必要経費ですからと、なぜかルチタンの隊長が断言し。後方に居た兵士に宿を手配する様に指示を出す。あ、全員別々の部屋でよろしく。
「えええっ! ワシはリジーと一緒がいいのじゃ」
「……ネス、よろしく」
「分かった」
アホな事をぬかすルベルをネスに託すと、任せろって感じで頷いてくれた。
それに対し、ルベルはかなり不服そう。じゃあ、ねぐらに強制送還するぞと言うと大慌てで首を振り、渋々と頷いた。全く……最初っからそう納得しろっての。
あ、ネスとルベルは同室決定なのでよろしく。
さて、話は決まったと、隊長達と共に通用門から兵舎の方へ進もうとすると。
「ちょっと待てっ! そんな不審者共を中に入れるなど、何を考えているっ!!」
あ、や~っと声を出した。
チラッと見れば、さっきよりもかなり真っ赤になっており、怒りとか屈辱とかいろんな負の感情を宿した目があたしを睨み付けていた。
いい具合に頭が沸騰しているね~。よきかなよきかな。
じゃあ、エリートコースから地獄へご案内しましょうかね? 存分に抗ってよ?
あ~楽しみっ!!
あ、まだなにかわめいていた様だけど……何言ってんの、こいつ? え、一般人? 不当? 解放? 誰の事?
隊長以下、兵士達もあたしもネスも、ついでにルベルも。みんな揃ってポカンとするしかない。あ、ルチタンの隊長までポカンとしてる。まあ、それはそうか。カジスの隊長が、街道に出没した盗賊団を捕縛して連れてきたってきっちり報告したんだから、あのリアカーに積まれてるのを一般人と言う方がおかしい。
リアカーの方をチラッと見ると……ああ、あの百貫デブがこっそりニヤついている。協力者であるこいつはルチタンの兵士の中では上位にいる。丸め込んで、早々に解放されるとでも思っているんだろうね~。
――アホだしバカだ。うん、いわゆる脳足りんって奴だ。
そんなもん、矛盾を突けば、あっという間に崩壊するでしょ。
こういう奴等は仲違いさせて、協力者共々地獄に叩き落としてやれば問題ない。
『そんなに上手くいきますか?』
え? そんな事を心配する必要、全くないと思うよ?
『そうですか?』
そうそう。だってこいつ、自分より下だと思っている存在が歯向かえば、簡単に冷静さを失うし?
言ってる事も遣ってる事もバカでアホでクズだし?
何より――
『何より?』
あたしのストレス発散に丁度良い! ビバ! 痛めつけても心の痛まないサンドバッグ!!
『――は?』
気にしちゃいけない。
という訳で、貶す! 徹底的に貶してやる! バカにしてやる!
あたしが遣られてイラッとした事をこいつに遣ってやる! あたしをババアと言いやがったこいつに情けなど無用っ!! あたしのストレス発散の為だけに沈めっ!!!
あたしはわざとらしく深々~っと溜め息を吐くと、目の前でわめくこいつを見下してやった。
「あんた、すっごいバカだろ?」
「なんだとっ!!」
「カジスの隊長が『盗賊だ』と言ってるんだよ? あんた、仮にも同じ兵士であり上官でもあるカジスの隊長を疑う訳?」
「――っ!!」
あっはっは~。うん、本当にバカだ。たったこれだけしか言ってないのに反論できず、顔を真っ赤にしてあたしを睨み付けてきてる。わざと強調した部分が気に入らないらしい。
こいつが悔しかろうがなんだろうが、あたし的にはどうでもいいけどね~。
またまたわざとらしく冷笑を貼り付け、次の瞬間、あたしはこいつをまるっと無視してルチタンの隊長に視線を向ける。
「カジスの隊長の言葉を補足すると、きのうは、敵意や害意のある奴が近付いてくると動けなくする結界を張って休み、起きたらこいつらが引っ掛かってた」
こいつらの部分でリアカーを指差すと、ルチタンの隊長が頷いた。
「で、敵意や害意があるって事は、ロクでもない事を考えていたんだろうと、リアカーに拘束。こいつらがねぐらにしていた出入り口が広過ぎる洞窟に行って、そのボスらしき百貫デブも拘束。ちなみに、洞窟の中には様々な物――多分、盗品や略奪品があったから回収。回収した物の中には血の付いた物もあったから、こいつらが『誰か』や『何か』を襲ったのは確実でしょ」
ね、とネスに同意を求めると、ネスは頷いた。
「オレも一緒に確認している」
「ワシもじゃっ!」
ショタジジイが存在を主張するかの様に手を上げる。あんたは黙ってなさい。
頭の上に手を置きグイグイと押さえ付けると、ルベルは不満そうにあたしを見上げ――。
何を思ったのか、頭の上にあるあたしの手をグリグリと押し上げる。――ただし、あたしの手首をルベルの手ががっちり掴んでいるが。
……これはつまり、撫でろって事? ネスといいルベルといい、撫でられるの好きだね……。
まあ仕方ない。黙らせておく為にも撫でておくか。
ちょっと乱暴にわしゃわしゃしても、あたしが構うのが嬉しいのか、ルベルは文句も言わずご満悦気味。
孫にじゃれ付かれるおばあちゃん的な状況である事は突っ込んじゃいけない。虚しくなるから。
……隣から羨ましそうな視線を感じるが、これは今は気付かないフリが一番だろう、うん。
「いくつか、お聞きしたいのですが……」
よっしゃっ! 偉いぞ、ルチタンの隊長! めっちゃ良いタイミングでの質問だ!
「なに?」
「百貫デブとは、一体……」
「あそこにいる、無駄に横の空間を占拠してる公害」
「……」
リアカーにいる公害物を指差すと、ルチタンの隊長は複雑そうな表情を浮かべながらも頷く。思考に柔軟性があっていいね。
「回収した盗品等は……」
「このアイテムバッグの中」
トキを指差す。
「……仮に、アイテムを返して欲しいと言う人がいた場合はどうしますか?」
ネスを見ると、リジーに任せると言われた。捕まえたのも、回収したのもあたしだからと。
ふむ。それなら……。
「カジスの隊長」
「はい」
「出発はいつ?」
あたしの問い掛けに隊長は困った顔をすると、ルチタンの隊長を見た。
「手続きに、どのくらい掛かりそうですか?」
「そうですね……2、3日くらいかと」
「では、出発は3日後といったところです」
「そう……じゃあ、その期間なら交渉には応じるって感じかな?」
犯罪者の聴取、アジトの確認、報償金の清算にその位の時間が掛かるって事かな?
まあ、その間なら返還交渉に応じるのも良いだろう。ただし応じるだけで、その後どうなるかは交渉してきた人次第だけど。
あ、でも……。
「先に言っておくけど、あの犯罪者共、嘘は吐けないし、黙秘もできないから取り調べは楽だと思うよ?」
「は?」
大きく目を見開き、ルチタンの隊長があたしを凝視する。
それに……カジスの隊長が反応し、深々と溜め息を落とした。
「リジー殿の魔法です」
「いや、どういう……」
「どういうもこういうもないです。リジー殿は規格外です。なんでもありです。そういうものだと納得するしかありません」
カジスの隊長がドキッパリと断言すると、カジスから同行してきた兵士達が一斉に頷く。
おい。あたしが規格外なんじゃなくて、付随している加護なんかが規格外なだけだっての。言えないけど。
「ええと……」
カジスの隊長と兵士達の連携(?)にルチタンの隊長は若干戸惑いを見せはするが、やっぱり思考に柔軟性があるのか、やれやれって具合に首を振り、あたし達を見回しながら通用門を指差す。
「詳しい話はじっくり中でしましょう」
「なるべく早く解放してよ。宿とか手配しなきゃいけないし」
「そちらは我々の方で手配します」
護送中の必要経費ですからと、なぜかルチタンの隊長が断言し。後方に居た兵士に宿を手配する様に指示を出す。あ、全員別々の部屋でよろしく。
「えええっ! ワシはリジーと一緒がいいのじゃ」
「……ネス、よろしく」
「分かった」
アホな事をぬかすルベルをネスに託すと、任せろって感じで頷いてくれた。
それに対し、ルベルはかなり不服そう。じゃあ、ねぐらに強制送還するぞと言うと大慌てで首を振り、渋々と頷いた。全く……最初っからそう納得しろっての。
あ、ネスとルベルは同室決定なのでよろしく。
さて、話は決まったと、隊長達と共に通用門から兵舎の方へ進もうとすると。
「ちょっと待てっ! そんな不審者共を中に入れるなど、何を考えているっ!!」
あ、や~っと声を出した。
チラッと見れば、さっきよりもかなり真っ赤になっており、怒りとか屈辱とかいろんな負の感情を宿した目があたしを睨み付けていた。
いい具合に頭が沸騰しているね~。よきかなよきかな。
じゃあ、エリートコースから地獄へご案内しましょうかね? 存分に抗ってよ?
あ~楽しみっ!!
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